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Logo Mark田舎暮らししながら世界に向かって音楽を配信しつづける人の話始動

eastern bloom 小島美紀&崇

小島美紀

eastern bloom ボーカル
岡山県出身。ミュージカル俳優を目指して上京した後、ボーカリス...

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美紀:こんにちは。イースタンブルームです。始まりましたよ連載。…しかし、「世界」って!

崇:まあ、嘘じゃないから。i-Tunesで配信してるから。

美紀:そういうこと…。まあ、いいや。で、何から話す?
ロリーナ・マケニットの音楽に魅せられて、四ツ谷か信濃町にある民族楽器資料館みたいなところに楽器を調べに行った辺りからかな?

崇:懐かしいなー。また行ってみたい。一体どの音がどの楽器なのかも全く分からなかったから。二人とも民族音楽なんて、それまで聴いてこなかったからね。

美紀:そう。そこで色んな楽器があって、どんな音がするのか教えてくれるボタンがあって、片っ端から押していったんだよね。

崇:それで気になった楽器を使おうって。すごく白い目で見られた気がする。

美紀:それで選んだのが。

崇:シタール、ブズーキでした。ブズーキ(ギリシャ)は大手の楽器屋さんで売ってて、数万円で衝動買いしたんだけど、当時、ネットとかあまり無いから、弾き方とか分からなくて困ってるうちに、数か月でネックが反ってしまいました。

崇:で、吉祥寺に民族楽器の教室があるのが分かって、そこで販売もあるのを知って、そこに何回か通ってシタールを買いました。20万円持って行って、「これくれ」って言ったら、「初心者には売らない」と丁重に断られました。で、代わりに初心者用のを買って帰りました。それももう壊れましたが…。

美紀:はあ…。

崇:レッスンもありましたが、レッスンは2〜3回しか持ちませんでした。

美紀:忍耐力ないね。

崇:スミマセン。で、その時に、民族楽器は民芸品レベルのものと、演奏用のものがあるのを教えてもらいました。

美紀:まあ、弾き方がちょっとわかって良かったんじゃない。

崇:そう。「カピバランド」で使いましたな。
で、さらにあちこち楽器屋を暫く転々と見ていて、たまたま新大久保でブズーキを見つけたんです。

美紀:これ長持ちしてるよね〜

崇:いや、一回ネックへし折ってるけどね。これが、アイリッシュブズーキだったんです。後で知ったんだけど。結果としてこれで正解でした。ホント分かんなかった、民族楽器。

美紀:「ミステリアスケルト入門」て本とか参考にしたんだよね。アイリッシュハープの坂上さんとか出てくるやつ。「ミステリアス中東入門」とかも。

崇:なんでその時、ケルト音楽の今で言う一般的なところの「ジグ」とか「リール」とかそういう世界に走らなかったんだろうね。

美紀:ロリーナが入口だからじゃない?この時ケルトっていう意識なかったかも。

崇:それはある。あと、みんながやってることをやるのが苦手なのもある。もしくは、メル・ギブソンの「ブレイブハート」でケルトを知ったからかもね。ケルトの持つちょっとしたダークファンタジーっぽい雰囲気に、なんか引き寄せられた感じ。好きなんだよこの映画。ソフィー・マルソーが「ベストオブ・ソフィー・マルソー」って位美しいんだよ。(以下省略)

美紀:はい…。

崇:ケルトの伝統音楽が好きになるのはもうちょっと先の話。先にビジュアルだったなぁ。…でも、こうしてみると、確かに初めは全くケルトにこだわってなかったね。今でもあんまりこだわってないか…。

美紀:そう。拘ってないかも。だから、ケルティックとかアイリッシュとかのイベントに出るときはちょっとドキドキする。

崇:俺たちでいいのか?って。で、ちなみに、アイリッシュブズーキは最初は普通のチューニングで練習してたんだけど、指が短い人なので全く押さえられないんだよ。なので、買った時のチューニングで練習したの。それで今に至るのです。

美紀:なるほど。で、楽器が分かったところで、曲を作ってみようということになった。

崇:実はこの時、2人ともまともに曲を作ったことなかった。まあ、未だに曲は素人に毛が生えたレベルですな。

美紀:だけど、なかなか曲が出来なくて、イメージを膨らませるために話を作ることにしたんだよね。

崇:「お話を創れば詞ができるんじゃないか」と急に言い出した。安易な考えだなぁと最初は思ったよ。

美紀:失礼な。で、お話を2人で作って、それに沿って曲作って、歌詞を作っていった。

崇:歌詞が英語なんだよ。

美紀:英語がペラペラなわけでもないのに。

崇:未だに日本語で歌えとよく言われるんだけど。単純に日本語の歌が上手じゃなかったんだよ。英語の方が上手かった。よく考えるとそれだけだよ。

美紀:実は世界進出を目論んでいたというわけではない。

崇:本当はどうなんですか?

美紀:…はい。次行きましょう。で、東京の東村山の小さいマンションの一室で音源を作り始めたんだよね。六畳一間に、パソコンデスク、ピアノ、エレピ、シンセ、ギター類等々でギューギューだったね。

崇:「ボトムズ」のコックピットみたいだった。それで、どうやって録音しようかっていう話になって。ハードディスクレコーダーっていうのが一般的だったけど、そこは皆がやってることは苦手な癖がでた。パソコンの仕事をしていたので、パソコンでやるかということになったのです。お供はその時友達がくれたIBM Think Pad TP240ってパソコンで、メモリーは192Mとかだったと思う。Windows98 SE。今考えるとすごい小っさ!

美紀:そういえば、当時はノートパソコンだったんだよね。

崇:家で録音できるか分からなくて、ノートパソコンにしたんだけど。当時はノートパソコンで音源を作ってる人は殆どいなくて、情報が無かった。なので、当時でき始めてたパソコン屋兼楽器屋みたいなお店にあちこち行ってみて、ノートパソコンで録音可能な機材を探し当てた! EGO-SYS U2Aっていうデバイス。当時普及し始めた「USB」っていう画期的な小型デバイスで繋ぐのです! そして、ソフトウェアはCUBASE VST5。信頼性はこれしかなかった。これのドングルがプリンターポートに繋げるタイプ。でかいんだよー。音楽ソフト=β版(販売前のことを意味する)と揶揄されてました。当時の音楽ソフトは全て不安定でした。

美紀:ふ〜ん…。しかし、あの頃は足使いましたな〜。今は便利になったよね〜。

崇:ネットで調べて、Amazonで購入だから。

美紀:こうして見ると、東京に居たから始められた感じだね。ということで、今回はこの辺にしておきますか。

崇:楽器とパソコンの話で終わっちゃったね。次は実際の録音の話でもしますか?

美紀:そうだね。では、また次回。

EGOSYS WaveTerminal U2A

USB1.1 でPCと接続。24bit D/A、A/Dコンバータ 搭載。サンプリングレートはMAX 48kHz。
アナログ入出力(PHONE端子)、デジタル入出力(同軸・光)に対応している。
10cm四方くらいの大きさ。とにかく小さくて軽い。ASIO ドライバーに対応してて、CUBASE環境でもそこそこ安定していた。
当時、楽器→マイク→ハードディスクレコーダー(アンプシミュレーターとして)→ U2A→PCと接続して録音に使用。

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