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Logo Mark音にのせる胸のうちお芝居に生演奏

ツルタハル

小中高を通して吹奏楽部に所属し音楽の楽しさを知る。20代から本格的に音楽活動開始。主に美術館、カフェ、レストラン、ホテル等で演奏し好評を得る。
結婚、出産を経て子育てに専念。11年...

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つい先日、鵜飼雅子さん主宰の、
【シニア劇団スターライト第3回】が無事に終わった。
午前と午後の2回公演。
どちらも満員御礼でキャンセル待ちが出たそうだ。

ワタシは、音楽を担当した。
お芝居の合間にオカリナの生演奏を入れる。
演出の鵜飼さんから、音を入れる場所と、曲の希望があった。最後の曲は、自身のオリジナル曲を演奏した。

作品は、吉田小夏さんの「雨と猫といくつかの嘘」。
演奏を入れるところは、
主人公である風太郎の年齢が変わるところだ。
6歳、33歳、55歳、60歳。
全部風太郎の誕生日。
面白いお芝居。
そしてね、同じ場面が出てくるの。
これって、役者さん難しいだろうなぁ。そして、同じようでも、微妙に台詞が違って難しいと役者さんたちも言っていた。
こんな場面があったよ。
1回目の場面で出てきた猫が、
2回目の場面では喋っていた(笑)。
そこでお客さまは、
「あーーあの時はこう言ってたのね」となる。

ワタシは舞台袖で、演奏しているのだか、黒い幕の開いている所から舞台を見ている。
音が入るきっかけが、役者さんが舞台からはけた時なら、
少し乗り出して役者さんの動きを見てタイミングをはかった。
演奏がないところが続いても、
台本を追っている。
ボケッとしていて見失ったら大変だ(笑)。

舞台袖から生のお芝居を見ていると、役者さん達が輝いている。
お稽古の時より、やっぱり本番なのだ。
ありきたりだけど、生き生きしている。
一秒一秒生きてる!って感じ。
お芝居の時間は止まらず、ずっと進んでいる。
“その時”はもう戻らない。
一瞬に“込めて”いる。
それが連続して、一つのお芝居になっているんだ。感動する。

今回、お芝居に演奏を入れる事で感じた事がある。
それは、ワタシはどんなマインドで演奏すればいいんだろうって事。
で、ワタシは思った。
役者さんと同じ感情になりたい。そしてその感情で演奏したいと。
そしたら、お芝居と演奏が違和感なく混じり合う事が出来るんじゃないかなと。
そこが、お芝居に演奏を入れる事の面白さなのかもしれない!
今回、三回目なのだが、初めて感じた。
でも、根底にあるのは、
お客さまが“違和感”を感じず、役者さんたちの邪魔にならない事だと思う。

普段のワタシの演奏は、ワタシのマインドだけ。ワタシ自身を表現するのだからそうなる。むしろ他のものは入れないように集中する。
だけど、お芝居の時は役者さんたちのマインドを借りるというのかな。
もし、やりすぎた演奏や、何かしら“違和感”があったら、
演出の鵜飼さんから指摘があるだろう(笑)。
そう、お芝居って、演出家のイメージにいかに近づけるかって事。
いや、近づけるじゃなくて、
演出家のイメージそのものを形にしたい。
まずそれがなきゃ、一つのお芝居を作り上げる事が出来ないだろうな…。
などと、お芝居の経験がないワタシが勝手に思っている(笑)。

ワタシ、ボケッとして生きていたくない。きちんと“意志”があって、意味のある生き方をしたい。
役者さんたちがお芝居の時、
一秒一秒生きているように、ちゃんと生きていきたい。
たくさんの刺激を、演出・鵜飼さんと、役者さんたちからもらった。
とても有難い経験。

ワタシが歌ったり、オカリナを吹いたり、歌や物語を作る時、
このもらった刺激が、ワタシの体から出てくるのだと思う。
「経験」は宝物だ。


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