Logo Mark連載記事

Logo Markなにか創るとうれしくて厳しくなった音楽系サブスクでの作品リリースについて〜遅れに遅れた「Remaked」の場合

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者


1966年、栃木県生まれ。

株...

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「やっと発売されたか〜。」
 それが各種サブスク・メディアのアプリ上で確認できた時、思わず口から出た。
 今回のアルバム「Remaked」。この作品の内容については、以前の記事「おまえの曲はミックスで損してるんだよ〜からの「Remaked」という作品」をご覧いただければと思うんだけれども、この作品、リリース手続きのスタートから実際のリリースまでに、まぁ時間がかかった。
連載記事:おまえの曲はミックスで損してるんだよ〜からの「Remaked」という作品
 その期間、作品が完成してリリースの手続きをしてからなんと約4ヶ月半だ。
 なんでこんなにかかったんだ?…ということで、その経緯を書くことで、少しでも、今後、各種サブスク・メディアでの音楽作品リリースを考えているみなさんのお役に立てればと思う。

 まず、ミックス、マスタリングが終わり、ジャケット・アートワーク等も決まってサブスク・メディアへのリリースの手続きが完了したのが2020年2月10日だった。まぁ通常であれば後は待つだけで、約1ヶ月もすればリリースが完了する。こちらはそれを待ちつつ、サイトへの掲載情報やら、関連する記事などを用意しておけばいいということになる。

 とはいえ思えば最初からだいぶ遅れ気味ではあったんだよなぁ。
 一応ディストリビュート企業のアナウンスでは、リリース手続きから約6週間かかるということにはなっているものの、ここのところそれよりもだいぶ早いタイミングでのリリースができていたから油断していたということは正直ある。しかし今作に関しては、1ヶ月を過ぎてもなんら動きがない。おかしいなとか、厳格に自分たちのアナウンスに沿うようになったのかなとか、そういえば運営会社の経営形態が変わったっていう連絡があったから、そのせいで体制に余裕がなくなっちゃったのかなとか、コロナのせいで対応できなくなったりしてるのかもなとか、まぁいろいろ思ってはいたのだが、その6週間を過ぎた3月27日、運営からメールが届いた。

「規定の厳格化によって、曲名についている「remaked by 音庵」という文言が使えないから変えてくれ。」
 というような内容。今回の作品、前出の記事にも書いたとおり、サウンド・スタジオ「音庵(ねいおり)」さんとのコラボによる既出楽曲のリメイクだったから、すべての楽曲タイトルに「remaked by 音庵」とつけていた。もちろん既出楽曲との差別化をするためなのだが、過去には、アルバム「99.99%」に入っている「1914」という曲を、EP「最高層より翔ぶ男/1914」でリメイクした際に「1914(2019)」というタイトルでリリースしたことがあるから、まぁ問題ないだろうと思っていたという次第。そもそもリリース申請した際の審査も通過してるはずだしね。
 なので正直なところ、今それ言う?…こんなに時間が経ってから言ってくることか?と思った次第だが、まぁそういうことなら仕方ないということで、運営とも相談の上「remaked」のみにして再度手続き進行を依頼した。

 で、またしばらく待ていると今度は4月10日、
「「remaked」という表示もNGだったから「New Version」に変えさせてくれ。」
というメールが届く。
 マジかよ…「New Version」じゃ全然制作意図を表現できてないやんと思いつつも、既にこの頃にはちょっと投げやりになっていて、それでいいですよということでOKを出す。
 ディストリビュート企業から言ってきたことだし、まぁ、言うこと聞いておけばリリースできるんでしょ…と。

 しかしその3日後の4月13日、今後は、
「「New Version」もダメだったので、以下の3つなら絶対大丈夫だから選んでくれ。」
というメールが届く。
 はぁ?…「New Version」は大丈夫だったんじゃないんかい、と思いつつも、それでもちゃんと対応してくれているものと思ったので、提案された3つの中から「2020 Version」を選択。正直なところ「New Version」よりはちょっとだけだけど制作意図に近づいたので、それほど悪い変更ではないかなとは思った。

 さてもうこれで大丈夫かなぁと、あとはリリースを待つばかり…と思っていると、その後まったく連絡がない。各サブスク・メディア上でも動きがない。どうなってんのかなぁと思いつつ、さらに1ヶ月以上がたった5月18日、
「その後どうなりましたか? 状況教えてください。」
的なメールを送ってみたりもしたが、その反応もない。
 こりゃいよいよリリースそのものがダメってことになるかもなぁ、場合によってはディストリビュート企業を変えなきゃかもなぁ、なんてことを思っていたら、ほんと〜にしばらく経った6月4日なって連絡が来た。

 なんと今度は、
「アルバム名「REMAKED」(全大文字)がNGなので、「Remaked」に変えてくれ。」
「それに伴って、ジャケット上の表記も変えてくれ。」
「英文表記のアーティスト名も必要なので、ジャケットも和文表記のものと英文表記のものを2種類作ってくれ。」
という連絡がきた。  しかも、アーティスト名に至っては、和英双方併記ではダメで、絶対2種類いるんだとか。もうなんなんだかなと…。まぁこれは、自分のアーティスト名登録を、日本語では「紫水勇太郎」、英語では「u-taro DANNA shimizu」にしていたので、その両者が異なるということで引っ掛かったのだとか。過去にリリースした作品ではスルーだったのになぁ…こんなところも厳しくなったんだなぁ。
 とりあえずもうどうでもいいから早くと思ったりもしたので、素直に言うことを聞いて修正して送る。結果、アルバムジャケットのタイトル表示やアーティスト名表示では、当初考えていた書体が使えなくなったりして正直けっこう気分が悪い。
 まぁここまでの経緯で分かるのは、この会社、社内でもメディア側の規定をよく把握してないし、ましてや事前チェック機能なんてまるでないんだなということ。つまりプロの仕事は期待できない会社なんだなぁということだ。今後の対応をちょっと考えなきゃかもとは思ったりしつつ、まぁそれでも、ちゃんと売れてるアーティストでもないので、そこはある程度緩く判断しなきゃかもなぁとかも思ったりしたりもした。

 さて、これでようやく6月22日にリリース完了だ。
 ここまでにかかった時間が約4ヶ月半。もし自分がもっとガシガシ活動しているアーティストだったらきっとブチ切れてるだろうなと思うが、同時に、これってメジャーなアーティストに対しても同じ対応になるんだろうかということが頭をよぎった。

 電子書籍Amazon Kindleなんかではある話だ。
 メジャーな出版社から出ている書籍についてはかなりの自由度が許されているが、インディーで出版している執筆者についてはやれることが本当に限定されていたりする。この差ってなんやねんとは思ったりするものの、まぁ「お金」という厳然たる違いから考えればそれも仕方ないのかなと思いつつ、こと「表現」という面から見れば決して気分のいいものではない。
 音楽の世界では割とそういうことがなかったのがこれまでだったのだが、いよいよそういうことになったのかもなぁと。
 まぁこの辺の詳細事情はこれからいろいろ調べていこうかなとは思うけれども、つまりは、そういうことになってしまっているのだとすれば、それに準じて作品作りをするしかないわけで、そこは弱小の悲しさということでやっていくしかないんだろうなぁ…ホント気分悪いけど。

 ということで、とりあえず今回「Remaked」のリリースが異様に遅くなった経緯。
 他のみなさんがどうなのかは気になるところなので、是非教えて欲しいな。他の会社ではそんなことないよとか分かれば乗り換えも考えるし(ちなみにこの運営会社はMONSTAR.FM)。
 他でも同じということならそれはもうサブスク・メディア側の対応の問題なので、ここに書いたような事例は気をつけるべきことということで参考になれば。


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