連載記事

なにか創るとうれしくてブランディングってなんだろう

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者


1966年、栃木県生まれ。

株...

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 「ブランディング」…もう聞いただけなんかちょっと胡散臭い感じの漂うこの言葉。なんていうかなにかを売り込む気満々で、とてつもなく恣意的で、ピュアな表現活動とは相容れないもののような気がしてしまったりもします。
 実際「ブランディング」って奴は、そこにあるコンテンツの価値を抽出して強めて磨いて、で、受け手となる人たちがより一層それに対して魅力を感じたりするように、なにかを増幅させたりとか、なんらかの特徴付けをしたりとか、記号付けをしたりとか、言い換えをしたりとか、いろいろなことをするので、売り込む気はもちろんあると思いますし、恣意的な面も否めません。
 でも、なにかを表現する人って、スタートはとっても自然に始まったとしても、たくさん作品を作って、その水準を上げて、もっといいものを作ろうとする過程で、きっと多かれ少なかれ、この「ブランディング」に近い作業をするものなんだと思うんですよ。
 その証拠だなぁと思うのが、例えば音楽をやる人って、その写真(いわゆるアー写って奴です)を見ると、その写真から受ける印象からだいたいこんな音を出しそうだなぁってことが想像できたりしません? 黒革でトゲトゲの鋲をたくさんつけたライダースのジャケットとか着て、髪もロン毛とかモヒカンとかなのに、音聞いたらめちゃくちゃピュアなフォークの弾き語りだった、なんて人、まず見ないでしょ?(いたらそれはそれでめちゃくちゃインパクトあるから、ブランディングとしては大成功かも知れませんけどね)
 つまりみなさん、自分が出している音の傾向に対して、大抵はある程度合ったファッション等を選んでいたりするものなんですよね。これも一つの「ブランディング」なんだということになるかと思います。

 もっと言ってしまうと、例えばそんなことをまったく意識しなかったとしても、たくさん作品を作っていくと、それがまとまることで、それが自然となんらかの傾向を生み出して、一つの「ブランド」のように機能し始めたりもします。もちろん、その人がもともと持っている声やルックス等の傾向によって、かなり最初からそれが決まってきて、産み出した作品がすべてその範疇に収まるので、結局その大外枠にある自分自身という器が「ブランド」だという状態になる方も多いですよね。
 前者の例はちょっとなかなか難しいな…。誰かいますかね。そこまで自然に「ブランド」形成された人…みなさんある程度意識的に「ブランディング」しているように思えたりもするので、あまり自然な例は思いつかない…かも?
 後者では例えばThe Alfeeさんなんて面白いですよね。初期から現在までの長いキャリアの中で、産み出してる作品の傾向はまったく違うし、かなりバラエティーに富んでるのに、器としてのみなさんがもうあまりに「ブランド」化しているので、半ばなんでもアリになるという…そういう意味ではホント、すごい方々とは思います。
 つまり、いろいろな手法はあれ、多くのケースで「ブランディング」という行為が行われているのだということをご理解いただければと思います。

 で、これをやるとなにがいいの?…という話がけっこう重要かなと思うんですが、まずは端的に、受け手から見て分かりやすくなるということが言えます。
 まぁ世の中ではあまりよくないこととして「レッテルを貼る」なんてことを言いますが、例えば、お隣の旦那さんはどこそこの企業で働いてるサラリーマンなんだということが明確だと周辺の住人は安心しますし、それがもしテレビに出てる芸能人だなんてことになれば、そこにめちゃくちゃ付加価値を感じて、そりゃあもう浮かれちゃいますよね。逆に、なにをやってるのか分からない人(私たちフリーランサーに見える人種なんてまさにそうですけど)だと、周囲の方々も不安になったり、ヒソヒソ噂話のネタになったりとあまりいいことにならない。まぁそんなようなものです(却って分かりにくいですかねw)。
 例えを重ねると、スーパーで、とっても有名な産地で、特別な育て方をしたと記載されている野菜と、どこでどうやって作られたのか不明で、下手をすればなんとなく見た目的に貧相な野菜との差とでも言いましょうか(もっと分かりにくい?)、つまりここで言う「既知の企業の正社員」とか「芸能人」とか「有名産地」とか「特別な育て方をした」とかが、「ブランディング」を形作る属性になって、結果、受け手はそれによってその対象をとってもイメージできるようになるってことなんですね。
 イメージしやすくなるということは、その対象の価値も判断しやすくなりますし、結果、好き嫌いも判断しやすくなり、手に入れる入れないの判断にもつながるということかと思います。
 だって分かりにくかったらとりあえず判断保留してスルーとかしません? これだけモノや情報に溢れた日本という国においては、なにか一つスルーしたって別に大きな影響はありませんから、つまり判断すらしてもらえないということになるということかと思います。

 まぁそんなこんなで「ブランディング」ってちゃんとした方がいいかもねということが言いたいわけなんですが、自分自身「99.9%」とというアルバムを作った際にはまったくそんなことを考えず、結果、「とことん観察マーケティング」の著者である野林徳行氏に、
「これは一体どんなジャンルの作品なんだ?」
と言われてしまった身としては、いくら売る気がなかったとは言えこの辺りの反省とともにもう少し考えてみたいなと思う次第です。
 ということで、次回以降、じゃあそれってどうやるの的な話もボチボチさせていただこうかなと思いますので、よろしくお願いします。

「Spinart(スピナート)」では、活動・運営・ブランディング・プロモーション等相談も受け付けています。
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※ちなみに写真は、栃木県那須高原にある「Nasu Shozo Cafe」で撮影したもの。
※タイトル:緑色の太陽
※使用カメラ&レンズ:Canon EOS 6D + EF24-70mm F2.8L II USM

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