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Logo Mark歯を磨く様に演じる東京ドキュメンタリー映画祭ノミネート作品&続編上映

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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3月20日(日)栃木県宇都宮市の大谷石蔵スタジオbe offでドキュメンタリー映画の上映会が行われた。感染対策もあって入場者数は少ないながらも当日を迎える前に、上映2回分の席は予約で埋まってしまった。
地元の新聞社も1ヶ月前に取材に来られるほか、周囲の方々がとても関心を示してくださったのはとても有難い。
ドキュメンタリーというと真実そのものが見られると今まで私も思っていた。勿論間違ったものが作品になったのではないのだが、物事の中の一部分であって全てではないようだ。
今回の上映作品「コロナとアーティスト」とその続編「光を探す日2021-2022」は映像を自ら撮り作られた“鈴木智監督の紛れもない作品である”というのがドキュメンタリー映画の被写体となった経験から良くわかった。
特に続編「光を探す日2021-2022」の方では個人的に時間をかけてもらい、我が小劇場アトリエほんまるでの撮影や宇都宮中心部オリオン通りでの撮影に携わり、いろいろな角度から撮影が行われた。
そしてダンサー妻木律子さん、ギタリストの小川倫生君と違って、私は名古屋出身で、こんな過去、学生時代を送ってきた人が今ここ地方都市宇都宮で活動をしているという事実を表したいとの鈴木監督のご要望で、実家から昔の写真を送ってもらった。こういった物を入れることで映画に深みが出るんだそうだ。
使われたのは、大学時代にやった名古屋城夏祭りのコンパニオン姿の写真、愛車クラブマンでツーリングに行った時の写真、大学でのサークル、劇団仲間で行ったスペイン旅行の写真。本当はここで名古屋に帰って来なかったら鵜飼家と縁を切ると言って母に書かされた“絶縁状”も登場させたかった様だが、親に聞いてもその行方がわからず、私もいつまでかは持っていたのだが見つからず、残念ながらドキュメンタリー映画には登場しなかった。
私のこの続編ドキュメンタリー映画の感想を言わせていただくと、よくまぁ私の比較的沈んだシーンを集めたなぁという感じ。比較的なんですけれど…。
私は基本的にあまり沈まないし、マイペース。昔の劇団で長い間1番下っ端で沈み尽くしたから(笑)。
ある撮影時は妻木さんが落ち込んでいる時だったので、(妻木さんが)
『鵜飼さん元気だったでしょう。』
なんて言ってらしたそうだ(私からは妻木さんもいつもパワーがあって元気に見えるのだが)。
その時の私の心情は元気と言うより、やらざるを得ない状況に迫られており、切羽詰まっていた。
監督が撮影の為アトリエほんまるにいらした時、私はシニア劇団の演出のため、振り付けを考えたり、装置を考えたりして、黒いパイプ椅子を振り回しているところだった。それを見て監督思わず笑ってしまったそうだ。
上映後のトークショーで監督に、
『(鵜飼の)深刻な場面を沢山撮りたかったのに、あんまりそういった場面がなかったんじゃないですか?』
と冗談交えて聞いてみたら、私の所は休憩だそうだ(笑)。
今回の続編で面白いのが、第1弾作品「コロナとアーティスト」に登場する3人のアーティストから発展し、大谷地区で開催された特別なコンサート、それに関わっているアーティスト達、そしてコンサートとコラボし応援した酒店の話まで広がっているところ。
ちなみにこのコンサートでは特別な日本酒が販売された。ラベルのところにQRコードが付いており、それを読み取るとアーティストの音楽が流れ、日本酒を飲みながら曲を聴けるというとても変わったお酒なのだ。私も気になり酒店に連絡をしたが既に売り切れとの事でした。
今回のドキュメンタリー映画は鈴木智監督の意欲と熱意がたっぷり染み込んだ、コロナ禍で、もがきながらも前に進む希望がもてる作品となった。


鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
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