[ Spinart(スピナート) ] - あらゆる表現者・アーティストと出逢えるサイト

Logo Mark連載記事

Logo Mark歯を磨く様に演じる自分を変える

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

続きを読む

最近は『何でもできるね。』『器用だね。』と言われる私だが、本当はどちらかというと不器用で自信がない。だからだろうか、いろんなものに影響される。
マスク着用が当たり前で、人と接することが以前より少なくなった昨今、あまり自分をどう見せようと意識していなかった。そして、何か自分のパワーが弱まってきたなと感じていた。
先日、YouTubeでビューティークリエーターの女性が、メイクの効果を話しながらメイクやヘアレッスンをしていたので、それを見ながら、自分も昔愛用していたコテを取り出し、毛先にウエーブをかけてみた。一年以上ぶりのウェービースタイル。
すると少々華やかになるわけで、なんだが、今まで着ていた服が気に入らない。イメージは赤いワンピース。まあ、赤いワンピースはないので赤色のトップスに赤いロングスカートを合わせ、腰のところにアクセントのあるベルトをしてみた。ちょっと髪型からくるイメージに近づいたかな?
そんな感じでYouTubeを見ていた部屋とワードローブを行き来しながらイメチェンをして、最後に部屋に戻ると、部屋と自分のイメージのギャップにぶつかった。見えない壁。ほんとにドーンと鈍い体当たりをした。不思議な感覚だった。
そのYouTubeでメイクされていた女性実業家も、メイクをされた後で少しだけ衣装を変えていた。見ていた私もわからない位ほんのチョットなんだけれども。理由はビューティークリエーターさんが施したメイクに衣装が合わないと感じたから、途中で上着だけハードめの物にチェンジしたとの事。わかるわかる。
また、自分は肌が若干弱く、季節の変わり目、花粉症など、とても影響され、いろんなものにかぶれる。そんな時期が長く続いており、アイメイクを控え、現在は当然となってしまったマスクをして過ごしていた。そして気づいたのだ。やること成すこと自信がないなって。
自分はそのあまりにもナチュラルすぎなメイクが好きではない。目のあたりがはっきりしていないとモチベーションが上がらない。それが知らない間に日々の行動に出ていた。仕事でゲストさんと写真を撮すことも多いのだが、気に入らなくても、こんなものだろと諦めていた。でもアイメイクを変えると違った。これは私にとっての大発見だった。
目のあたりにはっきりアイラインを入れ、アイシャドーを変えてみたら若干下向き加減の自分が、少し上向きに自分を認めて行動出来るようになった。
そしてそれ以上の変化もあった。私はよく物事をしくじる。ミスをする前におそらくこれはするだろうから気をつけなくちゃ、と思いながらしくじる。例えばこの机と机の間は狭いから気をつけて通らなくちゃな、と前もって思うのだが、不思議に必ずその机の角に当たってしまう。机にぶつかる位の事ならまだいいが、もっと大きなミスも多々発生させていた。それがこの目の周りをはっきりさせた後は、少なくなっており、自分でも驚いている。これは自信を持つことで、落ち着いて行動出来ているからかな?
話は変わるが 舞台に立つ時『緊張しますか?』とよく聞かれる。答えは緊張⁉︎というか“背筋が伸びる感じ”と言うのが私にとっての正解だろう。むしろ舞台開始を待つ時の方が緊張する。舞台に上がる前には自分の役をイメージしたメイクをし、衣装を着て、髪型&髪色をする。ときには金髪の巻髪スタイルをして、マリーアントワネットみたいなヒラヒラドレスを着る。
稽古してこんな準備をして臨む芝居。だから芝居中は堂々とその役になってそこに居る。私なりに自信を持って演じて歩けるわけ。だから緊張しない。
日常生活もそれと同様、自分の物語を描くやっぱり舞台なので、堂々と自分で納得して歩きたいと思う。

一人芝居『@宇都宮のお店のキッシュ』

今回は一人芝居♪ キッシュと言う食べ物に物申しております。
チャンネル登録、大歓迎です♪

この記事への感想はこちらへどうぞ

この記事への感想を送る


鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

続きを読む