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Logo Mark歯を磨く様に演じる『ワクワクする!』と言えるのが羨ましい

鵜飼雅子

舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
日本演劇教育のさきがけ的な存在である劇団らくりん座の正式団員として全国各地で公演を経験。
朗読や表現、コミュニケーショ...

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常々思っている事だが、周りの人達を見ていると新しい活動だの興味のある仕事が入ると『ワクワクする』と楽しそうに言う。
この感情を持てるのが私には羨ましくてならない。
先日も自分の表現を活かせる新しい仕事が入り、嬉しい事だがその反面、
『どうしよう…。』
と不安な気持ちがいつもの様に頭をもたげた。
その仕事の報告を受けた相手は勿論、
『考えるだけで、ワクワクする!』
と言って面白そうにしているのだが、私はなんとも言いようのない複雑な気持ちである。
何故だろうか??
見た目はせっかちに見える様だが、もともと周囲のリズムよりゆっくりとした性格で、毎日同じ事を繰り返しているのは得意中の得意。のんびりしているのが性に合っているからだと思う。
それでも一旦どうしようと不安に思っていた仕事が終わってしまうと、こりもせず、次の物事にトライしないといけない様な気がして、“どうしよう”の気持ちとは裏腹に又新しい事を入れてしまうのだ。
そうすると又心配で寝ていても起きる数十分前、徐々に意識が覚醒してくる時間になると、
『あー、やらなくちゃいけない。でもやりたくない!』
という気持ちで目覚ましが鳴ってもすぐに起きられない。諦めてそこそこに起きるのだが、なかなか取りかかれないというか、取り掛かりたくない。
先延ばししようとも考えるのだが、今後のスケジュールもあるのでこれまた諦めて取り掛かる。
一旦取り掛かるとやりたくないと頑なに思っていた気持ちが嘘の様に解消され進んでいく。何故だろうか? これも摩訶不思議である。
こんなにサラッといくのならもっと早くから済ませていればもっと早くにスッキリした気持ちになるのにとも思う。
だが、このやりたくない気持ちを長らく抱えながら、身体の中では思考錯誤しているのだろう。
『〆切本』という本に〆切に追い立てられる有名作家さん方の感情がエッセイ形式で書かれている。
“書けぬ、どうしても書けぬ”その理由 とか、
“書けないから周りの人に当たり散らす” とか、
“書けないから、出版社に書けない旨の手紙を書く” とか、
書けない理由を長々と綴ったところで、小説は書けないのではと当たり前な事を思う。でも、そうせざるを得ない有名作家さんの姿に自分を重ねほっとする。
そして彼らはそういいながら、素晴らしい作品を生み出していく。
だから私が常々仕事に対して、どうしようと毎度思っても仕方がないのだ。
日本人は「不安先行型」の人が多いと言われている。それは脳内に感情や気分をコントロールするセロトニンという神経伝達物質があって、日本人はセロトニンの情報が伝わりにくい遺伝子を持っているため、不安を先に感じてしまう人が多い(Lideaライオン株式会社が運営する生活情報Webメディアより)。
私は典型的な日本人である。でも『ワクワクしたい!』
おすすめの方法の1つが、
どんな些細なことでもいいから、ポジティブ日記を書いてみるのだそうだ。そうすることで、自然と脳がポジティブな情報にフォーカスされていく(Lideaライオン株式会社が運営する生活情報Webメディアより)。
『そうか! いつもポジティブにフォーカスね!』
と握り拳を作り、不安を常々抱えている暗い心に蓋をし、自分に言い聞かせて仕事をしてみるのである。
『いつかワクワクする!』と言える日を夢みて。

オンラインzoom朗読舞台公演 芥川龍之介『運』

2024年2月24日(木) 14:00開演
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シニア劇団スターライト公演『現代版二人小町』

2024年4月21日(日) 11:00開演または14:30開演
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舞台役者、朗読家、アトリエほんまる 副支配人。
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