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Logo MarkSpinart Research絵描きのみなさん、自分が思う通りに絵が描けるなぁと思えるようになったのはどんなきっかけ?

スピナート調査部

あらゆるジャンルの表現者・アーティストと出逢えるサイト「Spinart(スピナート)」が、アーティストのみなさんの、ちょっと普段はなかなか聞けない内容についてアンケート調査する。それがこの「調査...

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SpinartのX(元Twitter)アカウントで実施するアンケート企画。
今回のお題はこちら。
「絵描きのみなさん、自分が思う通りに絵が描けるなぁと思えるようになったのはどんなきっかけ?」
(アンケート期間:2023年8月22日〜8月29日)
こちらの結果についてレポートさせていただきます!


まず結果発表

4つの選択肢の順位・割合はこちら。
1位:いつの間にか自然に描けてた…50.0%
2位:死ぬほどたくさん描いた…41.7%
3位:フィットする筆等の画材に出逢った…8.3%
4位:描き方を教えてもらった…0.0%
※その他の意見なし。
※総回答数12票。
※インプレッション712。


この結果から見た考察

 意外なのは「描き方を教えてもらった」という方がいなかったこと。
 実際答えてくださった方の数が12と少ないので、もっと多くなればいらっしゃるのかもしれないけれど、しかしそれでも、1位、2位となった回答より多くなる可能性は低いのではないかと思える。
 この結果から見ると、多くの絵描き系アーティストさんは、自分の描き方のスタイルを確立するために、外部からの教えよりも自分自身の内側での自問自答の方が意味を成すということも言えそうと思え、とは言えもちろん、どこかのタイミングでどなたかに教わった経験のある方にとってそれが無意味ということではないとは思うものの、それが決定打になるということではなく、やはりそういったことを土台に、自分自身で自分のスタイルを見つけ出していくということなのだろうと推察できる。

 続いてやはり1位の「いつの間にか自然に描けてた」が面白い。
 これは設問にやや問題があるかもしれないと後で反省もしたのだが、この「いつの間にか自然に」が、本当に本人の意識がない状態で「いつの間にか」なのか、それとも、かなりたくさんしっかりと描くという努力を重ねているうちに「いつの間にか」なのか、この設問からはちょっと切り分けができない。
 2位となった「死ぬほどたくさん描いた」という設問があるから、それとの区別として、上記後者はないかもしれないとも思うが、人間の心というのは複雑かつ厄介なものでもあるので、これは一概に判断しにくいなぁと…実はだいぶ途中で気づいた…けど遅いw
 こういった設問を設けるのは本当に毎回実はけっこう難しくて、迂闊な設問を設ければそこへの誘導を伴って変なバイアスがかかるような状況にもなるし、逆に今回のように、回答側の気持ち一つでだいぶいろいろな可能性を含んでしまうような設問にもなり得る。
 とはいえここは素直に回答してくださったみなさんすべてが労なく自然にスルッと自分のスタイルを手に入れたのだとすれば、それはすごいことだし、またとても幸せな創作活動になっていることと思う。

 次に興味を感じるのは3位「フィットする筆等の画材に出逢った」。
 実際このアンケートの終盤まで「0」だったこともあり、世の中全体の総数としても多くはないのかもしれないけれども、しかし道具によって自身のスタイルが切り拓かれる例があるとすれば、今まさに行き詰まりを感じている人にとって、その打開策を見つけるための「もがき」方の一つの方法としていい事例にもなるだろうと思うのだ。
 もちろん、「もがき」期間中はとにかく頑張って数を描いたり、さまざまな作品を見たり、場合によってはまったく違うジャンルの表現や感情に触れていくことがとても大切で、そういったことを積み重ねる中で新たな気づきや新たな技術を得るということは往往にしてあることと思うが、しかし煮詰まった脳みそにどのような刺激を与えるかという観点で考えれば、ふと、それまではまったく使用しなかった画材を使ってみたことが刺激となって頭の中になにかがスパークするなどということもあるかもしれないなぁと思えるということである。
 実際、例えば音楽関連だと、考えて考えて考えてでも曲が書けず、なにも思い浮かばないなどという状態にある時に、ふとお風呂に入ったらメロディーが降ってきて、慌てて全裸のまま風呂から飛び出してメモしたなどという話は昔からよく聞くが、これも、脳はその間ずっとそのことを考え続け、しかしなかなか出口が見出せなかったところでふと、まったく方向性の違う刺激があった(この場合は入浴による弛緩かもしれないが)ことでいきなりポンと浮かんできたという例だろうと思える。こういうことが起こり得るのが人間の脳の面白いところなんだなぁと改めて思う。
 さて気になるのは、ここでこの方々は果たしてどのような画材によって自分のブレイクスルーを達成したのだろうということだ。筆なのか、画面材なのか、絵具なのが、もしかしたらもっとピンポイントにある特定の色だったりもするかもしれない(誰だったか忘れたけどそういう有名な画家さんがいたような…)。それはきっとその人にとって忘れられない物語になるだろう。そして、それを語る時、鑑賞者にも、作品と一緒にその物語が伝わって定着し、作品、作者、そしてバックストーリーを合わせた忘れられない物語として深く記憶されていくのだろうと思う。
 アートとは、そういった記憶も含めて鑑賞されるべきものなのかもしれない…と時々思ったりもする…まぁそういうのを嫌がる作家さんもいるけどね。


 ということで画家さん系の質問としては次にまた、ちょっと似ているけどちょっと角度を変えたような質問をしてみたいなぁなどとも思っている。なにせ、世の中これだけ数多のスタイルがある中で、なぜ今そういった表現手法を取るのかということは非常に興味深いと思えるから。
 是非次回もお楽しみにどうぞ。

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