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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝まぜこぜ一座 月夜のからくりハウス 誰も排除しない「まぜこぜの社会」

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
105回目のコラムです。6月16日、LINE CUBE SHIBUYAにて、東ちづるさんプロデュースの「まぜこぜ一座 月夜のからくりハウス 一夜限りの歌とダンスと社会派コメディサスペンス映画上映」というイベントに行ってまいりました。
東ちづるさんは、タレントとして、数多くの映画・ドラマ・司会・コメンテーターなどに出演されている傍ら、骨髄バンク、ドイツ国際平和村、障害者アートなどに尽力し、一般社団法人Get in touch代表として活動されています。


■ 一般社団法人Get in touch

「どんな状況でも、どんな状態でも、誰も排除しない、されない社会で暮らしたい」。そんな思いを胸にスタートしたのが「Get in touch」。“ちがい”をハンディにするのではなく、特性としてアドバンテージにできる、“ちがい”をおもしろがる社会がいい。Get in touchでは、アートや音楽、映像、舞台を使って、楽しく居心地のよい空間をつくることで、まぜこぜの心地よさをPRしていく活動を行っています。まぜこぜ一座では、この特性を生かしたアーティストたちが抱腹絶倒であり、社会に問いかけるステキなステージを見せてくれます。
詳しくは、以前書いたSpinartのコラム、こちらをご覧ください。
月夜のからくりハウス~マイノリティは個性
そしてSpinartの動画番組「CrazyNOVA’s NOVANITY」でも東ちづるさんの活動をレポートしています。
Crazy NOVA's 【NO Vanity!】#17 - 女優・東ちづるさん「妖怪魔混大百科」出版とそのスピリットについて考える


■ まぜこぜ一座 取材に来るのに一切放送しないテレビ局

まぜこぜ一座は、車椅子や義足、ダウン症、自閉症、低身長症のダンサー、全盲の歌手や落語家、トランスジェンダーのシンガーソングライター、ドラァグクイーンのタレントなど様々な特性のあるプロフェッショナルのパフォーマーの一座です。日頃は自分の得意のパフォーマンスをしているのですが、この日は映画とショーの2本立て。なんとみんなが映画に出演し、東ちづる殺人事件の犯人を推察しながら、マイノリティの世間の扱われ方と生き方を提示していくというものでした…もちろんステキにコミカルに。そもそも一般社団法人Get in touchが、プロフェッショナルなマイノリティパフォーマーたちに新しい表現の場を創り出すためスタートしたのがまぜこぜ一座。記者会見では多くのテレビ局を中心としたマスコミが取材に来たものの、世間のくだらない批判を恐れたのか一切放送がなかったそうです。「障害者を見世物にするな」という声を想像したのでしょう。ほとんどが彼ら彼女らを何も助けない人たちからの…。先進国の中では日本だけが圧倒的に遅れています。今回はテレビ系のネットニュースには取り上げられていました。私はこの一座を何度か拝見していますが、みなさん観客の賞賛を受けて生き生きとしています。そして毎回パフォーマンスに磨きがかかっています。


■ 映画「まつりのあとのあとのまつり」~まぜこぜ一座殺人事件~

ステキなパフォーマーたちがなんと社会派コメディサスペンス映画に挑戦しました。ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさんの進行がすごい。しゃべる天才。そして、全員が棒読みでない。すごいセンスです。犯人と疑われるときの言い訳にそれぞれのマイノリティエピソードが入っていてうなります。東ちづるさんが殺されているというのに(笑)、定期的に笑いのツボがやってきます。そして、そこに居合わせてしまったTV局のプロデューサー、代理店の担当、事務所の社長が、マイノリティ不理解の代表として登場します。このフィクションはおおかたみんなが経験してきた事実と似て非なるものであると思われます。とてもステキでした。そして、「はい、カット!」という監督の声の後のみんなの笑顔がステキでした。


■ まぜこぜ一座「歌とダンスのパフォーマンス」

(1) 「アメージンググレース」佐藤ひらりさん
 全盲のシンガーソングライターです。東京2020パラリンピック開会式で国家独唱しました。ニューヨーク アポロシアターアマチュアナイトでは12歳でウイークリーチャンピオン。世界各国でも歌いました。はじ めて観てから大人になっていっていますが、歌声も進化の一途をたどっています。
 ダンスは、義足のダンサー大前光一さん、脊椎などに先天性の障害のある森田かずよさん。
 演奏は、アコーディオンのえびさわなおきさん、バイオリンの西垣恵弾さん。

(2) 「罰をくらえ愛で」「地べたの天使たち」八方不美人さん
 ドリアン・ロロブリジーダさんのドラァグクイーンユニット。エスムラルダさん、ちあきホイみさんとともに登場。ミニアルバムは3枚出しているそうです。かわいらしく迫力のあるステージでした。個性すごっ!
 ドリアン・ロロブリジーダさんの伸びのある声はしびれます。
 ダンスは、だうんしょーずの峰尾紗季さん、丹下開登さん、大嶋諄さん キレキレでうっとりします。
 そして、世界をまたにかけるダンサーの鈴木清貴さんと藤平真梨さんが全体を引っ張ります。

(3) 「とびら開けて」「Docchi?!」悠以さん
 両声類のシンガーソングライターです。一生節ごとに男女の声を使い分けることができる天才です。曲のタイトルでわかる通り、「どっち?」を映画の中でもわかりやすくリアルに演技しておりました。惚れこんでしまうような声の持ち主です。
 ダンスは、鈴木清貴さんと藤平真梨さん。

(4) 「人間失格」「Trident」GOMESSさん
 自閉症と共に生きるラッパーとして注目を集めています。人と話すのは得意ではないかもしれませんが、ラップが始まった瞬間から最高峰の歌を披露します。長い長いラップもなんのその、歌詞の中にも出てきまたが、「決められたものを繰り返すのは得意ではない」と。聴覚障害の方のためにすべてのセリフや歌詞のテロップが出るのですが、決められたものでない歌詞も怒涛のように浮かんでくるのか、テロップが追いつきません。大丈夫です、かっこいいです。
 ダンスは、車椅子ダンサーのがんばらけんたさん。上半身を活かしたパフォーマンスはいまだに他では見たことがないすごい!レベル。車椅子も道具ではなく体です!と感じます。
 演奏は、三味線の尾上秀樹さんが見事にラップとの相乗効果を実現します。

(5) 「DREAM」「Let’s Get It On」YANO BROTHERS
 ガーナ人の母と日本人の父を持つMIXミュージシャン。幼少期はガーナで過ごしたが、日本の養護施設で育ったそうです。日本語も英語も流暢で、今は、ミュージシャンの他、音楽プロデューサーもしています。
 しびれるソウルフルな歌声と、日本語で会場を爆笑させるセンスもとてもよかったです。
 ダンスは、鈴木清貴さんと藤平真梨さん、だうんしょーずに、世界チャンピオンポールダンサーの小源寺涼太さん、ベリーダンサーのSAYURIさん、さらにSOCIAL WIRKEEERZが加わり、豪華絢爛のショーでした。

(6) 「もののけ姫」「心の瞳」米良美一さん
 まぜこぜ一座に米良さんが初登場です。私もジブリ映画に関わっていましたので感無量でした。今日は2曲だけです…みんなスーパースターだから仕方がないですね。ステキな歌声を生で堪能しました。
 ダンスは、大前光一さんと、自閉症ダンサー光陽師想真さん。時空を超える在地球宇宙人!

(7) 「僕が死のうと思ったのは」佐藤ひらりさん
 エンディングは、ひらりさんが再登場。ダンスは森田かずよさん、演奏は、えびさわなおきさん、西垣恵弾さん。歌詞と歌声に引き込まれながら、全員での華やかなフィナーレを迎えました。


ここまで書いても、やはり直接見てもらわないと伝わらないですね。一般社団法人Get in touchの目標は、理解を広めることではありますが、究極の目的は解散です。誰も排除しない「まぜこぜの社会」が実現していることです。政治やマスコミが…経営者が先生が…遅れてしまっては日本は遅れたままです。
ステキな個性を、もっともっと活かしていきましょう。

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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