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Logo Mark歯を磨く様に演じる宇都宮大学演劇研究会の学祭公演を観て

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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先日3年ぶりに宇都宮大学の学校祭が開催され、宇都宮大学演劇研究会の学祭公演にお邪魔した。前回の春の新入生顔見せ公演にも行ったのだが、その時のパンフレットを見てとても興味深い事があり、今回も是非観劇したいと足を運んだのである。
今回の会場は登録有形文化財(建造物)である由緒ある宇都宮大学峰ヶ丘講堂(旧宇都宮高等農林学校講堂)。こちらの建物はとても素敵で、私も1度はここで演じてみたいと思っている場所である。
さて、とても興味があったのは、多くの演劇研究会のメンバーが大学に入ってから演劇を始めたこと。以前私が思っていたのは演劇命!位に高校演劇をやってきた熱血演劇青年が大学に上がって、続けて演劇をやっている。そんな方が多いと思っていた。
でも、こちらのメンバーはほとんどが、大学に入ってから演劇をスタートしたのだ。なぜ演劇をやろうと思ったのだろうか⁉︎
私の場合はもっと遅くて大学を卒業してから演劇をスタートしたわけだが…。
今回の作品は秋助脚本の『星の生まれる場所』。
登場人物の若者達が喜怒哀楽のうちどれか1つが、顕著に表れる“星の子症候群”を発症し、また世界でもその病が蔓延し人々を悩ませている、そんな状況下のお話だ。開演前に作品時間を聞いたら30分位と言っていたが、もっと長いように感じられた。
さて、演者の皆さんはと言うと、若々しくてとてもすんなり台詞が流れ、日常見ている社会人の演劇の方々とは違う良さが滲み出ていた。
そんな皆さんに公演後無理を言って有難くインタビューをさせて頂いたのがこちらである。

(1) なぜ演劇研究会に入ったのか?

・本が好き。そのキャラクターになれる。
・小説が好きでそこに出てくる部活が演劇が多かった。
・演劇や表現に興味があったから。
やっぱり読書好きな方、多いんですかね…。
ちょっと変わった理由は、入る前に見学に来たのはここだけだったから(その他のところに行くのは面倒になってしまって…)。なんてのもあった。
でもこんな方が1番長く続くのかもしれませんね(笑)。
昔そういう風に言われたことがあります。

(2) 台詞を覚えるのは大変じゃなかったか?

これを皆さんに聞くのは芝居を見ていて愚問と思われた。というのが、社会人劇団の人たちを見ているよりすんなり台詞が出てくる感があったのだ。芝居時間が少々短いというのもあるかもしれないが、若い脳はやっぱり違うんだと思わされる決定的事実であった。
でも一応、一応、思い切ってこの質問をしてみたところ、
“へっ?何(聞くの)?”(ト書 ここは無言である) と、聞かれる質問が100個あったとしたらその100番目にも入っていないような意外な質問をされたという顔を皆していた。やっぱりね。

(3) 難しかったところは?

・台詞の掛け合い。
・嬉しくても泣く、悲しくても泣く、その違いだったり、人前で泣くことがないので難しかった。
・何故この台詞? 何故この動き?
・感情がわからない役だけれど思いはある。これを表現する事。

(4) 演出さん方にも聞いてみた。中心に稽古をしたことは?

・会話として成り立たせる為にボールを投げ合いながら台詞を言う練習をしたりした(台詞のキャッチボールね!)。
・台詞の意図がわからなかったり、なぜできない、なぜ難しいかなどを話し合った。
・どうゆう理由でこうやっているんだ、なんていうのを言語化した。
やっぱり年齢問わず文字に書かれた物を生きてる言葉や会話にするのは難しい様ですね。
まとめとなるが、勿論彼らの演技や芝居への取り組みにもとても興味があったのも事実だが、それ以外に、現在活動している宇都宮のシニア劇団スターライトのメンバー、彼らのお父さんやお母さんより年が上の人々が演劇を通して活動をしている。
“そんなシニア劇団の面々とこの若い世代が関われたらいいなぁ…。”
という思いを胸に今回観劇に伺ったわけでもある。

宇都宮大学 峰ヶ丘講堂(旧宇都宮高等農林学校講堂)

私も1度は公演してみたい素敵な建築物。

鵜飼雅子一人芝居『モノロオグ』

11月27日(日)
14:40開場、15:00開演
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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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