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Logo Mark歯を磨く様に演じる一人芝居『モノロオグ』を終えて

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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とうとう?やっと⁉︎思い切ってスタートした一人芝居の公演が終わってしまった。自分にとってものすごい一大行事ではなかったが、1つの区切りを終えたそんな感覚だった。
ふた月に1度オンライン公演をしていたり、毎月のカフェ等での本番があるせいもあり、意外にも特別な感覚ではなく、通常生活の一部としてこの公演を楽しむことができた。
40分程の短い芝居だったので、何度も繰り返し演じ創っていくのはそんなに難しくはなかったが、何を見せたいかなかなか焦点が定まらなかった。
それに、稽古中自分が演じている動画を見て、
「観客は面白いんだろうか?」
とちょっと不安になったりもした。
公演数週間前には『台詞覚えた?』なんて聞かれたので、
『自分での初演は終了しました』
と答えた。ほんとに何回も自分なりに演じていた。
今回の公演は自分にとって20代毎日芝居をしていたあの懐かしい感覚に近かった。
一番違っていたのは、あの手彫りの大谷石で出来た神々しい会場の雰囲気に包まれ公演した事だろう。
以前、大谷資料館で一人芝居をする事になった時、ある方から、
『昔、この大谷石の空気に飲まれてしまったダンサーがいた。』
なんて話しを聴いた記憶がある。私の記憶違いでなければ、確か踊れなくなった、なんて話じゃなかったかな。
その時の私の公演は忙しさと疲れとによってその感覚は味わう事はできなかったが、今回は違う面でその神々しさを味わうことができた。
ちなみに大谷資料館の地下採掘場跡は、1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)までの約70年をかけて、 大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間で、その広さは、2万平方メートル(140m×150m)にもおよび、野球場が一つ入ってしまう大きさ(大谷資料館のホームページより)。
いい意味で大谷石で出来たbe offの空間の魔力によって身が引き締まった感覚があった。
そして音楽をmora-tau(もらたう)さんに即興で入れて頂いたのも演じていて面白かった。
演じ終えた後で、
『日常女っ気のない鵜飼が女の役をやっていた。』
なんて良い意味での感想をも頂いた。
作成中は自分でもなかなか女性っぽくない事を自覚しており、オンラインでパントマイムのレッスンを受けていても、
『指先を少し離した方が女性らしいよ。』
なんてアドバイスも頂いたりした。
確かにそうだ。見本を見せてくれるパントマイムの先生の方が男性なのに私よりよっぽど女性っぽい(あくまでお手本がです)。
本当、日常女性っぽい仕草なんて久しく考えた事がなかったなあ。
また、『舞台での姿勢、綺麗だね。』とも言われた。
これについては稽古中に演じているところを動画に撮ったら、背中が丸いことに驚いてしまった。
『私、こんなん⁉︎』
ちょっとショックだった。いや、大分だ。通常姿勢には気をつけていたつもりだったが、やっぱり前かがみになる仕事も多いせいと、残念だが年を重ねたせいだろう。背中が丸くなっていた。これは修正したつもり。
あと、
『前回といい、こういう役はまり役だね。』なんて感想もあった。
前回の役は出番は少なかったが“夫が失踪して帰って来なくて長い間探している”そんな女性の役だった。今回も外国人の彼(の様な存在)が突然居なくなってしまった女性の役。
貞子を演じたことで一躍注目を集めた木村多江さん級になればそれはそれでめでたいのだが、なんとも幸薄い女性だわね。私の最近のはまり役は…。
まぁとりあえず一区切り終えたので、来年は“順序よく”まずは1本仕込んでいきたいと思う。

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鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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