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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝月夜のからくりハウス~マイノリティは個性

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
2回目は、東ちづるさんが主催する一般社団法人Get in touchが神田明神で行った「月夜のからくりハウス」について書きます。


■ 一般社団法人Get in touchとは

2012年に設立され、女優の東ちづるさんが理事を務める一般社団法人Get in touch。ホームページからコンセプトを引用します。

いまの日本には、生きづらさを抱えている人がたくさんいます。障害、病気、国籍…。「ちがう」ということがハンディになる、現実があります。そのことが明らかになったのが、3・11東日本大震災でした。社会が不安に陥った時、マイノリティがますます追い詰められてしまう…。そんな、成熟していない社会は不安です。「どんな状況でも、どんな状態でも、誰も排除しない、されない社会で暮らしたい」。そんな思いを胸にスタートしたのが「Get in touch」の活動です。
「ちがい」をハンディにするのではなく、特性としてアドバンテージにできる、「ちがい」をおもしろがる社会がいい。すべての人がもっと自然に、もっと気楽に、もっと自由に暮らせる「まぜこぜ」の社会はきっと作れる。
Get in touchでは、アートや音楽、映像、舞台を使って、楽しく居心地のよい空間をつくることで、まぜこぜの心地よさをPRしていく活動を行っています。音楽や、アートは、さまざまなちがいを超えて、わたしたちをつなげてくれます。ひとりで見る夢は妄想に過ぎないかもしれませんが、みんなで見る夢は現実になる。この言葉を呪文のように唱えながら活動をしています。ぜひ、一緒に現実にするべく、アクションをよろしくお願いします。


■ 東ちづるさん

女優としての東さんはみなさんよくご存知と思います。だいぶ前のことになりますが、TV番組のドキュメントで、ドイツの平和村にて戦争孤児たちを助けているプロジェクトを東さんが体感している番組がありました。その後も東さんはずっと訪問したり支援しています。女優の傍ら、ハンディがあるとされる様々な方々に向き合いたくさんの活動を積み重ねていらっしゃいます。私も彼女の活動のファンでいつか会いたいと言っていたところ、当時サンリオの鈴木基博さん(現すてきカンパニー代表取締役、すてきの由来は、私がいつも使い続けるステキという言葉だそうで光栄です)にご紹介いただきました。前職の鎌倉新書でも、終活についてのインタビューや講演でお世話になりました。ミッションをライフワークとされており、そのパワフルな活動はまさにステキそのものです。私も常に刺激をいただいています。


■ 月夜のからくりハウス

2016年リオデジャネイロ・パラリンピック開会式で注目を集めた「車椅子ダンサー」、お笑い界で唯一の「寝たきり芸人」、NYアポロシアターのウイークリーチャンピオンの「全盲のシンガーソングライター」、「女装詩人」、「手話漫才師」、「日本で一番小さな手品師」など唯一無二の個性を持つスペシャリストが集結し、なかなかテレビではお目にかかれないセンセーショナルで刺激的な舞台を展開しました。歴史を紐解いてみると、いわゆる「見世物小屋」が浮かびます。映画ではエレファントマンなどもありました。印象としては、いい言葉ではありませんが「健常者」と違う人を見世物にしているということで、これには感情的な賛否両論もあるかと思います。Get in touchでは、みんなが個性をもって一生懸命生きていることを重視します。指定された枠の中で生きることの中であくせくしている人の感覚の中におさまらないといけないという意味不明の呪縛から解放されると、多くの人が楽しく生きられるようになり、刺激や勇気をもらいやすくなります。

月夜のからくりハウス開催にあたっての東ちづるさんの言葉を引用します。

海外ではダウン症の役者さんだけが出演するドラマがあったり、色とりどりの特性を持つパフォーマーやアーティスト、表現者が表舞台で活躍しています。日本でも以前は小人レスラーの試合が放映され、小人のコメディアンがバラエティ番組に登場し、お茶の間の人気を集めていました。けれども今の日本でマイノリティの活躍の場は、福祉・教育・チャリティー・感動ドキュメント番組に限られており、なかなか才能を目にする機会がありません。いったいなぜでしょう?
「差別だ!」「不謹慎だ」「かわいそう」というクレームやバッシングの声があり、過剰な自主規制が働いた結果、彼らは表舞台から姿を消してしまったのです。けれども、なんだかそれっておかしくありませんか? だって彼らはその特性を武器にプロフェッショナルなパフォーマーとして誇りを持ち、人を笑わせ楽しませてきたのですから。出てみたい、挑戦したいという人がいるのに舞台がない。ならば、作ればいい!
そこで私たちは様々な特性を持つ唯一無二なプロフェッショナルなパフォーマーたちに声をかけ、平成の「見世物小屋」を企画しました。
「障害を見世物にするのか」こんな批判もあります。でも私たちは考えます。「障害あるなしに関わらず、表現したい人はいる」「自身の特性をアドバンテージにして、日々努力を重ねて、もっとエンタメの世界に出たいと思っている人もたくさんいるはず」それなのにその機会はあまりにも制限されていて、メディアから妙な配慮ばかりされているのです。今まで誰も見たことがない、最高の見世物、エンターテイメントの舞台をつくりたい…。誰も排除しない「まぜこぜの社会」をめざす Get in touchの挑戦です!


■ まずは知ることが大事

身体的なハンディキャップ、精神的なハンディキャップ、LGBT、自閉症…。彼らを支援するイベントは海外では当たり前で、日本でも東さんたちの努力もあって増えてきてはいます。障がい者雇用も大事な施策になって来ています。この活動を通じて、個性であると認識した場合、社会活動・企業活動・企業内教育・学校教育なども変わるのではないでしょうか? 彼ら彼女らの生き生きした表情や、しっかりした考え方などに触れれば、たくさんの勇気と自信を生むのではないでしょうか? それは個人、企業のミッションとも連動してくるのではないでしょうか? 一度、ホームページ等覗いてみてください。そして、発想は、知ること、見ること、聞くこと、感じることからはじまります。

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