2021/04/08
今考えるとよく出演者、台詞覚えたなあと感心する。この『楽屋』という作品、キャストが4名、読むだけで1時間以上かかる。そして芝居、未経験者が2名。私もキャストに入っており、演出も兼ねているので、なるべく台詞の少ない役が演出しやすいという事で、私が1番出番が少なく台詞も少ない。
女性ばっかりの芝居で、初公演なのでわかりやすく、ちょっと名のある作品がいいという事で、この清水邦夫さんの『楽屋』に決めたのだ。
『さあ、何から始めよう⁉︎』
芝居経験者なら「これやるからいついつまでに覚えてきて。稽古、何月何日ね。」で済むところだが、そうはいかない。
今まで見てきた経験者でも稽古スタートはなかなか動けない人もいる。
又、こちらの予算と労力等の関係で、大きな道具は作らない方向。なるべくそんな物が必要な時は役者に演じてもらおうと当初から考えていた。
まずは『楽屋』の台本読み練習からではなく、物の感覚再現のワークから。
実物の椅子を持ち上げる → 椅子無しで再現。
ボールを投げ合う → ボール無しで再現。
こらが割と難しい。思っていた感覚と違ったりするし、相手があると相手の状態によっても変わってくる。
それから即興で演じるワーク【タクシー運転手と乗客】。
途中で運転手の立場と乗客の立場(ステイタス)を変える。人間日常的に立場が上になると言葉や態度はそれに応じて上からになってくるし、その人の性格によって荒く乱暴になったりもする。この練習は“インプロ” と言われる手法の1つで「improvisation(インプロビゼーション)」の略。つまり即興の芝居。
特に正解はないのだが、見ている方にタクシー運転手と乗客の状態、どんな人か解ると面白い。
確かに55才位からスタート『シニア劇団員』募集!として集まってきた人達だけあって、人生のお山を着実に登っていらした痕跡が現れていて面白い。これが芝居にのせられたら…。演じたメンバーの即興劇を観てそう思った。
そして問題になってくるのが勿論台詞回し。私もあまり改善方法を熟知してはいないのだが、役者初心者は台詞が棒読みになる傾向がある。例えると朗読の地の文(「」カッコではない説明文)の様な言い方になる。
こらは時が改善してくれるのだろうが、確かに自分もそうだったんだろう。昔、劇団の先輩がしきりに、
『相手に最後まで台詞をかけるんだ!』とか、
『台詞を言ったら相手に伝わっているか見ているんだ(聞いているんだ)』
なんて言っていたなあ。
私が思うに、真面目な人程、台詞が棒読みになる傾向がある。おそらく一言一句間違えず上手く文章を読む『国語』の授業の賜物だろう。
そんな事をやりながら、別の台本を読み、公演台本『楽屋』の読み練習に入っていくのだが、この後がまず最初の関所かもしれない。
『覚える!! 覚える、覚える…自分の台詞は少なくとも覚える』
(*注 相手の台詞も覚えていないと自分の台詞も言えません)
以前から役者をやられている方は当たり前すぎて何言ってんだ??って感じだろうが、普通の方には相当の重荷らしい。でも、台詞が入っていないと演出もつけられないんですよね。残念ながら…。
幸か不幸か昨年からコロナが流行りだし、台詞を集中して覚える時間が取れたそうで、この世の中の流れはまあ良しとしよう。
そして只今、4月18日(日)の公演まで、土日返上でラストスパートの稽古。
『覚えた台詞を舞台で忘れたとしてもプロンプ(台詞を忘れた役者に陰からそっと台詞を教えること)はもうしません! 舞台に出ている役者でどうにか芝居を進めてください!』
とお伝えしつつ、ドキドキして稽古を観ている演出兼出演者の私です。
何はともあれ、当日は演者観客共に楽しく、このコロナ禍で観に来てくださった方に“元気や私も何かやってみよう”なんて思いを抱いてもらえたら幸いだと思っておる今日です。
関連記事
[ 鵜飼雅子 ]
シニア劇団初公演『楽屋』に向け
やりきりました。シニア劇団スターライト初公演
[ ツルタハル ]
お芝居にオカリナを
お芝居にオカリナを〜本番を終えて
流れ去るものはやがてなつかしき。
令和元年11月11日にスタートした宇都宮のシニア劇団の初公演です。
開催日:2021年4月18日(日)
時間:(1) 開場13:00 開演13:30
(2) 開場16:30 開演17:00
会場:アトリエほんまる
出演:池田典子、大塚律子、小川晴代、鵜飼雅子
生演奏:ツルタハル
料金:1,000円(少人数制/要予約)
準備中