沢木 優

1967年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。
埼玉県出身。
血液型：B型。
LINX / 元THE POWERNUDE のドラマー。
パー...

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コロナ禍に左右されない1つの活動スタイルとして制作された、自身のバンド・LINX、約2年ぶりの新作になる、Double A-side Digital Single『I Wanna / One Last Chance』。
9/18の配信リリース＆第1弾MV公開を前に、作品に対する想いを暑苦しく語る第2弾です。

今回は、主にレコーディング後のMIX・マスタリングでのお話しを…。
その前に！　前回の原稿では“I Wanna”のコトばかり触れていましたが、もう1つのメイン曲“One Last Chance”も紹介させて下さい。
この曲は、前作“Treasure Box”のリリース後に出来た曲で、既にライヴでも何度かプレイはしています。
で、この音源の制作が決まった際、候補曲の1つではあったのですが、正直なところ、音源化する程の完成度はありませんでした。
ライヴでも、どちらかと言うと“繋ぎの曲”という感じで。
作品にすると考えた場合、詰めの甘い箇所が随所にあり、現状ではとても使えないと見てました。

ただ、メロディに関しては、アレンジを重ねていく中で、今の形に出来上がっていて、これは活かしたいなと思っていたので、あとはバックのアレンジ次第かなと。
何処か古臭さを感じると言いますか…垢ぬけない感覚を何とかしたい！と。
アイデアが出るたびに、ZINとあれこれ意見交換をしながら、試行錯誤していくうちに、彼が今のリフを弾き出しまして…。
“おっ！それいいじゃん!! それでいこう!!”と、即決出来るくらい“痒い所に手が届く”感じでした。
特に、イントロ、サビのバッキングやエンディングの展開なんかは、若干オルタナっぽさを感じさせてくれて、それまであった古臭さを一掃してくれました(笑)。
そのおかげで、4番手くらいの位置付けだったのが、一気に1番候補に躍り出て採用！となったワケです。

ちなみに、今回の2曲とも、Gソロは予め考えたフレーズを弾くのではなく、その場のフィーリングでソロを弾く…というスタイルで録っていました。
数年前に、そういうスタイルでギターを弾いてみたい…と、本人から要望があったので、ならばと、彼の思うやり方に任せました。
レコーディングでは、アドリブで一気に弾いたソロを何パターンか録って、その中から一緒にチョイスする…という流れでソロを決めました。

さて！レコーディングについては、4月あたりの記事で書かせて頂いて、少し前の記事でも、MIXやマスタリングで奮闘している状況を書きましたので、細かな過程は省きますが。
今回の制作に於いて、MVPと言っても過言ではないのが、レコーディング＆MIXエンジニアの山田さん。
おそらく、自分は割と細かく拘るミュージシャンの部類に入る方かもしれませんが、それでも通常はMIXなら第10稿以内で完成としていました。
それが、今回は第20稿までお付き合い頂きまして…。
決して、山田さんの作るサウンドが良くないというコトではなく、自分のイメージする音像とのギャップを埋めるのに、時間を要してしまったと。
どうしても感覚的な表現になったりするんで、その細かいニュアンスを伝えるのが、何気に難しいんですよね。
別のエンジニアさんの時は、これで炎上してしまったコトもありますし。
でも、山田さんはどんな時でも淡々と向き合ってくれて、必要な時は的確なアドバイスもくれるので、最も信頼出来るエンジニアさんなのです。

特に、今回は一度MIXを終了してマスタリングに進んでから、再度MIXに戻って修正したり…。
当初のマスタリングの出来が、しっくりこなかったので、それを聴いて貰ったところ、自分にやらせて下さい！と、自ら申し出てくれたり…ホント頭が上がらない想いでした。
結果、100％納得！の作品に導いてくれまして、感謝！感謝！です。
とは言え…自分的にも、さすがに20回もMIXを上げて貰った上に、マスタリングまでお願いして、さぞかしウチの仕事にはウンザリしてんだろうなぁ…と、いつも気にはしていただけに、完成後の精算時にお礼も兼ねて連絡をしたところ…。
“作品自体は、LINXさんの作品ではありますが、自分が手掛けている以上、自分の作品でもあるので、絶対に良いモノにしたかった。なので、沢木さんが心底納得できるまで、とことんお付き合いするつもりで、いつもやっています”という、思いがけず熱い言葉を頂いて、ウルウルでした(涙)。

山田さんとは、THE POWERNUDE時代からの付き合いですので、けっこう長くご一緒させて貰っていますが、（料金の部分でも）決して“友達”としてお願いしているワケではなく、そこはきっちりとビジネスの関係として成り立っています。
ですが、やはりドライなだけがビジネスじゃないと思うんですよね。
もちろん！きちんとしたビジネスがあって…ですが、やはり大切なのは“信頼関係と同じ熱意を共有出来るコト”なんだなと、今回の制作で改めて実感しました。