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Logo Markなにか創るとうれしくてバンドの個性を確立する(2)〜例えば曲が弱いと言われたら

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者
YouTube「うさぎのうみちゃんねる」のおじぃ
YouT...

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 「バンドの個性を確立する」の第2弾を無事書いてますなぁ。前の「バンドの個性を確立する(1)〜例えばVo.が弱いと言われたら」を公開した時は、「(1)」とかつけちゃったけどちゃんと続きがやれるのかとかまるで考えてなかったけど(苦笑)。…ということで今回は「曲が弱い」と言われちゃった時の対処法です。

 まず間髪を入れずにその相手を張り倒しましょう。頑張ってせっかく作った曲を、ろくにその制作背景も知らずに単なる己の主観で「弱い」だなんて無礼な話です。ですので怯むことなく、相手の言葉が言い終わるか終わらないかかなり食い気味のタイミングで張り倒しましょう…あ、すみません。これはもちろん低俗な冗談です。これじゃあなにも解決しませんね。そしてまぁ張り倒すのは自由ですが、その後予測される数々の面倒にはすべて自己責任でご対応いただくことになるかと思いますので、やはりこの方法はお勧めできません。

 なんていうくだらないことを言ってる場合ではなくて、まぁ「曲が弱い」と言われたとしても作った本人が自分でそう思っていないのであれば無理に変える必要はないとは思ったりします。ただ自分でも薄々なにかが足りないんだよなぁなんて思っている場合は、それを機会にしっかりと考え直すことでまた一つ成長することができるかもしれないとも思います。
 それにまぁ、通常はそう言ったネガティヴな反応ってなかなか言ってくれなくて、大抵は極めて表層的なお世辞を言われるか無視されて終わることが多いものですから、そういった言いにくいことを言ってくれる人の言葉っていうのはある程度耳を傾けておいて損はないと思うのですよ…その上で考えて、それでも自分がそう思わないのであれば、改めてその意見を切り捨てればいいと思います。

 ただ切り捨てる前に、相手が言っていることの意味を自分がちゃんと理解できているかについての自己検証はやっておいた方がいいでしょう。その方はなぜそう言ったのか?…それが分かっているのと分かっていないのとでは、その後の思考や対策等々に大きな違いが出てきそうです。なので、もし言われたことが理解できていないと思える場合、さらに突っ込んで聞いてみるといいと思います。
 どう聞くんだって?…例えば、
「なんかさぁ、曲が弱いんだよねぇ。」
とか漠然と言われたら(こういう言い方する人ってプロデューサーまがいの人とかライヴハウスの人にいそうだなぁw)、こんな風に質問してみるといいかなと思います。
「特にどの辺りでそう感じます?」
「もしもっと良くしようと思ったらどうしたらいいと思います?」
 これで、その人が考える原因と対策がある程度聞き取れます…まぁ、考えが浅い人やただ言ってみただけの人、ちゃんとしたアドバイスとして言っているのではなく別の目的(例えばマウントを取りに来ている等)で言っている人なんていう輩もけっこう多いのでまともな答えが返ってこないことの方が多いかもしれませんが(実際やたらと他人の批判をするくせに、突っ込んで質問したり解決手法を聞くとまともな答えを返すことができないダメな野党みたいな人はめちゃくちゃ多いです)、それでもその意見がそのくらいのレベルのものだったということを正確に知ることは有用なことだと思いますから、もし自分でモヤっとしたら是非質問してみましょう。
 物事をしっかりを把握して理解して自分の中に定着されるためには、うまく質問する能力がものすごく有用ですから、このスキルはね、磨いておいて損はないと思います。
 どうやって磨くんだって?…それはまずちゃんと相手の言っていることに興味を持って耳を傾けることが第一歩。そしてその上で相手の言っていることをちゃんと考えることが大切です。そうすると「なるほど」と思えることと「なんだか分からん」と思えることが浮かび上がってくると思います…浮かび上がってこない場合はさらにもっと考えて、意識的に、自分が分かることと分からないことを切り分けるようにしましょう。そうすると、どのポイントで自分が分からないと思っているのか、そしてその分からないことを分かるようにするためにはどんな質問をすると分かるようになるかが見えやすくなると思いますよ。
 まぁこの話は「有効な質問の仕方」という手法のお話で、まぁ世の中にはこの手のメソッド本が腐るほど出版されていると思いますし、そういうブログやセミナーをやってご飯を食べている方も多くいらっしゃると思いますので、そう言ったものを参照いただいた方がいいかもしれません。本稿では少し本筋から離れるのでまた別の機会に。

 さて、ここまでは言われた際にその言われたポイントを整理して理解しましょうということだったんですが、そもそも自分で思い当たる節がある場合、それを改善して強化したいなぁという場合はどうしたらいいかというお話が肝かなと思います。その場合考える必要があるのは「じゃあ弱くない曲ってどんなん?」ということですね。
 これね、おそらく人によって違います。その人が普段聞いている音楽や作っている音楽のジャンルや方向性によっても優先すべきポイントが変わってきます。なので一概に、
「こうすればいい曲が作れる!」
なんていう論調の記事は…まぁ参考にするのは全然いいと思いますが、鵜呑みにはしないというスタンスがいいと思います。

 ではどうするか。自己分析するんです。
 自分が聞いている偉大な先達の音楽の内、この曲は強いと思えるものをできるだけピックアップして比べてみましょう。そうするとそれぞれの曲の中になにかしら共通点やちょっと多くみられる傾向が見えてきませんか?…それがあなたの考えている「この曲は強い」と思う際のポイントになります。
 次にそれを自分の曲と比較してみましょう。自分の曲の中にその要素は入っているでしょうか? 入っているなら、あなたにとっての「強い曲」はおおよそ実現できていることになります。入っていないなら、あなたにとっても「強い曲」を作ることが(少なくともその時点では)できていなかったということになると思いますので、今後の作曲をする際にどうにかして入れる方法はないかと考えてみましょう。これもね、ただそのまま入れてもそっくりな粗悪品ができるだけなので、自分なりに工夫したり、その特徴をもっと分析してみたりして応用方法を考えてみたりすると、さらに一歩前に進めるのではないかと思います。
 ということで、まずは自己分析からやってみるといいのではと思います。

 さてこれは本当に蛇足ですが、私が考える「強い曲」ってなにかなぁということでちょっと書いておくと…その要素の一つは記憶に残るフレーズかなと思います。
 これはメロディーラインでもリフでもいいし…まぁ記憶に残るメロディーラインというのは、それ単体ではさほどでなくても繰り返すことによって印象付ける手法によるものかもしれませんが、要は聞き終わった時にすぐ思い出せたり、もっといいのはちょっと口ずさめちゃったりするようなフレーズってことかなと思います。
 これがあるとないとではその曲が記憶に残る確率が段違いになると思います。音楽のように目には見えない表現手法においては、記憶に残って思い出してもらえることってものすごく重要性が高いと思いますので。
 続いて(これは歌詞がある作品に限りますが)記憶に残る言葉と思います。
 歌詞がある音楽作品においては、上記のフレーズに印象的な言葉が乗っていればさらに効果が増す…こんなこと言われなくても分かりますよね(苦笑)。それがどのような言葉であるかについては、その作品が表現している内容やターゲット等々ありとあらゆる要素が絡むので一概には言えませんが、近年大ヒットした「うっせぇわ」のように短い単語にすごいパワーがあって、それがオクターヴ跳躍の強いフレーズに乗った上に繰り返されることで、まぁ一発で覚えるすごいものになりました。最近だとLE SSERAFIM「ANTIFRAGILE」の、 「アンティティティ…。」 のくだりなんかもそうでしょうし、ちょっと前の「PPAP」なんかもそうかもしれませんね。
 逆にじっくりと情景描写したり琴線に触れる単語…というかもはや短文によって印象的な世界観を焼き付けたと言えば平井堅とかKING GNUとか米津玄師とかスピッツとかさだまさしとか、その手法でもすごい人がたくさんいますね。
 そうそう、普段はあまり使われないけど印象的な表現を使うことで効果を上げるなんていう手法もありますね。例えば、瑛人の「香水」とかはあのブランド名がめちゃくちゃ効いてるし、あいみょんもそういうのがうまいなぁと思います。世代的には甲斐バンドとか佐野元春とか大瀧詠一とかにそういう魅力を感じちゃったりするんですけど…まぁこれってひょっとしたら「例えボキャブラリー」の多さかもしれませんね。
 後はテーマや描かれている物語によって強くなることもあると思います。例えば社会的なタブーを描いたような曲とかネガティヴな内容とか怖い曲とか、逆にめちゃくちゃ救いになるとか勇気づけられるとか…ポジティヴな方は数が多いだけに埋もれないための方法はなかなか難しいですけどね。
 ということで簡単に書きましたが、この辺りのポイントが押さえられていると、少なくとも簡単に「曲が弱い」なんてことは言われにくくなるかもなぁとは思います。

 とは言えこうしたことはとにかくそれぞれが自分の価値観をベースに考えるべきものと思いますので、「言われたから対策をしなければ」ということだけではなく、「自分がどう思うのか」ということをベースに自分と対話しながら考えていろいろとトライしていくのがいいと思います。だって例えばシミズが上記のように考えているからと言って、それがあなたの考え方にジャストマッチしているわけではないでしょ? 同じように、あなたに「曲が弱い」と言った人の考え方もあなたと100%同じではないはず。ましてやその人が「こういう曲を書け」的なことを言ったとしても、あなたが本当にそれをやりたいと思わないのであればやらなくていいと思うんですよ(…なんて、相手が権力者だったりお金をくれたりする人だったりするとなかなか断りにくいとかもあるかもしれませんけどねぇw…あ、これって最近話題だったビッグモ…な事件の基本構造ですね…人間っていうのは弱いものです)。自分が共感できる部分は採用する、違うなと思う部分は無視する、それを繰り返していくといつしか自分の中にはあなた自身の価値によるものだけが残って独自の比率で混ぜ合わされ、そしてそれがあなたのオリジナルな個性になっていくということと思います。是非頑張ってください。
 そうそう、こうは書いたけど、嫌いだからと全部無視してりゃいいってことではないですよ。なんか少しでも気になったらもう少し突っ込んで確認してその対象の芯をつかまえる…その上で再度取捨選択を考える、なんてことをした方が、絶対的に引き出しは増えるはずと思いますので、その辺も少し意識してみていただければいいかもと思います。

 ということで以上、「バンドの個性を確立する(2)〜例えば曲が弱いと言われたら」でした。(3)があるかは…が…頑張ります;;;

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※ちなみに写真は表参道INTERSECT BY LEXUSのトイレの天井。
 この大量のミニカーは、なんとすべてトヨタ自動車・豊田章男会長の私物なんだそうです。
 なのでよくみると中に「とよだあきお」と子供の字で名前が書かれているクルマもありました。
 小さな頃からクルマが大好き。そしてそれが今より一層強力にクルマの、そこにつながる人の生活や文化の未来を作る人になっている。
 本当にすごいなと思います。
 そう言えば一度ここでご本人に出くわしたことがあってご挨拶させていただいたことがありましたっけ…緊張して自己紹介くらいしかできませんでしたけど。
※使用カメラ:iPhone…この時はどのiPhoneだったっけなぁ…まだiPhone5くらいの頃だったかもしれません。

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