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Logo Markなにか創るとうれしくてういりおさんの絵を観て考えさせられたオリジナリティの本質

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者
YouTube「うさぎのうみちゃんねる」のおじぃ
YouT...

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 シミズの中に強力なインパクトを残しているアーティストさんを紹介するシリーズ、今回はういりおさんです。
 ういりおさんの紹介情報はこちらのページをご覧ください。
 アーティスト紹介・ういりお
 ういりおさんは画家さんです。そしてその作風がとてつもなく個性的な画家さんです。そして思わず久しぶりに見入っちゃうという感覚に囚われた方で、この感覚はなんだったんだろうと改めて振り返りつつ紹介できればと思いました。

 そうだな…まず絵なので、上記のリンクからういりおさんの作品をご覧いただくのがいいかもしれません。そしてそれぞれ一旦はご自身で感じていただくことからスタートするといいかもですね。なので、身も蓋もありませんが、この先を読むより先に先入観なくご覧いただいてみるといいかなぁと思います。で、この文章に戻ってきてくださいね。この作品を見てシミズはなにをどんな風に「すごい」と思っちゃったのか、そしてそれはご自身の感覚と比較してどうなのか?…同じように思うのか、ご自身は違う部分でなにかを感じるのか、などなど考えていただいたりしつつ、もう一度ういりおさんの作品を見てみていただけたりすると、さらにご自身の中の感受性と対話できたりするのかもとか思ったりします。
 え?…めんどくせぇ?…そんなこと言わずにまずは一度見てみてくださいよ。

 さてシミズが最初に感じたのは、まず作品のテーマに感じる東洋的な精神世界のようなものが最初に目につく…かな?…みなさんはどうでしょう。太陽と月的なものが描かれていたり仏像をデフォルメしたような人物が中央にデンといたり…その上その人には第三の目が描かれていたり…その上その周囲には象徴的と思えるさまざまなものが描かれていて、それも流れるような曲線状に配置されているとか…そんな部分にそういった印象を強く感じるのかなと思います。だからひょっとすると誰にでも好かれるような作品世界ではないのだろうなとも思いますね。だって「精神世界」とか言っただけで敬遠する人っているでしょ? 誰でも日々生活している中で自分の中に精神的な働きは必ずあるはずとは思うんですが、それと改めて向き合う必要性を感じていなかったり、そういう働きに気づいてなかったり、または恐れを感じていたり、面倒くさいと思っていたり…まぁいろいろあるとは思いますがこうした世界観が嫌いという人、きっと一定数いると思います。しかし、自身の内面をはじめ、人の心に少しでも興味を持った方にとって、このテーマは興味を惹かれるのではと思いますね。
 ですので、いったいなにが描かれているのかなぁというのを、一つ一つ細かく見つつ、ういりおさんがなぜここにこれを描いたのだろうなんてことを想像してみるのも楽しいかなと思います。そうそうこの感覚、日光東照宮の陽明門に似てるなぁ…あ、私栃木県に住んでるもので、そして歴史も好きなので、日光東照宮にはけっこう何度も行ってるんですが、あの門を見上げて、なにがいるんだ? なんでいるんだ? この意味はなんだろう?…なんて考えるのにとても近い感覚を感じます。そういった意味では宝探し的でもありますね。

 それもこの表現でですよ。まず色がすごい。緑や赤といった強烈な色をベースに、それぞれのパーツにはそれはそれは細かくグラデーションが施されていて、だから描かれているものはそれぞれデフォルメされていて写実的ではないものの(そもそも色使いからして写実からはだいぶ遠いもんね)、しかしそこに不思議な艶かしさを感じるというか、不思議な実体感があるという不思議さ。

 まぁ正直ほっこりなんてきっとしない。感じるのはあからさまではないけれどもなにかしらの緊張感だったりする。しかし一つ一つを見ていくと、むしろ少しとぼけているかのようでもあって、これらちょっと愛らしいキャラクターたちのどこにそんな緊張感を感じるんだろうと不思議に思ったりもするけれども、きっとこれが仏像等に感じる感覚と似ているのだろうとも思ったりする。え?…分かりにくい? 仏像ってさ、中には違うものもあるけど多くは穏やかな顔をしてるように見えるでしょ? でもよく見ると薄目が開いてたりして(あれを半眼って言うのか?)、その細い隙間から目が見えてたりして、その目がこっちを見てたりして、実はなにか見透かそうとしているかのように感じられたり…なんていう経験、ありません? もしそういったご経験がまだないという方は是非、どこかのお寺ででも仏像を間近に見ていただいて、特に目がどういう造形になっているかを確認してみるといいかなと思います。これがけっこう怖いんだからw(「アルカイック・スマイル」と言われているのがこれかな?)
 それと近いような、慈悲とその裏にある厳しさのような、そんな感覚を感じたりするんですよ。で、ものすごく強く脳に焼き付いて、そして忘れない。

 これねぇ、なにかを創る人にとってはとても大切な要素だと思うんです。世の中、なにかしらを創り世に出している方というのはそれこそ星の数ほどいると思うんですが、そういった、まぁ真っ赤っかな海状態(あ、「レッド・オーシャン」のことね…普通に言えよ)の中に自分の作品を投じて、少なくとも自分が創ったものでなにかしらのツメアトを残そうとした場合、他者と異なって印象に残り、かつ忘れられない要素を持っているかどうかで大きな違いが生まれてくると思うんですよ。
 まぁ創り手の中にはね、完璧に自分の内側との対話のみを考えていて、世の中なんて知らんし無関係ないんだから勝手にただ思ったものを創るし、それが世の中になんらツメアトを残さなかったとしても別にいいという方もいるだろうと思うんです。それはそれでいいと思いますし、それも素晴らしい表現だと思いますし、中にはそう考えて創っただけなのにとんでもないツメアトを残しているという大天才もいると思いますし、それはそれで超かっこいいなんて思っちゃうんですが、そんな方は稀で、多くはやはり自分の中でのみ完結している方は自分の中で収まっているし自分が満足できていればそれでいいという感じになっていると思います。
 しかしもしそれだけではなく、誰かになにかを感じて欲しいなんてことまで思うのであれば、そういった要素が重要度を増してくる。これがオリジナリティって奴でしょうねぇ。だってオリジナルかどうかってそもそも他者との比較を出発点として存在するでしょ? 自分が創れば自分にとってそれは紛れもなくオリジナルなんだけれども、世間的に他者視点が発生した時点で、それが本当にオリジナルなのか模倣が含まれているのかなんていう評価として分かれてくる。そうした場合にオリジナリティっていうのはそもそもそういうものだということなんだよなぁと改めて思うんです。
 つまりういりおさんの作品群には、少なくとも私が知っている範囲でではありますが、とっても強いオリジナリティを感じて、結果忘れることのできない作品になっているということなんですね。

 ということでシミズの中に強力なインパクトを残しているアーティストさんを紹介するシリーズ、ういりおさんでした。
 是非みなさんにもご覧いただきたい。そして、シミズと同じじゃなくてもいいので、なにかを感じていただければうれしいなと思いますし、あなたがもし創り手の方だったのであれば是非、ご自身のオリジナリティというものについても考えを巡らせてみていただければさらにうれしく思います。
 また折を見て、さまざまな方を紹介させていただければと思いますので、是非お楽しみに。

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