2021/01/19
この時期、雪が降るか降らないかで気分が大いに左右される。私の場合、車のタイヤが今年もまだノーマルなだけに、今週雪が降ると聞くと、本当ドキドキする。昨年も明日、雪が降ると聞いて、夜9時からタイヤ交換を自ら始め、交換後、空気を入れにガソリンスタンドに駆け込んだこともあった。結局雪は降らなかった…。
実際の雪はそうだが、舞台の雪となるとこれまた特別にワクワクする。
舞台に雪を降らすのは、ほんと驚く程単純な仕掛けなのだ。
(1) 薄いひらひら舞う薄めの紙(雪なら白、桜ならピンク等)を三角形に大量にカットする。
この雪は江戸の昔からの伝統で、三角形と決まったものらしく、紙の重さと、三角の平方体が落ちる時に受ける空気の抵抗が、力学的に釣合っていて、いとも鮮やかに舞い降りるからだそうだ。
(2) (底が格子状に1.5cm位の穴の開いた)長方形の籠を、降らせたいところの天井のバトン(照明などが通常吊ってある棒)に少々長めのロープで取り付ける。
(3) 吊った籠を紐で連結する。籠は1つとは限らない。
(4) 端の籠に紐をくくりつけ、見えないところまで持っていき、降らしたいタイミングでその紐を引っ張る。
ただこれだけ。
雪が降る話や桜が降る芝居を何度もやっているので、さして珍しいものでは無いのだが、観る側としてはなかなかこの仕掛けはお目にかからないだろう。
そう思って、ある冬の時期、雪を降らす細工も楽しんで頂こうと、宮沢賢治の『雪渡り』を朗読舞台で上演したことがあった。
但しそこの会場はホールではなく、オフィススペース。
そこでまずお願いしたのは、
『すいません。天井にバトン吊ってください。それに文字幕も。』
文字幕というのはバトンや照明が見えてはちょっと興ざめなので、それを隠す幕。
私の無理なお願いも聞いてくださり、オフィス天井に簡易的な直径5mm位の可愛らしいバトンが取り付けられた。
それに百円ショップで買ってきたこれまた可愛らしい、ワイヤーバスケット(L40×W12×H5cm)を3つ取り付けた。
本当に単純なシステムなんだけれども、この雪が舞っているところにライトが当たると、なんとも感動的で素敵なシーンが出来上がる。ただしこの時は演者は私1人なので、用意するのも私。そして雪を降らす紐を引っ張るのも私で、やる方はあんまり優雅ではなかったのだが。
そしてオフィスは天井が高くないのでちょっとした脚立に上り、簡単に籠を設置できたのだが、いつもそうとは限らない。
毎年、宇都宮市内の小学校で『桜祭り』があり、『桜が咲いた日』という子供達の芝居を上演する。その時は、体育館の舞台のバトンに雪籠を吊って、ピンク色の紙を降らす。それに桃色のライトがあたると、もう何とも言えないクライマックスシーンになる。
但し、準備するのが大変で、舞台の脇の梯子から天井裏のすのこに登り、舞台の上に吊ってある大きな学校の照明をよけ、埃まみれになりながら、幅15cm程のすのこから足を踏み外さない様、手と足の感覚を最大限に研ぎ澄まし、安全に雪籠を吊るのである。
何度もやっている私としては特別なことではないが、いつぞやこの桜祭りの時期に私が家で台本を書いていたら、某演出家から呼び出しがあった。
『私が台本書くからさぁ、その代わり桜の籠、吊りにきて!』
確かに高所恐怖症の人には難しいかもね(笑)
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