2024/03/28
昨年の夏から今までシニア劇団の作品をゆっくり創り進めてきた。
役者の台詞が入っていないと演出するどころではないのだが、なんとか大分台詞も入り、演出であーだのこーだの言える余裕が出てきた。この状態が早いの遅いのというのは、まあおいておこう。
今回の公演作品『現代版二人小町』は、ほぼ芥川龍之介の『二人小町』なのである。タイトルからもわかる様に二人の小町が出てくる。
今回、小野小町を男性が演じる。これはメンバーで読み合わせした時からいろいろな思いを込めて、その方にやって頂こうとほぼ決めていた事だ。
小野小町といえば、言わずも知れた平安時代の女流歌人。それでもって“美人”という修飾語が必ずと言っていい程ついてくる。
さて、稽古が進み、有難いことにシニアの皆さんは人生経験も豊富でいろいろ先々の事まで早い段階で考えてくれる。
『私の衣装こんなのが良いと思うんですが』
『これ(被り物)試作に作ってみたんですけど』
『これを持って練習しないとわかりづらいのでちょっと作ってみました』
などなど本当に有難い。
これが芝居を始めたばかりの若者(昔々の私)になると、周りが気遣って、
『これ使って稽古した方がいいんじゃないの?』
と痺れをきらして言ってくれるまでわからない。
さて平安時代の女性と言えば長い黒髪に十二単姿。百人一首の絵札にはそう描かれている。
しかしである。そういう風にストレートに作っていく気にはどうしてもなれないのだ。
最近観た芝居でまたもや良い意味で裏切られたのがある。段田安則が主役をやっている『リア王』だ。
シェイクスピア、古典作品、王様と言ったら衣装は疑いもなく王冠にマントに豪華な杖でしょう。
この固定観念が幕開きと同時に吹き飛ばされた。王様の段田安則は水色のダブルのスーツを着ている。他のキャストもスーツ姿だ。
これはお料理で言ったら前菜で、メインディッシュは後ほど着替えて出てくるものだと信じていた。しかし一向にそうはならない。
衣装だけではなく、出てくる大道具小道具も現代使われている物ばかり。
舞台上に上部が青く光るウォーターサーバーなんてシェイクスピアの時代にはない。それがいつまでも舞台上にある。懐かしいOHPもある。
これらの演出は賛否両論あると思うが、現代に寄せてあって、話の内容、メインポイントがとてもわかりやすかった。
後から演出家のお名前を見てみると以前観た「桜の園」と一緒でショーン•ホームズさん。納得である。
以前、有名演出家さんが演出した「ヴェニスの商人」を観に行った事がある。その舞台には私には到底費用がかかって作れないほど素晴らしく豪華な建物がたち、これまた豪華な衣装を着た有名俳優陣が出ていたが、いかんせんわかりづらかった。
『こんな事ならちゃんと「ヴェニスの商人」を読んでから来るんだった…。』
と思った事がある。
でも、芝居を観に来ているのに、本を読んで内容を理解しないとわからないより、その芝居を観てわかった方が明らかに良いのではないか。
そんな訳で「リア王」は私にとって芝居を演出する上でとても参考になった作品である。
そしてそれまでの迷いが取れた私は、思う存分皆さんにやって頂こうと、早速稽古をお休みしたキャストにメッセージを入れた。
『こんにちは。〇〇さんの出番増やしたい場面があるんです。台詞はないです。宜しくお願い致します。では、次回に。』
早速返信がきた。
『わかりました。ありがとうございます。ワクワクしますね。』
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