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Logo Mark歯を磨く様に演じる演劇版、18歳と58歳の違い

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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今度自分が担当している朗読サークルの発表会がある。その際サークル生が持ってきた作品『18歳と81歳の違い』を読む事になった。ただ読むのでは面白くないと思い、ベタな寸劇を少々私が加え書いてみた。皆様にやってもらったら楽しそうにやっているので、まあなかなかいいんじゃないかと思っている。
この『18歳と81歳の違い』 の元ネタは2015年に放送された「笑点」の大喜利コーナーだということで、18歳と81歳の特徴が見事に言い表されていて流石に面白い。
さて、コロナも5類に分類され演劇界もだいぶ盛り上がってきた。栃木県内の会場でも幾つか芝居公演があったし、うちのアトリエほんまるも6月は毎週の様に公演が入り、私もいろいろ魅せて頂いた。
いい意味で劇団それぞれ特徴があって面白い。
先日、アトリエほんまるで県内の男子高校がオリジナル脚本で芝居の自主公演をした。高校生、いろんな意味で羨ましい。
自分の周りの年齢と比較するとこんな感じである。ちなみに私はまだ58歳ではないが、明らかに18歳より58歳に近いと言っておこう(笑)。

『演劇版、18歳と58歳の違い』。
台本をどこへやったか話せないのが、18歳。台本を本番の楽屋でも離せないのが58歳。
台詞をいつ覚えたのか不思議なのが18歳。覚えた台詞を不思議な位忘れるのが58歳。
メイクに1時間かけてギャルになるのが男子18歳。メイクに1時間以上かけて(盛りすぎて)なんであるのかわからなくなるのが女性58歳。

本当、これは極端かもしれないが当たらずとも遠からずである。
まず、台詞の記憶力であるが、先日公演した高校演劇部の顧問の先生曰く、
『いつも部活になると照明の話とか大道具の話で、どんどん道具が増えていく。台詞を合わせているのはほぼ見ていない。』との事。
しかし本番、スムーズに台詞が出、ストーリーが進んでいく。トップ進学校だからではなく、高校生だからだ。
公演後も『あのセリフ間違えちゃった〜。』で盛り上がるのは概ね年を重ねた人々に思う。
私もそういえば、最近は昔程公演をしていない。覚える事が大変だと思ってしまうという要因も案外大きい。10年位前は朗読舞台含め年100本を目指して50本位でギブアップした。毎月短編芝居を書き、覚え上演していた事もあった。確かにコピー機の様にスーっと覚えて難なく出していくのは10年前でも大変な作業だった。
演出をやっている友人は『年齢が上の方は覚えるのは早いけど、忘れるのも早い。』とも言っていた。
話は変わるが、当たり前だけれど、若いのは綺麗だね。これも若い方の才能の一つだと日頃思っている。芝居公演の時も男子高校生が女子高生の役をやっていたが、顔もぴちぴちで綺麗だし、背も高い。足は現代っ子らしく無駄な筋肉が付いていなく羨ましい程すーっと伸びている。ウエスト部分がリボンで絞られた女性のミニスカートをクビレを見せ上手く着ていた。これが年齢が上がってくると、もうクビレなんかはどうでも良くなるのかもしれない。
『楽だから、ウエストにゴム入りのスカートをはくのっ。』が日常になる。
そして男子高校生、長い髪のウイックなんかをかぶると芸能事務所の方もスカウトしたくなる現代ギャルになる。声を出さなければ間違える程綺麗。その男子、その高校のミスコン勝者だそうだ。
ここまでは上の年齢が不利だという事を長々と書かせて頂いたが、この点については落ち着いた年齢の女性が日常でも勝てる点と言える。
『何故、メイクに1時間もかかる! なんならノーメイクでもOKよ!』
こんな事を考えながら、自分にムチをうち、夏にカフェでの舞台公演を企画したのであった。

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鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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