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Logo Mark連載記事

Logo Mark歯を磨く様に演じるラジオCMを作る

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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他のパーソナリティが作ったラジオCMの上手さに感心しながら、自分の放送担当時間に聞いていることがよくあったが、私にもやってきた。突然、ラジオCMを作る事になったのだ。
やはりコロナ禍で、閉店を余儀無くされる店舗があり、私が担当させて頂いている番組のCMを変更せざるを得なくなったのだ。
大丈夫か、私!?芝居の台本は書いた事があるが、CMとなると、ドドド素人。何から始めていいかわからない。
この私の担当企業はグループ会社で様々な業態の会社が集まっている。レンタカー、美容室、ラーメン店。“そのグループ会社とはどんなもの?”というテーマで、というお題のみが出されていた。とにかく動いてみるしかない。なんとなくこんな感じかなと芝居を書く要領で進んでみた。
まずは【各業態のお店やグループ代表者の(お好みも有るのかなと)情報収集】グループ代表の方の年齢服装等は毎週お会いしているので、そこから感じた事をちょっと加味して。
その(2)【頭に情報を入れておき、脳に勝手に考えさせる】脳って凄いですね。一旦気にしていると別の事をしていてもちゃんと働いてくれる。
すると、なんとなく取り残された寂しい男の子が浮かんだ。それと牛が売られていくドナドナの曲。
とりあえず状況が浮かんだので、
その(3)【台本の短いヴァージョンと考え、超短編一人芝居を作成】頭の中に浮かんだストーリーに台詞をつけていった。曲はアカペラで歌って。
だいたい30秒程度のやわらかなお話が出来た。とりあえずダメ元で、
『このCMを聞いて、より疲れたらごめんなさい』というコメント付きで第一案を出してみた。
そういえば、CMってどの位の長さなのだろう?この時やっと気づいた私。通常は20秒で作ってくださいとの事。方向性は良いとの事で。
実際いろんなCMを聞いてみると、20秒でも割と長く感じる。この私の場合も自分が作っているので、満足感だったり充実感があるので30秒でも長く感じなかったのだが、他人作になるとやはり長く感じるのだろう。
そして登場人物の台詞の掛け合い形式に話を手直しして頂き、勿論、アカペラで男の子が歌っていたイメージのドナドナの曲はカット。そして、
その(4)【録音】となった。
ここが当たり前だが、私にはちょっと目から鱗でした。
一人芝居だと自分以外に話し手がいないので、急いでいる台詞でも、自分の台詞が終わらないと次が入れられない。しかし、録音となると自分の台詞に重ねて別の登場人物の台詞を入れられる。そのため加工しやすいように、台詞を分けて録音した。頭の中で主人公の男の子が、他の登場人物の台詞を聞いて寂しさ等がどんどん盛り上がっていくのを考えて台詞を言っていった。割とすんなり男の子、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ナレーターの台詞(登場人物の声に変化があるか少々不安だったが)録音は終わった。
その(5)【録音した台詞を組み合わせ】機械操作がとことん苦手な私。こちらは得意な局長が“ちゃっちゃ”とやっていらっしゃいました。
その(6)【録音されたCMにBGMをつける】BGM選びは日頃朗読舞台でよくやっているので、なんとなくすぐに音のイメージが湧いてくる。そしてフリー素材の音を聞きながら、割とすんなり選ぶことができ、完成となった。
有難い事にこのCMの出来は好評であり、私の第1弾のCM作成はラッキーにも無事終わった。
やはり1番に思った事は、機械によって生の一人芝居では出来ない台詞を重ねる効果は凄いなという事でした。

12月13日(日)14時〜 オンラインZOOM 舞台公演 太宰治『メリイクリスマス』

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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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