2024/04/10
あらゆるジャンルの表現者・アーティストと出逢えるサイト「Spinart(スピナート)」が、アーティストのみなさんの、ちょっと普段はなかなか聞けない内容についてアンケート調査する。それがこの「調査...
SpinartのX(元Twitter)アカウントで実施するアンケート企画。
今回のお題はこちら。
「ドラマーのみなさん、叩く上で一番大切にしていることは?」
(アンケート期間:2024年3月31日〜4月7日)
こちらの結果についてレポートさせていただきます!
4つの選択肢の順位・割合はこちら。
1位:正確なタイム感…50%
2位:とにかくパワー!…37.5%
3位:とにかくノリ…12.5%
4位:正確なフレーズ…0.0%
※その他の意見なし。
※総回答数8票。
※インプレッション746。
まず、ドラマーのみなさんの真面目さを垣間見たような気がしました。
実はアンケートを始めた当初先に「とにかくパワー!」「とにかくノリ」に票が入って、このままいくとツッコミどころてんこ盛りになって面白くなりそうだなぁと思っていたんですが、蓋を開けてみればとってもまともに「正確なタイム感」の方が大切と考えている方が半数という結果になりました。
まぁこれは至極当然と思います。なにせドラムはリズム楽器ですからね。刻んでいるリズムが理由もなく揺れまくっていたら、きっとバンド全体が合わせに行きにくくなるでしょうから。
いや、ちゃんとノリ…というか意図があってね、ここは強くとか、ここは重くとか、ここからはちょっと突っ込んでいくとか…まぁ私もドラムの人ではないので聞きかじりな知識ではありますが、こういうのをグルーヴとかいうんですかね?…があってリズムに変化を加えていくのはとてもいいと思うんですよ。楽曲に表情がつきますしね。それこそこの辺りを自在に、そして無段階でやれるのが、機械が打ち出すリズムとは違う人間の演奏な訳で(最近は細かくプログラミングすればそれもできちゃうようになりましたけどね…ただやろうとするとちょっと面倒なので;;;)、意図があってのコントロールとしてやられていることなら素晴らしいと思うんです。
でもそうでなければやはりタイム感はキープするというのが定石でしょうねぇ。おそらくこの辺り「とにかくノリ」に票を入れた方は、ひょっとしたらもうタイム感のキープなんて当然にできていて、その上でノリが大切とお考えなのかもしれません。
そう考えると2位の「とにかくパワー!」は少しウケました(頭の中はなかやまきんに君の笑顔でいっぱい)。ドラムにパワーを求めるジャンルとしたらメタル系の方なのかな? パワーで思い出すドラマーとしたら…やっぱりジョン・ボーナム(Led Zeppelin)ですかねぇ。なんかとんでもなくずしんと来るイメージがあります。でもジョン・ボーナムって力任せという感じじゃなくて、音数はさほど多くないながらもいいタイミングで効果的な音を入れてくるような、小技的なものも上手いというイメージがあります。決して力任せという感じじゃないというか…Led Zeppelinはリズムが厄介な曲も多いですからね。パワーだけでやれるようなはずもないと思いますし、また、彼が亡くなったことをきっかけにバンドが止まったことを思えば、ジョン・ボーナムのドラムの重要性も改めて感じますね。
逆に力任せ感を感じると言えば…ヴィニー・アピスとかボビー・ロンディネリとか? まったく器用そうには見えなかったけどなぁ…。まぁボビー・ロンディネリの場合は前任があのコージー・パウエルですから、余計そんなふうに見えちゃったのかもしれません。
これもジャンルやスタイルによって求められるスキルにはものすごく多種多様なものがあって、ポップスやジャズ系では逆にキレや表情の方が大切と思われるかもしれませんね。フュージョンやプログレなんかだと手数の方が大切だったりしてw…全員が全員ではないですけどw そういう意味でもとても奥の深い楽器だと改めて思います。
考えてみれば打楽器って人類最古の楽器かもしれないですもんねぇ。とにかく最初は叩くことから始まった。叩くことでみんなの注目を集めたり、みんなのノリを合わせたり、感情を乗せたりしたのだと考えれば、もっともっとやれることがあるかもしれない楽器なのかもなんてことも思います。そういう意味ではアフリカ系のパーカッションの方が叩き出す、どうやって出してるのか分からないようなリズムやフレーズはその品として代表的なものかもしれませんね。
そういえばこのアンケートで「正確なフレーズ」と答えた人は「0」だったんだよなぁ。なるほど、叩くフレーズや叩く太鼓の順番等はあまり気にしてないってことなんですかねぇ。お答えくださったみなさんがどういうジャンルのドラマーの方々なのかまで絞り込めていないのであまりギュッとした考察はできないかもしれませんが、民族系のドラムの方なんて、そのドラム・フレーズがそのままリフの役割を担っていることなんかもあるので、そういった場合はフレーズも大切になりますよね。ロック系でも例えば前出のジョン・ボーナムが叩いた「Rock and Roll」のイントロとか、コージー・パウエルが叩いた「Stargazer」のイントロなんて、違うフレーズを叩いたら「おやっ?」ってなっちゃうかもしれませんもんねぇ。Rushのニール・パートやDream Theaterのマイク・ポートノイのフレーズなんかにも、けっこう厳密に決まっているものがありそうかもと思ったり…でもそうか、重要度の優先順位として考えれば、そうやってフレーズとしてかっちり決まっているものよりは、楽曲のリズムを合わせたりノリに表情をつける方が重要なんだろうなぁ…なんてことも思います(アレックス・ヴァン・ヘイレンのあの独特なノリは他の人には見られないものですもんねぇ)。
この辺りもそれぞれのジャンルやスタイルによって大きく違いが生まれそうですよねぇ。
ということで「ドラマーのみなさん、叩く上で一番大切にしていることは?」でした。
もしこの記事をお読みの皆さんがドラマーの方でしたら是非ご自身のスタイル等について考えてみていただければうれしいです。また、他のパートの方だったとしても、ご自身のバンドや曲にはどのようなドラム・スタイルがフィットしそうかなんてこともイメージしてみると今後の作品作りが面白くなるかもしれませんね。
また、聞き手の方も是非、それぞれ大きく違いがあるかもしれないドラムのみなさんに注目した楽曲の楽しみ方も面白いですよ。ジャンルや個々のバンドによっても違いがありますし、メンバーが変わるとガラッと雰囲気が変わったりもしますから。そんなところにも音楽の楽しさがあると思いますので、是非ご注目ください。
ということで次回もお楽しみにどうぞ。
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