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Logo Mark水彩画を描いている時雪の絵を描いた日

村田收(ムラタオサム)

岡山を拠点に活動する水彩画家。

千葉市に生まれる。大阪府立大学経済学部卒業。
1987年 New York, Pratt Instituteに留学 Art St...

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「雪に会いたい。」

那須高原から岡山に移り住んで10年近くが経ち、
雪が恋しくてしょうがなくなった。
岡山の南部は、全くと言ってよいほど雪が降らない。
でも、岡山も県北には雪が多い高原がある。
蒜山高原(ひるぜんこうげん)だ。

「よーし今年は雪景色を描くぞ!」

昨年、2019年の10月に、思い切って雪道に強い4WDの車を購入。
12月にスタッドレスに履き替えて…もちろん自分でタイヤの交換…待っていた。

しかし、雪…降らない…。

全国的に暖冬。
待って、待って…やっと2月8日。

降りました!! 雪だ!雪だ!

行ってきましたよ。
雪の高原。

雪に会えた

当日…。

雪の晴れ間を狙って現場で描きたかった。

一日目は下見で走り回り、
翌日の朝、小さい丘にイーゼルを立てようと思って、移動するために車へ。

おお! 雪が車に積もってる。

車の雪下ろし! 久しぶり!

楽しい…(那須時代は、ウンザリだったけど)。

そして出動。
4WDで雪道を走るのは、これまた楽しい。

車を駐車して、長靴はいて、雪の中を歩いて、画材を持って、描く場所に行こうと思ったら、
あらら…雪が降ってきた。

小雪だけど、水彩画は濡れると描けない…。

寒くないし景色は美しいのに、残念。

仕方がないので、車の中で何とか描くことにした。

「とにかく10分でもいいから現場で描きたい!」

現場で描くとその風景画心に沁みつくので、
後で家に帰ってから資料写真を描いても、
絵に魂が宿る。

とにかく、車の中に絵具を広げて描いた。

30分ほどで終了。

でも、とにかく現場で描いた時間は、気持ちがスッとしてよかった。

描いている時

その後、自宅アトリエで描いた絵が今回の水彩画だ。

ここしばらく町の風景が増えていたのだが、
今回は雪景色のモノトーンの静かな世界に惹かれて、
絵も渋めの絵具を使った。

静かな世界、派手ではないが、
何か心落ち着く世界。

現場で感じたそうした雰囲気を自分の絵の中に、
閉じ込められればいいのだけれど…。

空から描いて遠景の山、中景の森、手前の枯れたススキ…。
そしてメインキャラクターの手作り風の小屋。

描いている時はその世界に自分がいるので、気持ちがいい。
現場で描くのにはかなわないが、それでもとても気持ちがいい。

下塗りが終わって、二回目の塗りをする頃には、
絵全体の雰囲気、絵の完成後の雰囲気が表れてきた。

なかなか素敵…?

後は、ゆっくり細かいところを楽しみながら描いていく。
この段階が一番好き。

白い紙からスタートする最初の塗りの時は、不安の方が多いが、
中盤で絵がうまくいきそうだと、とても楽しい作業になる。

今回はうまくいきそう…多分、大丈夫…。

今、ストップして、この雰囲気が留まっているうちに、
完成! って言いたい気分を抑える。

絵としてはまだまだ描かなくてはいけない。

描き込むと雰囲気が逃げてしまいそうでいつも怖い。
実際、雰囲気が逃げてしまった絵がたくさんある。

今回は、うまくいったと思う。

普段なら資料写真を元にして、それに自分の創作物を加えたり、
色を自分の色に変えたりする。

でも、今回は風景そのものが、あまりに美しかったので、
そのままリアルに描いた。
ある意味、単なるリアルな絵…。
でも、それもいいなあ…。
そして、
モノトーンの渋い色がいい。

とにかく、
雪に会いに行って良かった。

そして良い絵が描けて良かった。

幸せな時間だった…。

この絵の制作動画をYouTubeで発表しています

Youtubeでこの制作風景の動画がご覧になれます。

蒜山高原に雪が降った!!
早速行ってきました。
味わいのある家に出会ったので水彩画にします。
景色が素敵なので、忠実に描きました。
雪景色の描き方の参考になれば…。
水彩画・雪景色を描く・村田收・待ちに待った雪が県北に降りました。蒜山高原で出会った素敵な小屋を水彩画で描くデモ。

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村田收(ムラタオサム)

岡山を拠点に活動する水彩画家。

千葉市に生まれる。大阪府立大学経済学部卒業。
1987年 New York, Pratt Instituteに留学 Art St...

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