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Logo Mark田舎暮らししながら世界に向かって音楽を配信しつづける人の話芋づる式

eastern bloom 小島美紀&崇

小島美紀

eastern bloom ボーカル
岡山県出身。ミュージカル俳優を目指して上京した後、ボーカリス...

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崇:はい。引き続き那須に引っ越して来てからの話ですが…。

美紀:前々回に震災の話を少ししたんだけど、よくよく考えると、私は震災前からぼちぼち動き出してたんだよね。

崇:そうだったね。私はそんな余裕全くありませんでしたが…。

美紀:子供の通う小学校で、そこのお母さんの一人に誘われて、子供に読み聞かせなんかをやるボランティアに参加したんだよね。

崇:うん。

美紀:それで、読み聞かせスペシャル!ということで、人形劇をやることになり…。

崇:それは、ママさんコーラスならぬ、ママさん人形劇ですかね? いやちょっと待て! 今ママさんなんとかって、絶滅してない?

美紀:(無視)まあ、そうそう。人形も、絵本「3びきのやぎのがらがらどん」を基に台本も手作り。音楽はどこからか持ってくる予定だったけど、なぜか、「私作る!」と言ってしまった…。しかも北欧チックなのとか…。

崇:共働きが増えたんだなぁ…。

美紀:パパ、戻ってきて。

崇:ヘイヘイ。で、私も作るって言っちゃうところが、なんなんすかね? アーティスト魂なの? 東村山時代に「浦島太郎」の人形劇をしたときに、人形とセットになってた曲が好みでなくて自分で作ったことがあったような。

美紀:ああ、そんな感じ? しかし、北欧の音楽って言っちゃったけど、それから調べると北欧の音楽が掴みどころが無くて、本当に困った。で、結局それっぽい気分で解りやすい曲を作った。

崇:北欧の音楽って、ほんと掴みどころが難しくて、5年は啓蒙活動やらないと演奏できないと思う。何曲作ったっけ? 1曲だけ作った記憶がある。

美紀:4曲。パパ1曲っていうか、0.5曲。で、メンバーにピアニストがいて、ピアノ伴奏つけてくれたんだよね。

崇:細かいことよく覚えてますね…。

美紀:というか、この時パパは参加してないんだよ。しかも、私の担当はパーカッション! 今じゃ考えられない!

崇:まあ、離婚危機だったっけ?!

美紀:それはないけど。この時の全て手作りの人形劇が評判となり、その後毎年、那須町の3つの小学校の図書ボランティアが合同で音楽人形劇を作って小学校を回るようになったんだよね~。

崇:「がらがらどん」からだっけ?

美紀:そう。それから参加者が増えていった。出演依頼とかも来るようになって。

崇:なんか、予想してたのと違ってたんだよ。紙芝居とかのレベルかなとか思ったら、照明、大道具、小道具、舞台装置とかあって、プロたちの雰囲気があって。

美紀:色んなアーティストのお母さんたちがたまたま集まってたからね。毎年人形とかも手作りでね。

崇:足りないものは劇場だけだと思ったね。

美紀:毎年枠にとらわれず、色んな形に挑戦してたね。音楽も生演奏だしね。それぞれの得意分野を活かしあって一つのものを作り上げていくかんじ。楽しかったね~。翌年からはパパも参加したんだよね。

崇:翌年からか…。秘密兵器として温存されてたわけですね。

美紀:(無視)仕事が忙しくなって、今は私たちは参加してないんだけどね。でも、ここで大事な出会いがあったのよ。この時の心優しきピアニスト真笛さん! この年小学校から学校で歌って欲しいという依頼があったんだけど、パパは乗り気でなく…。真笛さんに一緒にやろうとお願いしてね。

崇:パパは新しい環境に慣れるのにいっぱいいっぱいだったから…。無理だったっす。

美紀:まあ、久々に人前でちゃんと歌ったんだよね。

崇:何歌ったの?

美紀:主にクリスマスキャロル。これがその後真笛さんと共にスタートするクリスマスコンサートのきっかけになったわけだ。真笛さんにはほんと感謝だよ!!

崇:真笛さん、ありがとうございました。

美紀:この頃、私は音楽活動やりたくてもできなくて、うずうずしてたんだよね。

崇:イライラでしょ。

美紀:活動を始めるべく、一緒にやってくれる人も密かに探してた。

崇:ほほう(他人事)。

美紀:で、ある日幼稚園のママ友と一緒に「籠」という多国籍料理?のレストランにランチに行ったとき、そこの店主が顔が広いというので、「誰かこの辺でパーカッションの人知りませんか?」と店主に聞いてみた。

崇:あー!籠ねー! ソーキソバか何かを1回だけ食べたなー。うまかったなー。

美紀:そこで「この辺で1番上手い」ということで紹介されたのが今でもお世話になっている“イノサン”こと、井ノ浦英雄さん!

崇:いきなり一番うまい人を紹介しろって、強気だよねー。

美紀:いや、「一番上手い人を紹介しろ」とか言ってないし。でも、紹介されてみて「え、うちらなんかにいいの??」って思ったよね。

崇:思った。

美紀:で、 UNICOってところで元ゼルダのサヨコナオトラさんのライブがあり、イノサンが参加するのでそこで紹介してもらえることになったんです。

崇:あーそれは覚えてる! ただ、わたしはまだ全然やる気になってないので、ただなんとなく付いて行った。

美紀:私はやる気まんまん! でも、ドキドキ。

崇:いや”ゼルダの人”が来るってのが引っ掛かったのかも…。

美紀:”みいはあ”ですね。

崇:いづれにせよ、なんとなく付いて行ったの。これ不思議だよね。当時はそこらでこういうイベントやっててなんか楽しかった。何か「すごい楽し気なところに引っ越してきたなぁ」と思ったの覚えてる。

美紀:ほんと。そこで会ったイノサンは予想に反して非常に穏やかで偉そうじゃなくて、かなりフレンドリーな人で驚いた。

崇:ほんとだよね~。大先輩なのに。夕焼け楽団とかサンディー&ザ・サンセッツとか海の幸って、こんな私でも知ってたもんな。経歴の中に大滝詠一さんとか出てくるし。いきなりハードル高いわ。

美紀:それがね、快く「一緒に何かやりましょう」と言ってくれたんだよねー。

崇:うちらのCDもその時に渡したんだっけね。

美紀:そうそう。で、面白がってくれた。そして、そこでイノサンがもう一人引き合わせてくれた。

崇:シローさんすね。サヨコナオトラさんのユニットのギターの人が元「じゃがたら」のメンバーで、それが好きってんで来てたんだよなあ。

美紀:シローさんとの出会いも大きかったよね~。なんか、ワクワクした。

崇:当時那須に拠点を置いてた演出家であり俳優のスズキシローさん。後に沢山インスピレーションをもらって、何回か企画にも呼んでもらったりして。

美紀:この日を境に、この先の活動に大きく関わることになる人たちに次々芋づる式に出会い、広がっていったんだよね。

崇:おお。

美紀:この方たちの助けや助言があったから、今の私たちがあると言っても過言ではない!

崇:おおー!

美紀:この時期に今後を左右する大事な人たちに沢山引き合わされてるんだよ。自分では気づかないけれども、大きな力によって導かれてる気がする。

崇:あの日あそこになんとなーく行ったのは、やはり理由があったわけだな。”みいはあ”でなく。

美紀:うん。じゃ、今回はこの辺で…。

崇:あ、でも時系列的には、まだ震災起きてないよね。

美紀:うん。

崇:じゃ、まだ俺やる気ないわけだね。

美紀:そう。そろそろやる気出そうか。

崇:やる気出す話は次回になるのかな。

美紀:はい。

音楽人形劇

正式には那須小学校の図書ボランティアがやった「くるみわり人形」の凝った音楽付き紙芝居が発端となっている(この時私たちはまだ参加していない)。
それに刺激を受けた息子の通っていた室野井小学校図書ボランティアもやろうということになり、やったのが音楽人形劇「3びきのやぎのがらがらどん」。
翌年からは、複数の小学校図書ボランティアが合同で制作を行う様になり、私たちは音楽人形劇「ありこのおつかい」、音楽朗読劇「森は生きている」、音楽人形劇「へっこきあねさ」、音楽人形劇「ゆらゆら橋のうえで」、音楽影絵劇「3びきのやぎのがらがらどん」まで参加した。
どれも舞台美術も凝っていて、音楽も生演奏が基本。ありこのおつかいなんて、ピアノ、バイオリン、フルート、アコーディオン、ギター、パカッションという編成で、なんちゃってジプシージャズ。
私たちが担当し、作曲&演奏した作品の練習用音源は、私たちのサイトのfor Kids のページで聴くことができる。

現在この集まりは学校の図書ボランティアからは離れ、「ものがたりを紡ぐ会 トムテ」という団体になって活動を続けている。

3びきのやぎのがらがらどん
for Kids

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