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Logo Mark音にのせる胸のうち昭和の唄を愛する

ツルタハル

小中高を通して吹奏楽部に所属し音楽の楽しさを知る。20代から本格的に音楽活動開始。主に美術館、カフェ、レストラン、ホテル等で演奏し好評を得る。
結婚、出産を経て子育てに専念。11年...

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ワタシは60年代、70年代の歌に惹かれるのだが、もっと古いのも好きだ。
戦後、日本を元気にした歌がたくさんある。
戦後…と簡単に言うけれど、その時代を生きていないので、想像するのは難しいね。

その中であまりにも有名な「リンゴの唄」。
並木路子さんが歌っている歌。
ネットで調べるとこんな事が出てきた。

父と次兄を失い、初恋の人も学徒出陣後、特攻隊で失っている。
本人も昭和20年3月に東京空襲にあっているのだ。
母親は衣服に火がつき、「熱い、熱い」と叫んで、母親は隅田川に入った。
壮絶過ぎる…。
流されないように、襟元を掴んでいたが、強い流れで手が離れてしまい見失ってしまう。
そして、数日後発見された。
これは、映画ではなく現実、現実な事なのだ。本当に戦争なんて大っ嫌いだ。
想像するのも辛い。

終戦を迎え、松竹は日本を勇気づけようと映画「そのかぜ」の制作を進めていた。主役は並木路子さんが抜擢された。
歌手を夢見ていた彼女だが、立ち直れず断った。
そりゃそうでしょうよ‼︎
歌う気持ちになんてならないだろうよ‼︎
しかし、作詞家サトウハチローは、主題歌として、
「リンゴの唄」を明るい声の彼女に歌ってほしいと強く要望し、その熱意に負け引き受けたという。
戦争が終わり、みんなを明るい気持ちにしたい!という気持ちを音楽を使って、みんなに知らせる。
塞ぎ込まずに歌うのだ。
気持ちも明るくなるように、明るい歌を歌う。
でも、並木路子さんは愛する家族を亡くし、歌う気分なんかじゃないのもよく分かる。
歌って体から出るものだから、心が参っている時は、歌うのは難しい。しかも明るい歌…。
ワタシは思った。
彼女は“使命”と捉えたのかもと。
今の日本は、私が明るくする!と。
本当に歌ってくれてよかった。
今もなお日本に残る名曲となっているもの。

まさか「リンゴの唄」にこんな背景があるとは知らなかった。
壮絶だよ…壮絶…。
家族を亡くしたのも「リンゴの唄」を歌ったのも、同じ年に起きている事に驚く。
戦後の唄には、色んな背景があるんだろう。
みんな音楽の力を信じてるんだ。

12月は、そんな戦後の唄を集めたライブをする。
ワタシは唄。ギターとカホンの3人構成。
ワタシ達も元気になりたいし、
みなさんも元気に明るい気持ちになって欲しいと願いを込めて演奏する。
ありがたい事に、
ライブ会場は、船村徹記念館の3階。
なんて幸せな事だろうか。
とても光栄だ。
もちろん船村徹先生の曲も。
戦後、希望を胸に聴いた歌たち。
今こそ、音楽の力を信じて、ワタシは唄う。
是非、お越しくださいませ!


12月3日(土)
開場:18:30
ライブ:19:00〜20:15
チケット:1500円
場所:船村徹記念館3階
『ミチカケガクダン初ライブ』
昭和の流行歌をお届けします。

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