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Logo Mark連載記事

Logo Markなにか創るとうれしくて高校野球予選における誤審〜防止策を考えなきゃダメじゃん?

紫水勇太郎・清水 豊

株式会社4DT 代表取締役
株式会社ワークス 代表取締役
Spinart運営者
YouTube「うさぎのうみちゃんねる」のおじぃ
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 あ〜なんでこう毎度毎度モヤモヤする判定によってイライラさせられるんだ? 何年こんなこと繰り返してるんだよ? この一時をもってしても高野連は無能としか思えないんだが?…とまぁ、ちょっと感情的になってしまったので書く。高校野球予選における誤審についてである。今年も市立船橋vs木更津総合、豊岡vs滝川第二、山形商vs鶴岡高専の試合のようにこれはないだろうと思える試合があった(しかも市立船橋vs木更津総合なんて地区大会決勝だし)。

 まず結論を書こう。
「高校野球の予選こそビデオ判定を導入すべきである。そして異議リクエストすることを可とすべきだ。」
 え?「ビデオ判定を導入する予算はない」って? だったら審判員の数を倍にしてでも、とにかくくだらない誤審が起こらないための予防措置を徹底すべきだ。
 「なぜ」って? そりゃ高校野球の選手たちには次がないことが多いからでしょ。特に夏の大会で3年生は、その試合に敗れればもう高校での野球は終わりということになり、その後プロに進むのか進学するのか社会人になるのか野球をやめて別の道を歩むのか…というような選択を余儀なくされることになる。下級生だって同じだ。その試合で負ければ次のチャンスはけっこう先になってしまうし、まして甲子園に出場できる可能性は年に2回しかない。3年間で6回。そのとても貴重な機会を目指して日々練習をし数多くの試合をこなしているのだ。それなのにその機会が、未熟としか思えない審判の誤審によって絶たれたとなればそんなこと納得できるはずがない。もし自分がその当事者だったらと考えると、おそらくその審判員を一生恨むだろうし、もし地元で偶然ばったり逢うなんていうことがあったら必ずそのことに言及するだろうし(つまりきっと詰め寄っちゃうってことね)、場合によっては暴力を振るってしまうかもしれない(理性ではいけないと分かっていても衝動を止められるかどうか自信ない)。いや、もっと酷いことをしてしまうかもしれない。いや、選手だけではない。その選手を真剣に応援している立場だったとしても、その真剣度が高ければ高いほどその恨みは深くなり、やはりなんらかの方法で報復したいと思ってしまうかもしれないと思えるのだ。

 そもそも審判に間違いなどあってはならないのだ。よく「審判も人間ですから」等とぬるいことを言っているのを聞くが、であれば間違う可能性のより低い他の方法にその地位を潔く譲れと言いたい。グランド内での絶対権威を振りかざして異議を認めない審判として君臨するなどもっての外だ。権威を振りかざすなら間違いなどあってはならない。
 例えば相撲の行司などは、軍配差し違えをやらかしたら腰に刺した脇差で切腹する覚悟があると言われている。まぁこの話は大正時代に言われ出したものらしく実際に切腹した行司がいたわけではないそうだが、それでも、代々立行司である木村庄之助の何代目かの方は、結びの一番で軍配差し違いを犯した際その責任を取ってすぐに辞職したということはあったようだ。つまりそのくらい自分の判断には責任を持って望んでいるし、だから力士は行司に対して一切の異議申し立てが許されないということになっている。そして相撲の場合は行司の他にも四方から審判の目があり、行司の判定をしっかりと確認しているのだ。時には行司の判定を覆すことさえある。だから力士本人が異議を言わずとも問題が起こりにくいのだと言えるだろう。それに比べて野球の審判のぬるさはなんだ?…と思う。
 それでもプロなら異議申し立てもできるし今はビデオ判定もある。しかし高校野球には選手または監督が異議申し立てをすることができない。してはいけないということになっている…らしい。にも関わらずそのスキルが低いとなれば、そんなものに尊敬心を持てるわけねぇだろって話になって当然ではないかと考える。相手が高校生だからって大人の権力を振りかざして己の間違いに対して異議申し立てさせない仕組み…まるで戦前の軍隊ではないか。いや、学校で教師が生徒を都合よく統治するための仕組みとまるで同じではないか(今は変わっているかもしれないが自分が子供の頃の教師そういう教師が多かった…今でも思い出すとムカつく)。

 だから思うのだ。誤審が起こりがちなレベルのスキルしか持っていないのであれば…持ち得ないのであれば、それを防止するための方策を実施すべきだと。冒頭に書いた通り、ビデオ判定を導入し、異議リクエストが可能になる仕組みを設けるべきだ。また、それが不可能なのだとすれば、審判員を増員させ、より多くの目によってその判定を行うべきだ。
 「増員なんてどうするんだ」って?…例えば、まずこれまで同様の配置に4人。加えて、1塁と3塁のコーチャーズボックス付近に1人ずつ、2塁の従来審判の反対位置に1人(つまり2塁ベースを挟む形でセカンド後方、ショート後方に1人ずつという感じ)…という計3人を増員。1、3塁にいる各2人の審判はそれぞれファウル判定も行い(これは今でも同じだがそれぞれ2人が見ていることになる)、2塁上の2人は投球のストライク・ボール判定も一緒に行うようにすればいい。そしてそれぞれ複数の審判で判定が割れた際には、審判同士で協議して判定の統一見解を出せばいい。さらにその上で選手からの異議申し立てを許可するのだ。異議が上がればそれぞれ担当の複数審判が協議すればいい。え?「試合時間が長くなる」?…そんなことより間違った判定を減らすことのほうが重要だろうが! もし試合時間を短くしたいとか、審判員が増えることによる人件費の増大を抑えたいとか思うなら、審判員のスキルを飛躍的に上げ、誤審が起こらないように対策して見せよと言いたい。できないでしょ? できないから毎度毎度誤審が問題になるんでしょ? だったらある程度のことに目を瞑ってでも誤審が起こらない方策を取るのが重要でしょうが。選手本人やそれを支える家族たちの努力をなんだと思ってるんだと思うよホントに。

 あ、そうそう、当然に、もし誤審したことが明らかになった場合は、その誤審をバツポイント的に積算し、ある一定のポイントが貯まったら、審判員の審判員資格を停止するとか剥奪するとか、場合によっては謝罪行脚するとか罰金を課すなどの制裁措置があった方がいい。「厳しすぎる」って? いやいや、これまでグランド内での絶対権力を欲しいままにしてきたんだから逆にその権力者が間違いを冒したならそれ相応の罰が下されて当然でしょ。そうだな…ただ罰則だけを厳しくすると判定を萎縮させる可能性があるから、その場で素直に自分の誤審を認めた場合はお咎めなしになるとかの救済措置は盛り込んでおいた方がいいだろうな。そうすれば今のように、自分の誤審をゴリ押すようなアホな審判はだいぶ減るだろうと思うから。だいたい誤審しなければいいのだし、もしやらかしたとしても「やってもた!」と思ったらすぐに自分で訂正すればいいではないか。今はそれがないことでモヤモヤが増大するのだと思えるもの。

「そんなことをしたら審判員をやる人がいなくなる」?
 まぁ、こういった責任の重さを背負いたくないなら審判なんてやるべきじゃないだろうからやる人がいなくなるというならそれでもいいんじゃね?…とは思いますなぁ…。
 そもそもね、現行制度のような日当3,000円+交通費(…ネットで調べたら出てきたんだけど…安っ!)のようなボランティア扱いでこれほどの重責を担ってもらってることに問題があると思うのよ。
 え?「そんなにお金を払うことができない」って? そうなの? じゃあちょっと見てみようかな。
 公益財団法人日本高等学校野球連盟…通称高野連のWebサイトに掲載されている2024年度(令和6年度)収支予算書を見てみます。まず収益総額は2024年度予算で約16億0500万円。それに対する支出総額は約14億1000万円。つまり現状のままでも約1億9500万円の利益が出ることになる…お〜、公益財団法人なのにけっこう利益が出てるのね。
 次に支出の中でなににお金がかかっているのかを見ると、多い順に、支払負担金約2億2600万円、業務委託費約1億9400万円、支払寄付金約1億7700万円、販売手数料約1億4500万円、支払助成金約1億1200万円…あたりがベスト5か。科目だけ見てるとどんなことにこんなお金がかかっているのかはちょっと分かりにくけどね。
 対して事業費内の給与手当約5630万円と臨時雇賃金約1540万円、販管費内の給与手当約1120万円を合わせても約8300万円にしかならず、しかも今期は臨時雇賃金が約1000万円減額したと記載されている。おそらく審判員の人件費はこの臨時雇賃金に当たるだろうから、つまり費用全体の中ではもちろん、人件費全体の中でもなかなか小さい比率の金額ということと感じる。
 つまり高野連は、試合において重要であるはずの、かつ絶対権限を与えている審判員に対して、この程度の価値しか比重を置いていないということなんだろうなぁと感じるわけだ。支払科目の上位を見ても、それらに対して審判員への報酬予算がいかに低く考えられているのかを感じてしまう。フェアであるべき試合を司る重要人材に対してこの処遇っておかしくないか?
 だからね、簡単に言えば、やる人がいなくなる心配をする前に、やりたい人がもっと出てきて、自らそのスキルをアップさせようと考える人がもっと出てくるような報酬制度や評価制度を作るべきなんじゃないの?…なんて思うんですがいかがでしょ? だいたいボランティアじゃ審判のスキルアップを義務化することもできないでしょうに。ちゃんとそういうことを管理できるようにするためにも、それに見合った報酬は必須だと思いますがいかがでしょうねぇ。この収支予算書を見た感じ、利益もあるし、それ以外あちこちの支出内容を見直せば、報酬増額は絶対に無理ということではないように思うけど?

 まぁ、こんなことを言ったところで、こうした抜本的な改革案が実施される確率なんて超絶低いのも分かってるし、その世界に既得権益を持つ連中が抵抗勢力となって大反対するだろうことも目に見えるようだから、どうせちゃんとした対策なんてされないだろうとは思うけど、毎度毎度あまりに多いので腹が立って仕方がないので書いてみた。

 そうそうもう一つ。
 誤審が起こった際…例えばだけど2塁ベース上におけるクロスプレーでテレビ等ではどう見てもアウトなのにセーフの判定がされたりする場合、そのセーフにされて利益を得た側のチームって、なんで正直に「いや…今のはアウトかもしれませんよ」的なことを言わないんだろうといつも疑問を感じる。大抵の場合「やったラッキー!」みたいな対応をすることに違和感を感じてならない。
 もちろんプレーしている本人はどちらか分からないこともあるとは思うのだが、少なくとも両チームのベンチからは多くの目が見ているし、コーチャーズボックスからも見ている。観客だって見ているのだ。それであれば毎回必ずではないとしても、その判定が間違っていたことに気づくことはあるだろうにと思う(だからこんなに誤審が動画として残ってるんだろうしね)。
 にも関わらず、自分達に不利な判定だった場合には不満を露わにするくせに有利な判定だったら「ラッキー!」って…おかしいだろ? もちろん審判が誤審したことが悪いのだから後ろめたさなど微塵もないのかもしれないけれど、そんな奴らがどの口で「フェアプレー」等と言うのかと思ってしまう。
 これは明らかに監督が悪い。大人がそういうことをしていいとその行動で示してしまっているのだ。愚かすぎる。そんなことでまだ高校生のガキどもに正しい考えが育つはずがないだろう。むしろ「ズルしてもバレなきゃいい」と教えているようなものではないか。そりゃ甲子園に出られればその学校にとっての宣伝効果は絶大で、また、勝つことによって得られる喜びも大きいこととは思うが、しかしそれよりも大切なことがあるはずだと思える。つまり、審判も間違ったなら間違いましたと素直に認めて詫びればいいし、その間違いによって利益を得た側も、それは正当な利益ではないので返上するという姿勢を見せていけばいいのだ。そうすることで本当の「フェア」な状態が生まれる。その上で真に技量や作戦的頭脳を競い合えばいいではないか。
 つまり誤審とは、そうした真の野球の面白さを著しく毀損する大きなノイズでしかないと思うのである…とまぁここまで高校野球をネタに書いてきたけどさ、今回のパリ五輪もいろいろあったみたいだねぇ…東京以来五輪開催そのものについては盛大にモヤついているので実は一つも見てないんだけどさ。まぁとにかくああいうニュースを見ていてもなにかしらフェアじゃないことが起こってるんだろうなと思うんですなぁ…いやだいやだ。

※ちなみに写真は栃木県那須町のシンボル那須連山で見られた特徴的な雲の写真。
地震雲だとかいろいろ言われましたが、幸いこの写真を撮った後に大きな地震はありませんでした。
それにしてもこういう雲はどういうメカニズムで発生するんでしょうねぇ。
※使用カメラ&レンズ:Canon EOS 50D + Sigma 10-20mm F4-5.6 EX DC HSM / EX DC

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