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Logo Mark音にのせる胸のうち大人になったワタシが吹奏楽コンクールを聴きに行くの巻

ツルタハル

小中高を通して吹奏楽部に所属し音楽の楽しさを知る。20代から本格的に音楽活動開始。主に美術館、カフェ、レストラン、ホテル等で演奏し好評を得る。
結婚、出産を経て子育てに専念。11年...

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先日、宇都宮市文化会館にて、
栃木県吹奏楽コンクールが行われた。
ワタシが聴きに行ったのは、高校のA部門。
小学校、中学校、高校、大学、一般とあって、それぞれ部門が分かれている。
例えば、高校のA部門は、50名以内。
B部門は、30名以内。C部門は、25名以内。D部門は自由。てな感じで人数によって部門別になっている。

確か、ワタシが高校生の頃は、A部門とB部門しかなかったように思う(たぶんね)。

高校A部門の全7校の演奏を聴いてきた。
演奏が1番最初の学校って嫌だよね。
凄いインパクトがないと、忘れられてしまうし比べる所がないもんね。
プレッシャーもあるだろうし。
その1番手の学校、金賞を受賞してたので、よかったぁ! みんな喜んでいるだろうなぁ。なんて想像したり。

みなさんの演奏を聴いて、まず、心が震えた。
みんな、この時のために、曲を仕上げて、金賞を目指してやってきているんだ。
あ、A部門は、課題曲もあるから、2曲仕上げてくる。凄いよね…凄い。
若いエネルギーが、この短い時間に凝縮されているのだ。
演奏を聴きながら、自分の時はどうだったかなぁと考えていた。
コンクール前は、みんな一眼となって同じ目標に向かっていく。
この感じが好きだったなぁ。
ワタシはピッコロ。フルートより小さい横笛だ。楽団の中で、1番高い音を出す楽器。目立つよ…間違えても目立つ…(笑)。

吹奏楽…木管楽器の柔らかい音と、金管楽器の鋭い音を出す。それが混ざり合いあのサウンドが生まれる。
はたまた、木管楽器が鋭い音を出したり、金管が柔らかな音を出す時も好き。

ワタシは今、大人になり、子どもを産み、親となっている。
そのワタシから見ると、
一生懸命に誠実に音楽と向き合う姿に感動する。そして、その姿は聴いている人に伝わり、とても美しい姿なのだ。
「誠実」に敵うものってないんじゃないかな。
そして、この日のために頑張って来たんだね…と、親の気持ちにもなる。
一点の曇りもなく、演奏している姿は愛おしくも感じる。

演奏を聴いて感じたことは、
曲の1発目の音と、曲の最後の音が終わった時の余韻の事。
演奏が上手な学校は、
1発目の音を聴いて、「おっ!凄いっ」となる。で、それはどういう事なのか考えてみると、全体のバランスがいいという事と、それぞれの楽器がいい音色を出しているって事なのかな。あと、“気迫”だ。それがこっちまで、伝わっているって事かな。
指導者の先生は、生徒達のモチベーションを上げるのが上手いんだろうなぁ。
それから、曲の終わりの余韻については、ホールで演奏すると、余韻が残る。
好きだなぁ、あのホールに響く「ボワンッ」という余韻。
あの余韻を綺麗に出すには、みんなが同じ音の長さで一緒に終わらないと綺麗に余韻が残らない。綺麗な余韻は感動するよね。

もうあの頃の演奏している高校生じゃなく、大人になったワタシは、指導者の重要性を強く感じた。
どんな風に曲を仕上げていくかは、指導者次第で、生徒達の意識を上げていくのも大切な事。
指導者がイメージした事を、言葉にして、生徒達に伝えていく。
まずどんなイメージをするのかとても重要になる訳だ。
A部門は、課題曲があって同じ曲を演奏するのだけど、やっぱり学校によって違うもんね。その違いが聴けるのも楽しい事のひとつだ。
そして、「この先生はこんな風に仕上げたんだぁ」って思うようになった。
大人になったワタシの目線だ。
高校生目線じゃなく、大人の目線になっていて、時の流れを感じたよ(笑)。

演奏が上手な学校って、指導者がイメージを言葉にかえて伝えるのが上手なんだろうなぁと思った。
そして、生徒達の可能性を最大限に引き出していくのも上手いんだろうなぁ。
楽器を演奏するって事は、体から息を出すのだから、メンタル面もとても大切になる。楽器から出た音は、自分自身だ。まず自分の内側をちゃんとしておかないといい演奏は出来ない。

とにかく、今回ワタシは演奏する生徒さん達と、指導者の先生から、たくさん刺激をもらい、心を震わせた時間となった。
フォルテシモで盛り上がる前の全員でのブレスの音が好きだ!
一緒にブレスしちゃうくらい好きだ(笑)。

みなさん、本当にありがとう!!
そして、お疲れ様でした!

〈おまけ〉
もし、高校生に戻ることが出来たら、
今度はコントラバスをやってみたいな。

写真は、宇都宮市文化会館。

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ツルタハル

小中高を通して吹奏楽部に所属し音楽の楽しさを知る。20代から本格的に音楽活動開始。主に美術館、カフェ、レストラン、ホテル等で演奏し好評を得る。
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