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Logo MarkSpinart Research曲を書くみなさん、作曲の際のとっかかりはどんな方法?

スピナート調査部

あらゆるジャンルの表現者・アーティストと出逢えるサイト「Spinart(スピナート)」が、アーティストのみなさんの、ちょっと普段はなかなか聞けない内容についてアンケート調査する。それがこの「調査...

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SpinartのX(元Twitter)アカウントで実施するアンケート企画。
今回のお題はこちら。
「曲を書くみなさん、作曲の際のとっかかりはどんな方法?」
(アンケート期間:2024年8月18日〜8月24日)
こちらの結果についてレポートさせていただきます!


まず結果発表

4つの選択肢の順位・割合はこちら。
1位:鼻歌を歌って考える…40.0% 2位:コードを弾きながら考える…33.3% 3位:ひたすら頭の中でイメージする…20.0% 4位:既存の曲からヒントを得る…6.7% ※その他の意見なし。
※総回答数15票。
※インプレッション837。


この結果から見た考察

 「鼻歌」が1位だったか〜というのは、結果を見て少しウケちゃった点。同時に、そういえば以前インタヴューさせていただいたLINXのMiwaさんもそんな感じで作り始めるって言ってたっけなぁと思い出しました。
 この方法、おそらくキャッチーなメロディーを生み出すためにはとても効果があるんじゃないかと思うんです。例えば楽器を弾きながらメロディーを生み出そうとすると、楽器側でちょっと厄介なコード進行なりモード的なものを弾くと、メロディー側にもそれが影響して、普通にはちょっと歌いにくいような音階になったりするかもしれませんが、鼻歌の場合、つまりはアカペラ状態で、頭に浮かんだモノが出てくることになるので、比較的素直と言うか誰にでも想像可能だったり歌いやすいモノが出てきやすくなるのかななんて思います。
 逆に心配な点はやはり、その人の得意パターンから抜け出しにくくなるかもなぁなんて思えること。いわゆる「〇〇節」と言いますか、この流れの音階できたら次はこう動くなんていうクセのようなものを持っている方はとても多くて(これは歌うたいだけではなくて他の楽器でもよくありますよね)、どうしてもそのパターンにハマってしまって、出てくるメロディーがちょっとマンネリ化しやすいなんてことがあるかもしれません。
 まぁこれは本当にいろいろな音楽を聞いたり自分で試したりしてみて、自分の中の引き出しを増やすのが一番いいかなとは思いますが、おそらく鼻歌だけでこの状態を打開するのは、けっこう難しいかもしれないなぁなんて…少なくとも自分にはできないかもなんて思ってみたり。
 でもやはり曲作りというのはイマジネーションの世界ですから、鼻歌のように、言わば自分の脳内との会話のような手法が、一番自然なのかもしれないなとも思いますねぇ。
 そう言えば昔観た「アマデウス」や「不滅の恋/ベートーヴェン」といった映画の中でも、モーツァルトやベートーヴェンは鼻歌まじりにほぼ頭の中で複雑な曲を書いたりしていたなぁ…。モーツァルトやベートーヴェンの曲に、口で歌えちゃうようなキャッチーなメロディーが多いのも、そういった作曲方法の賜物なのかもしれませんね。

 そう考えると3位の「ひたすら頭の中でイメージする」も鼻歌と近い思考方法なのかもなぁ。鼻歌のように声に出して具現化することせず、黙して頭の中でいろいろな音を鳴らしまくってみるというような感じですかね。そう言えば坂本龍一さんも、「楽譜に向かったときにはもう頭の中で完成している」なんて言っていたような記憶があります…おぼろげですが…でもこれってきっと頭の中で鳴りまくったた〜くさんの音をちゃんと整理もできてるし、またちゃんと忘れずにいられるってことですよね。それもすごいなぁ…。自分なんて運良くなにか思いついたとしても、すぐになにかに記録しないとすぐ忘れちゃいますもん。今はスマホがあるのですぐに鼻歌で録音したりできますけど(あ、てことは自分は鼻歌派なのかもw)、昔はせいぜいノートにメモくらいしかできませんでしたから、あわてて五線を引いて音符書いたりしてましたもんねぇ…しかもかなりでたらめに…だって絶対音感とかあるわけじゃないので。
 それにやはり自分の中にあるものから作っていくという意味では鼻歌とも同じと思いますから、やはり引き出しは必要でしょうねぇ。そういった意味でもなかなか高度な手法と言えるかもしれません。

 その点「コードを弾きながら考える」はもう少しハードルが低いかもしれません。ギターやピアノのような楽器をなんとなく弾きながらその上に歌メロや他パートを重ねていくことを想像していく。既に自分が知っているコードや進行を弾いていきながらいろいろなメロディーを試すこともできると思いますし、自分がちょっと使ったことのないコードや進行を使ってみたりすると、比較的容易に新しいアプローチにリーチすることもできるかと思います。
 同時に、そうやって作りながら新しい理論や手法を学んでいくなんていうこともできると思いますので、自分の引き出しを増やしていくためにも有効な方法ですね。

 そういった意味では「既存の曲からヒントを得る」も同じかもしれませんね。「これかっこいいな!」と思う曲があって、その曲の構造がよく分からないなんていうことがあったら、それを分析して自分の曲に取り入れてみるなんて感じですよね。例えばコードを拾って同じコードと進行で作ったとしても、リズムやメロディーを変えるとだいぶ違う曲に仕上げることはできますもんね。その曲の特徴的なフレーズの一部だけを参考にアレンジしても作りはじめの種としてはとても面白いと思います。
 またこれも、自分の引き出しを増やすための方法としてもとても有効ですよね。自分がなんでその曲をいいと思ったのか、その曲のどこをいいと思ったのか、そしてそれはどのように作られているのか、なんてことを考えて分析していくと、自分がいいと思う際に重要な要素にも気づくことができたりして、そうするとその後、その手法をさらにバラして別の曲の中で応用することができたりするかもしれませんもんね。


 とまぁこんな感じかと思いますが、きっとみなさん、こういったいろいろな手法を混ぜながらいろいろ使って作ってらっしゃるんでしょうねぇ。自分的には、とりあえず「こんな感じかな?」という感じで選択肢を設けましたが、他にもおそらく、自分が想像できていないような面白い手法があるんじゃないかななんてことも思ってます。もし自分はもっと違うやり方で曲作りしているという方がいらっしゃいましたら、是非是非お教えいただければと思います。そうした情報を共有することで、多くのみなさんの作曲手法に新しい側面を加えることができて、さらにそうしたことが刺激になって、さらに素晴らしい作品が生み出されていけばいいなと思います。
 ということで次回もお楽しみにどうぞ。

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