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Logo Mark歯を磨く様に演じる真心の構成物

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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先日俳優、佐藤健さんが主演をしている『天皇の料理番』というドラマを観た。その中でしきりにおいしい料理を出すには“真心”が必要なることを述べていた。何故かと言うと、料理をする時、材料は同じものを使っていても個々により、また季節により違うし、その他の状況、料理状態などによって同じものが毎回出せるわけではない。しかし真心だけは常に一定で提供可能だと言うのである。ある意味“うんうん”と素直に納得だが、提供する側にとっては、なかなか難しい。 これも先日、私が閉店間際に食事に行った時のお話だが、夜遅い時間だったが、すごく楽しみにそちらのお店に伺った。扉を開けるとやはり閉店間際らしく、もうおしまいという雰囲気が漂っていた。私以外もうお客様は入ってこない時間なので、当然私への提供が終わると、店の片付けが始まるわけで…、1日の終わりに、ちょっとゆったり美味しい料理を味わいたいと思い、そちらのお店を選んできたのだが、なんとなくそわそわしながら、食すことになった。
片付けが始まっているのは全然問題は無いのだが、その提供されるものの温度だったり、リズムだったりスピードだったり目線だったり、その他の状況が多分に相手に与える空気を作っているのではないかなぁ?そしてその雰囲気が、お料理の味も構成している気がする。
これは飲食店の事だが、演じる事にも往々にして似たような状況が発生していて、ちょっと身が引き締まる思いがした。
昔、15分位のリサイクルに関する短い芝居を数年やらせて頂いていたのだが、芝居を始めてまだ間がなかったので、なかなか完成、ゴール地点に自分の力量がとてもとても追いついていなかった。そして、まだ若くて、力は溢れる程あったので、パワーで演じていたことがあった。その時言われたのが『それを続けると、見ている方が疲れるぞ』なる言葉。確かに。短時間なら現在吸っている空気と違うリズムに観客もふれたいだろうが、あまり長時間だと、見てる方が息切れをする。緩急が必要なわけだ。また内容も、こうしてはいけないよ的な内容なので、なおさらである。
そして現在、いろいろなところで有難く演じさせて頂いているが、その会場の年齢層、タイプ、状況が違い、その違いが会場の雰囲気となって現れてくる。そのため、演じているときのスピードや音を入れるときのリズムや長さ、パワーを私なりにわずかながら変えている。勿論、演目はお客様を考えて選ぶようにしている。
いまだにこの匙加減はいい塩梅にいくとは言いがたいが…。
個々の力量はまずベースとして確実に必要なのだが、では表現者にとって、料理と同じように、料理時の材料となる人間の置かれた状況は異なってくる上で、最初に述べた料理に込める愛情に代わるものは何だろうか!?
それは、私だけの答えかもしれないが、楽しみにしてくださる観客の方々を思い、練習することかもしれない。練習を積み重ねることにより自分なりの自信が生まれ(基本的にどちらかというと私は自信がないタチなので)、相手や観客を見たり感じる余裕ができるから。
本日も布団の中でそんなことを考えて、目覚まし時計より早く起きてしまった。それでこの文章を書き、台本を手にする次第。
今日はホールでゲネプロ。そして明日も本番です。

12月13日(日)14時〜 オンラインZOOM 舞台公演 太宰治『メリイクリスマス』

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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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