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なにか創るとうれしくて自分はどんなアーティストなんだろう?…ということを考えてみる

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者


1966年、栃木県生まれ。

株...

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 音楽でも動画でも絵でも写真でも造形物でも文章でも、それこそなんでもいいんですが、なにかを作っているというみなさん、「自分はどんなアーティストなんだろう?」なんてことについて考えてみたことありますかね。いかがでしょう? もしこれまで考えたことがないということでもいいんですけど、その場合は、「あなたはどんなアーティストですか?」という問いに対して、サクッと答えを返すことができるものなのかどうか、なんて感じで考えてみるといいかもと思います。
 私なんか、他人のことはめちゃくちゃいろいろ気づけるのに、自分のことになると途端に訳が分からなくなって、一体自分がどういうタイプの人なのか、全然ちゃんと整理できないなんてことが多くあります。まぁ、よく言われるのは、「変」とか「暗い」とか「理屈っぽい」とかなので、きっとそうなんだろうとは思いますけど、でもこれって褒めてねぇじゃんとも思うので、これをこのまま売りにはできないよなぁとは思ったりするという次第。

 ではまず、なぜこれを考えることが有効なのかということについてちょっと書きましょう。おそらくは以下のような点かなと思います。
 1. 作品作りの方向性で迷うことが少なくなる。
 2. 自分の得意に合わせた作品を作ることができるようになる。
 3. 自分の課題についても明確になりやすい。
 4. 結果、自分のポテンシャルをかなり高い状態で作品に投影することができるようになる。
 5. 作品作りに対する検証や修正、転換が考えやすくなる。
 6. 自分の成長や衰退についても実感しやすくなる。
 7. 作品のアピールポイントの軸を決めやすくなる。
 8. 作品アピールについても同様に検証や修正、転換が考えやすくなる。
 いかがでしょう。他にもあるかな。まぁ、とにかくいろいろな点でいいことが多いと思います。

 逆に悪いことはあるかなぁ…。なんだろ、それに縛られ過ぎちゃったりすると弊害はありそうかもなぁ…。でもそれはいくらでも回避できるしなぁ。それが外部から見たときの強力なレッテルになってそれ以外のスタイルが出しにくくなるとか…いや、それもPRの仕方次第だしなぁ…。決定的なデメリットってちょっと思いつかないですね。
 そう考えると、やはり一度これを考えてみることはとってもいいことのように思います。

 上記の各項目の中で分かりにくい項目はありますかね。「3. 自分の課題についても明確になりやすい。」あたりが分かりにくいかも? じゃあこれについてちょっと書いておきましょう。
 これは、「2. 自分の得意に合わせた作品を作ることができるようになる。」とも連動します。つまり、自分がどんなアーティストなのかを知るという過程の中で、「できていること」や「得意なこと」と「やりたいこと」の切り分けなんてことをするステップが出てくるんですが、その時、「できていること」や「得意なこと」と「やりたいこと」にギャップがあることがあります。
 例えば…これはあまりいい例じゃないかもしれませんけど、ものすごく力強くて芯のある声が出せるという「得意」を持った歌唄いの方が、実は「やりたいこと」として、とってもソフトでエアリーな声を必要とするような作品作りを考えているなんて場合、「2. 自分の得意に合わせた作品を作ることができるようになる。」という点では、そのままではできない可能性が高いということになるので、そういう作品作りの方向性を改めるか、そういう作品作りができる技術も習得するという選択肢が出てくるわけです。その際にどちらを選んだとしても、前者「そういう作品作りの方向性を改める」なら、じゃあどんな方向性がいいのかを考えるという課題が、後者「そういう作品作りができる技術も習得する」ならまさにその技術を習得するという課題が発生するということですね。これが「3. 自分の課題についても明確になりやすい。」です。
 課題なんて言うと一見面倒くさいことのようにも感じますが、まず当面の課題が明確になって、それ以外の要素については明確に後まわしにすることができるようになるので、やるべきことが絞り込めてシンプルになり、却って「あれもこれもやらなきゃ~」なんていう状態を軽くすることもできるというメリットもあるということですね。

 「5. 作品作りに対する検証や修正、転換が考えやすくなる。」も分かりにくいかもしれませんね。
 これは検証するポイントが明確であれば、そのために現状どうなのか、というような視点から検証することができて、結果修正すべき点も、なんのために修正するのかが明確になるし、またもし違う方向に転換したいという場合でも、「なんのために?」「どのように?」というようなことを明確にすることができるということです。
 特にアートの世界というのは、記録系のスポーツ等とは違って明確な数字が出るというものでもないので、それがいいのか悪いのかという評価が難しい分野です。それを測る指標としてメジャーなんかでは売り上げ等が言われますが、それだって、それまで買ってくれていたファンたちの嗜好がどのように変化していったのかなんてマーケティング・データで分かる以外に知ることは難しいですし、そもそも誰のどんな評価であろうとかならず主観が絡むものですから、本当に客観的な判断なんてできないということになります。だって状況によっては、それまでのマーケティング・データを超えなきゃいけないときも往々にしてありますしね。
 その時に、自分がどんなアーティストなのか、という一旦の指標があれば、それに照らして今やっていることは効果的なことなのか、それには益しないことなのか、というような視点で考えることができるという次第です。
 まぁそれだって主観を外すことはできませんけれども、それでも、関わる人たちの共通認識をある程度明確にすることはできますから、単に「好き」「嫌い」「いい」「悪い」なんていう曖昧なものを超えた議論ができるようになるという次第です。
 そういった意味では「6. 自分の成長や衰退についても実感しやすくなる。」も同じですね。

 ということで今回まずは、自分がどんなアーティストなのかということを考えることがどんな風にいいのか、なんてことを考えてみました。是非みなさんも考えてみてください。
 あ、で、そのうち、どうやったら考えられるかとか、そんなお話も追々書いていきたいと思います。ではでは。

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※ちなみに写真は今回もうちの近所の森で撮った一枚。
 夏の終わり、まだ緑が豊かな森の中で一枚だけ見つけた落葉。ああ、もう秋が来てるんだなぁと思わされた瞬間でした。
※使用カメラ&レンズ:Canon EOS 6D + EF24-70mm F2.8L II USM

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