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はじめまして。花巻かおりです。

私は小説家だからかも知れないが、「アート」という言葉の響きがどうもキライだ。
アートってなんだ、「芸術」ではいけないのか、芸術とは違うものなのか? と小説家は考えてしまう。
「アート」に関係する多くの方と出会い「アート」に関係するお仕事もさせていただいてきたが、未だに「アート」と言う言葉がしっくりきていない。私はもともと漫画家を目指していたくらいだからそもそもアートというものに馴染みにくかったのかも知れないが、現代アートと呼ばれるものに「本物」を見いだす経験が少なかったからというのもあるかも知れない。私を気持ちよくしてくれる作品にはなかなか出会えないのだ。
その点「芸術」という言葉ならしっくりくるし、古典的な「芸術」と呼ばれる作品たちは私の創作に実に心地よく、良きインスピレーションを与えてくれる。

そんな抵抗感たっぷりの私の心を「アート」に結びつけてくれたのは、美術家であり演奏家でもある白砂勝敏さんとの出会いだった。彼の人柄や仕事のやり方、生活スタイルは私に親近感を覚えさせ、彼の作品には不思議な安心感を持って接することができたのだ。
実際、彼の作品からは私の感性に近いものを感じた。自然界とアートを組み合わせている彼の姿は、私にとって他人事ではなかった。私も造園や農業の経験があるせいで余計にそう思えたのかも知れない。彼は私にとって理解者の一人となった。私は彼の作品よりも先に彼自身と出会えたことで、人からアートに結びつくことができたのだろう。白砂さんとの出会いは、私が「アート」を自分の人生に迎え入れるはじめの一歩となった。

ちょうどその頃、私は自分の芸術表現の手段として「文学小説」という形式にこだわることに疑問を感じ始めていた。集英社主催のすばる文学賞でデビューしたため、当初の担当者が厳格であったこともあり「私は文学作家でなければならない」と勝手に思い込んでいた。しかし考えてみれば、文学賞以前にエッセイや詩でも賞を頂いていたし、自分の仕事を文学小説だけに限る必要は何もないはず。そんな思いからか、写真家の方の作品に散文詩を添えたり、演劇公演の原作を担当したりと私の活動の幅は徐々に広がってきていた。ことに2021年に生まれた新しい芸術表現MobileTheatre(回遊型体験演劇)への参加は、小説家としての自分の創作意識を大きく改革する転機となった。

今は自分自身が新しくなるような気分で、演劇の原作・原案、散文詩、エッセイ、占星術の研究やそれを使ったカウンセリング、You Tubeでの配信など、形式やジャンルにこだわらない活動を日々行っている。こうした活動は私に様々なアーティストとのコラボレーションをもたらし、一人で小説を書き上げるときには得られない特別な感覚を与えてくれている。人や物、場所、自然…自分が何かと同調したときの一体感はかえがたい幸福感を私にもたらせてくれるのだ。思えば幼少の頃から劣悪な環境に耐えて生きてきた自分を慰め、救ってきてくれたのはこの何かとの同調による一体感だった。

水の中を自由に泳ぎ回る魚の群れのように、とらわれず一体となって作品を創り出して行く。私は今、その活動の場として「アート」というものを自分の中に迎え入れている。

☆小説の執筆以外にも、映画・演劇・朗読劇等の原作原案、アート作品を言葉に表現する散文詩、エッセイ等広くご依頼をお待ちしております。
☆MobileTheatre(回遊型体験演劇)の上演依頼についても製作委員会にご紹介が可能ですので、ご興味ありましたらお気軽にご相談下さい。(MobileTheatreの詳細は作品紹介をご参照下さい。)
☆創作活動と並行して占星術・タロットカードを用いたリーディングカウンセリングも受け付けています。誕生時のホロスコープを解読し、太陽星座〜冥王星星座まで詳細な分析を行った上で英国スピリチュアリズムに即した安全なリーディングを行っています。

何かピンときた方、興味を持たれた方はお気軽にご連絡下さい。
よろしくお願い申し上げますm(_ _)m


花巻かおり
静岡市在住の小説家。
2008年、「赤い傘」で第32回集英社すばる文学賞佳作を受賞のを皮切りに、演劇や朗読劇の原作や演出、ミニFM電波を使ったまったく新しい上演形式である「Mobile Theatre 回遊型体験演劇」の原作・原案等も担当。
深いテーマ性を持つ独特の世界観が高い評価を得ている。

花巻かおりさんの詳細はこちら。
アーティスト紹介・花巻かおり

文中に登場する白砂勝敏さんの詳細はこちら。
アーティスト紹介・白砂勝敏

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