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Logo Mark歯を磨く様に演じる【実験企画】おうちで舞台+アロマ

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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初めて芝居に香りを取り入れたのは2013年の夏の二人芝居。その前年のクリスマス、自分へのプレゼントとして、芝居を1から作ってみようと考え、無事公演に辿り着いたものだ。
本当は二人芝居の相手方に台本を書いてもらおうと考えていたが、結局言い出せず、お初で自ら書くことになり、毎日毎日パソコンに向かってやっとやっと書き上げた。書き上げた時点で十分満足感が得られたが、芝居というもの、それからの道のりの方が長い。
紙面で文字を追っているのと、台詞として言葉に出したのとでは随分感じが違う。その感覚のずれ、そして情景の不足分を何で補うのかも作品作りには欠かせない演出の部分。これを考えたり、実験したりで長い時間かかった。
この公演、芝居とは別にしたかった事がある。アーティスト(役者等)にギャラを払う事。二人芝居の相手方は東京で割と名のある劇団で芝居を打っていたが、聞いてみると当時ギャラをもらった事がない。なんて事だ。この世界もただでは続いてはいかない。絶対(沢山は払えないが)ギャラを払わねば。
なぜこんな事から話を始めるかというと、人に物事を頼むと人件費がかかる。当たり前だけど。そしてそれをチケット収入から配分するわけで。
そして、音響さんどうしよう。
芝居の時、話の各所に音楽や効果音が入り、私達の演技を助けてくれる有難い存在。
しかし、自分が企画者となって公演までもっていく場合、音楽についても考える事が山程ある。どこのシーンで音楽を入れるか、どんな音楽か、既存なのかオリジナルなのか。曲も使用料がかかるんだよね。初企画者には考える事が多すぎて脳がフリーズする。そして人を入れれば入れる程経費がかさむ。そんなに払えるかな…。
そこで助けを求めたのがとても仲の良い、また、考え方もなんとなく似ているアロマテラピストの堀綾子さん(現在、一般社団法人アロマフレグランス調律協会 理事。勿論、彼女にもノーギャラでやってもらうつもりはない)。
音楽って人間の感覚に訴えるでしょ。そして、
『アロマも人間の感覚に訴えるもの』
その時はなんとなくそんな感じ、と思って始めたが調べてみると私の考えはあながち間違ってはいなかった。
【音楽の代わりに香りを使う】
そして私の書いた“普通に生活している女性の内面的葛藤を表した作品”のうち、特に訴えたい部分と思い出の部分に香りをつけて室内に漂わせてもらった。
香りは1度空間に漂わせると、直ぐには消えない。その為60分程の芝居の場合、最初と途中と最後、計3カ所位が限度との事。
公演場所は観客が40人位入るオフィススペース。入場時はwelcomeの想いも込めオレンジ系の香りをブレンドし香らせた。そして芝居中漂わせる方法は、アナログな感じで高所から扇風機。また、ご来場者には記念にその時使ったアロマを染み込ませた栞をプレゼント。
こんな感じで初めての“芝居+アロマ”は好評に終えたのでした。そして無事少しのギャラも払えました。
さて、今回ですが、舞台公演もオンラインが一般的になりつつある現在、お家でアロマ付きの公演も面白いかなと、鵜飼&香りの演出家 堀綾子さんのタッグ組みが再び登場。
そして、海外旅行が好きな私もなかなか日本から出る事が出来ない今日、芝居ならそんな残念な想いも簡単にクリアー。
という事で、今回は上海が舞台となるお話を選びました。そしてこれからいろいろ香りの事で綾さんと打ち合わせ致します。
*オンライン公演は2021年6月13日(日)14時から。

6月13日(日)14時〜 オンラインZOOM 舞台公演 海野十三『見えざる敵』

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鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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