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Logo Mark田舎暮らししながら世界に向かって音楽を配信しつづける人の話再始(その2)

eastern bloom 小島美紀&崇

小島美紀

eastern bloom ボーカル
岡山県出身。ミュージカル俳優を目指して上京した後、ボーカリス...

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崇:はい。で、前回は人を励ますことができるミュージシャンを志して切磋琢磨していた美紀ちゃんに今回の「コロナ鍋」でどんな心境の変化がおきたのかという話ですね。まあみなさんそれぞれ心境の変化はあると思いますけど。

美紀:「鍋」になってますよ。

崇:うふ。

美紀:どちらかというと「コロナ禍」で心境の変化に気付いたという感じですね。

崇:ほほう。今後のストーリー展開におけるエンディングを先に言う感じですか?

美紀:そりゃどうかな。

崇:まあ、しかしイースタン・ブルームとしてはほぼ活動休止状態ですよね。演奏の依頼もほほ無いし(今のところ、コロナ禍後、1件)。

美紀:うん。

崇:ネット上でライブ配信とかしないんですか? やっぱりまだ"そういうのやった所で誰も喜ばない”と思ってるんですか?

美紀:それはそうなんだけど。そういうパパこそやる気ないでしょ?

崇:ソンナコトハナイヨ(なぜかロボット調)。

美紀:他の人がやっているのを見て自分たちもやったほうがいいのかなと一瞬思ったんだけど、なんとかして自分たちの音楽を届けたいなんて全然思えなくて。

崇:なくて?

美紀:事務的に「他の人もやっているから自分たちもやったほうがいいのかな」と思ったっていうくらいのものだったんだよね。

崇:こころざし低いー。ちなみにうちの機材のレベルでもできないことは無いよ。

美紀:以前の私ならこういう時こそ人を励ましたりできるミュージシャンでありたいとおもったはず、震災、いやつい最近まで思ってた。

崇:多くミュージシャンはそうだと思うし、何も悪くない感情だとおもうけど。普通っていうか。

美紀:私の場合は違ってたんです。

崇:違ってた?

美紀:あのね。私の場合は"人を励ましたい"のではなく、"励ますことが出来るミュージシャン"になりたいだけだったの。

崇:おお。そういうことに気がついてしまったわけですね。

美紀:うん。これー、ちょうど一年半くらい前、自分の活動の意義を考える機会が増えてきて。

崇:何のために活動しているのか? 何のために歌っているのか? ということですかね。何でも探り探りだったからね。

美紀:うん。そういうのをしばらく考えてて、ときどき虚しさとか感じたりしてたじゃない?

崇:はい。

美紀:その頃、近くのキリスト教会に通うようになったりしたんだよね。

崇:うん。

美紀:そこで、いろんな事に気付かされたんだけど、その一つに「自分は"何者か"にならなくてはならない」って思っていることに気がついちゃったんだよね。

崇:"何者か"になる必要は無いと。

美紀:そう。それがすごく大きくてね。

崇:うん。

美紀:音楽活動とかチャリティーとか、いつの間にか自分が"何者か"になるためのツールにしようとしてた。

崇:重いね。今回の話。

美紀:当然、純粋に音楽活動をしてたり、純粋に人助けしている人たちがほとんどなんだけど、私の場合はそうではないということに気がついちゃったので、こんな気持ちでは配信とかできなくて。

崇:あらまあ。

美紀:この1年くらい方向性がちゃんと定まらないままズルズルと活動を続けてきちゃったんだけど、この「コロナ禍」でパタッと何も無くなっちゃったじゃない?

崇:はい。

美紀:無くなっちゃって、配信もできないもんだから、ちょうど良い考える時間になったよね。

崇:まあ今まで音楽活動でほったらかしてた家の壁塗りなんかで忙しかったけど。確かにいろいろ振り返る時間が確保されたかもね。いろいろ見直すのにこんなチャンスは無い。

美紀:うん。

崇:私もすぐに配信とかやろうと思わなかったね。自分の場合、演奏家ではないから演奏テクニックとかで聴かせることができないし。ネットで聴くならもっと上手い人の演奏をききたいもの。まあでも、もう引退しますって訳ではないんでしょ。

美紀:うん。みんな神様から賜物というものが与られてて、それは私の場合、歌だと思うからこれを活かしていかなきゃねーとおもってる。

崇:ほう。

美紀:その賜物を自己顕示欲のために使ってしまっていたかなって。

崇:音楽で身を立てるってのは、自分の演奏なり曲なりを世間に提供してゆくわけで、そこにはマーケティングだの、ブランド戦略だのが必要で、その根本は少なからず己をどう見せるかというプランが必要で、自己顕示欲的なものは秘めているとおもうんだけど。

美紀:うん。

崇:要は、その自己顕示欲とか自我を完全に捨て去って、歌うよ。ということでしょうか?

美紀:はい。それを目指していきたい。

崇:ほほう。昔、YMO(イエローマジックオーケストラ)がシンセサイザーで打ち込みを作るときに、機械的な"グルーブしないリズム"を追求したってのがあったね。

美紀:はい。

崇:リズムってのは普通"グルーブ"(うねりというか心地よいリズムとか)してナンボなんだよね。それを根本から逆のことをやるという。なんかその感覚に似てる。理解する人は少ないと思うし、すごい大変なことだと思うよ。

美紀:はい、それは全くもって簡単なことじゃないけど。

崇:はい。

美紀:それも含めて自分だけの力でいろいろ何とかしようと思うのをやめます。

崇:ほほう。

美紀:がむしゃらに自分の音楽を追求するというもやめます。

崇:あ、なんか選挙演説みたいになってきた。

美紀:神様に委ねます。

崇:はい。委ねましょう。

美紀:だから新たなスタートなのだよ。

崇:いいんじゃない。

美紀:いろいろなミスもあったけど、震災後からコロナ禍までの10年はなかなか面白い年月で、この頃に積んだ経験はここからの活動に大いに活かされていくと思うの。大切な出会いもたくさんあったよね。

崇:はい。

美紀:なので次回からやはり震災後からの10年弱の道のりを語っていこうかなとおもいます。

崇:はい。

美紀:で、どうでしょうか?

崇:異議なーし。猫を飼う話とかねー。

美紀:猫の話かい!

崇:パトカーに乗った話とか。

美紀:え? じゃあ、私はガス屋のバイトの話を。

崇:いろいろありそうですな。

美紀:満載だよ。

崇:あ、ちなみに私の場合、今回の「コロナ鍋」でですね、

美紀:はいはい。「禍」ね。

崇:ここぞとばかりにのんびりさせていただいております。

美紀:へえ。

崇:越してきてから全然こういうチャンスなかったんで。田舎生活をやっと満喫したりしてます。先日なんか庭に野ウサギが居るのが見れて感動したね。

美紀:悪いことばかりじゃないね。

崇:そのせいもありますが、ニューアルバムほっといてすみません。タイトルは決まっています。

美紀:あそう。

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