2019/07/16
岡山を拠点に活動する水彩画家。
千葉市に生まれる。大阪府立大学経済学部卒業。
1987年 New York, Pratt Instituteに留学 Art St...
「湖と小舟」
昔、那須高原に住んでいた頃、よく森や湖を描いた。
今は残念ながら高原のような素敵な森も湖も近くにはないのだけれど、家は操山という小さな森に面している。
ここから5分ほど歩くと、小さな湖(本当は池?)があるので、今回はその絵を描いてみたいと思う。
5月の個展に水のある風景を出品したくて、個展直前に描き始めた。
今回使った紙はアルシュというフランスの紙。
とても高価なんだけど、表面が強く絵具が良く食いつくので、重ね塗りしたときに下の絵具が溶け出して色が濁るということが少ない。
その分、Lift Out(後から絵具をはぎとること)はやりにくいのだけど。
自然の木々を描く場合は、デッサンの狂いはあまり気にしなくて良い。 でも、全体の大きな流れというかエネルギーの流れのようなものを意識して下描きをする。
木々の間に見える湖。
木の描き方はいろいろあるけど、今回は筆に付いた絵具をトントンと指で筆をたたきながら紙の上に飛ばす方法で描くことにした。
前もって水で紙を濡らしているので、飛ばされた絵具たちは、ゆっくりとお互い混ざり合う。自然なにじみがおもしろい。
実は、ここで一時中断。個展の準備で落ち着かず…。
個展が無事に終了…。2か月経って再スタート…。
こんな時、一体どうやったら続きを描けるのだろうかと、ちょっと不安になるのだけれど、とにかく筆を持つ。頭よりも腕を動かすと自然と再スタートできるから。
そして、手前の大きな木の幹と枝を筆で塗る、というか描く。
筆は書道用の筆。
木の枝を描く時は、書道で文字を描いている時と同じやり方にしている。
スピードをコントロールして生き生きした線になるように…。
これは水墨画の技法かも。
仕上げの段階で小舟を追加しよう!と思いついた。
絵にストーリー性を加えたかったからだ。
スケッチブックに鉛筆で下絵をざっと描いて、それを参考にして先ほどの絵の真ん中に小舟を描いて完成させた。
水彩画を描く時は、瞑想をしている時と似ている精神状態になるのではないかと思う。特に頭で知的に考えず、無心に筆が動く時は気持ちが良い。きっと健康にも良いのではないかと思う。
ぜひ、水彩画をお試しあれ!
Youtubeでこの制作風景の動画がご覧になれます。
水彩画・森と湖・木の描き方・風景画の描き方[説明付]
岡山を拠点に活動する水彩画家。
千葉市に生まれる。大阪府立大学経済学部卒業。
1987年 New York, Pratt Instituteに留学 Art St...
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