連載記事

音にのせる胸のうちオカリナとの出逢い

ツルタハル

小中高を通して吹奏楽部に所属し音楽の楽しさを知る。20代から本格的に音楽活動開始。主に美術館、カフェ、レストラン、ホテル等で演奏し好評を得る。
結婚、出産を経て子育てに専念。11年...

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中学生の時、全校生徒で体育館で映画を観た。
映画の内容は覚えていないが、オカリナで「コンドルは飛んで行く」が流れた。
劇中で流れたのか、エンディングで流れたのか忘れてしまっている。

初めて聴くオカリナの音色だった。
暖かくて、柔らかくて、なんとも素朴な音。
そう、これが、ワタシとオカリナとの出逢いだ。

それから、楽器屋さんで母親にオカリナを買ってもらった。4000円しなかったんじゃないかな。ナイトオカリナのソプラノF。オカリナの知識はまったくなかったワタシは、丁度それが大きさもよかったからそれを選んだ。

今、たくさんのオカリナメーカーがあるが、初めにオカリナを日本に持ち込んだのは、火山久さん。フランス人からお土産でもらった。火山久さんとは、オカリナを一気に有名にした宗次郎さんが弟子入りした方。
それから、明田川孝さんが、12穴式のオカリナを作り日本に広まった。明田川孝さんとはアケタオカリーナの創始者だ。火山久さんは明田川孝さんの弟子。
この方達のおかげで、オカリナと出逢えたわけだ。

現在、ワタシが所有しているオカリナは、ナイトオカリナ、アケタ、ポポロ。(トップ画像のもの) 小さいのがソプラノC。中くらいがソプラノF。大きいのがアルトC。
小さいと音は高くなり、大きくなると音は低くなる。
ソプラノCは、小鳥がさえずるような音色だ。

メーカーによって音色も違う。
アケタは、とっても土っぽい音色。
それに比べると、ポポロは、ピンとしたハリのある音色。
もし、これからオカリナを始めたいという方がいらっしゃるなら、楽器屋さんで、試奏させてもらって、自分の好みの音、吹きやすいものを選ぶといい。
そう、吹き方もメーカーによって違う。
特に高音の出し方だ。息の量、オカリナの向き、息のあたるところなど。
オカリナって、とても単純な楽器だけれど、なかなか奥が深いのだ。
確かに、吹けば音が出る。しかし、問題はそれからだ。穴を塞ぐ指の加減、息の量などで簡単にピッチ(音程)が変わってしまう。
ワタシは月に二回、コミュニティーセンターでオカリナ講師をさせて頂いているが、生徒さん達は、「もっと簡単だと思いました!」とおっしゃる。

しかし、裏を返せば、オカリナって表現しやすい楽器なのではないかな。

ワタシが感じるオカリナの魅力
・気持ちを音にしやすい楽器
・音色
・感触

ワタシにとって歌うこともオカリナを吹く事も同じという感覚。
思いがダイレクトに音に反映する。
そこが最大のオカリナの魅力だ。
音色については、よく「癒しの音」などと言われる。土から出来たオカリナは、魂に訴えかけ、響いてくる。
オカリナの発祥の地はイタリアだ。しかし、土から出来た笛の歴史はマヤ文明までさかのぼることが出来る。
歴史を記憶した土で作られたオカリナ。そこから出る音色が、ワタシたちのDNAに刻まれた記憶とリンクして響く。
とてもシンプルで、自然なことだ。
余計なものをすべてなくして、最後に残ったもの。
感触ついて、土から出来た楽器なので落ち着く。大袈裟にいえば、大地が手の中にあるのだ。
なんて壮大なことだ。
感触というものは、普段は忘れていてもちゃんと記憶しているもの。
例えば、絵本。表紙を触った時の感触がワタシはとても好きだ。幼い頃を思い出すからか、ノスタルジーな気分になる。

オカリナはワタシの上手く言葉にならない気持ちを、音に変えて放出してくれる。
放出とは、「表現」のこと。
うちにあるものを放出しないと苦しくなる。
放出しないと、新しいものが生まれてこない。
言葉で上手に表せる人は、話すこと、書くとこで表現出来る。
しかし、ワタシはそれらは苦手だ。
タイトルにもなっている「音にのせる胸のうち」ということ。
音にのせて、言えない胸の奥の方を表現したい。
オカリナは、そんなワタシにピッタリなものなのだ。

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