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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝コンテンツの世界観と商売の両立

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
5回目は、私が以前役員をしていたキャラクターマーケティングで成長を続けるレッグスからコンテンツの世界観と商売についてレポートします。


■ 株式会社レッグスとは

レッグスは、1988年3月に創業したマーケティングソリューションの会社です。創業32年ですね。2015年6月に東証一部上場を果たしています。創業当初はメーカーを中心とした販売促進の1つのおまけを作っている会社でした。レッグスは、松下幸之助さんや稲森和夫さんを師と仰ぐ内川社長が、人間力を重視した理念型経営で着実に業績を積み重ねてきた優秀な企業です。転機は、ローソンとの取引が始まったことです。その時私はローソンのエンタテイメントやマーケティングの責任者でした。トップのセブンイレブンとの食事系の質ではまだ差がありました。商品開発に力を注ぐ間に、エンタテイメントの力を借りてわざわざ来る理由を創る必要があり、キャラクターコンテンツをよく知るレッグスに大いに力を借りたのです。当時私は、ミッフィーやリラックマやキティといった女性が好きなコンテンツを活用してキャンペーンを作っていました。今でもお皿がもらえるキャンペーンが続いているのはうれしいことです。そしてその後に、エヴァンゲリヲンやけいおん!!といった少しコアなコンテンツのキャンペーンもできるようになり、レッグスの圧倒的なコンテンツ理解力をベースに、魔法少女まどか☆マギカ、進撃の巨人、ラブライブ!、Free!、弱虫ペダル、アイドルマスター、艦隊これくしょん、うたのプリンスさま、銀魂…と次々にコラボを実現しました。コミックマーケットにもローソンは出店し、アニメ好きの中ではある種のローソンブランドが確立したのもレッグスのおかげなわけです。このローソンとの取り組みによって、ほぼすべての主要ライセンサーと懇意になったおかげで、ローソンとの関係性の深い郵便局のキャラクター物販、同じ三菱商事の息がかかるイオンのキャラクターキャンペーン、そして現在ではそのノウハウを生かしたキャラクターカフェを年間に100以上展開する成長を遂げています。


■ レッグスの強み

レッグスの昨年度の売上は165億。ここのところ毎年10億程度を常に積み重ねています。今主流となっているWEBプロモーションにはほとんど手を出していないので、実質、キャラクターを活用したリアルプロモーションだけでこの着実な売り上げを更新しているのは特筆に値します。32年間に赤字を一度も出していないというのもすごいですね。
レッグスの強みは、ひとつは流通に強いということです。流通に入るのは至難の業です。要望も納期もきついです。失敗すると大変なリスクがあります。上記のローソン、イオン、郵便局の他、期間限定カフェやアミューズメント施設、ECなど多くの販売現場と強いコンタクトを持っています。これもキャラクターコンテンツがつなげたプラットフォームです。ふたつめは、前述のエンターテインメントコンテンツです。コンテンツ知識、ライセンサーとの関係値、プランニングやデザイン力、品質管理力の積み重ねが、圧倒的な信頼感を得ています。プロモーションは、必ずしも一致しない、コンテンツの世界観の理解力と、流通やメーカーの要望を、妥協することなく最良のものにプロデュースしていくことが重要です。御用聞きではできないことです。ここが最大のレッグスの強みでしょう。レッグスは単発のプロモーションをやりません。複合させていきます。プロモーション力、商品企画力、コンテンツ調達力、流通理解力を兼ね備えて限定のプロモーション(ここでしか手に入らないモノ、体感できないコト)を創り出しているのです。コンテンツプロモーションによる売上向上は当たり前になってきましたが、単純にキャラクターをのせるのではなくて、世界観を表現することが重要なのです。


■ まさにコンテンツビジネスのプラットフォームです

コンテンツはアニメに限りません。キャラクター、ゲーム、アーティスト、インフルエンサー、ブランド、スポーツ、映画など。つなぐ販売現場は、コンビニエンス、GMS、EC、飲食スペース、アミューズメント、ディスカウントショップ、郵便局、百貨店など。この間をレッグスは、プロモーション、イベント、ライセンスビジネス、OEM、VMD、プレミアムグッズなどのソリューションで、大きなうねりを作っています。従来の大手広告代理店はどうしても大きな金額を占めるTVCMなどに重きを置き、こういったジャンルは下請けに回す傾向がありました。レッグスも以前は大手広告代理店の下請けが9割以上の時期がありましたが、そのときの課題は、クライアントの声が聞こえてこない、クライアントの求めるカスタマー増が伝わってこないなど、ステキなものを作るのに最大の障害があったことです。大きく方針転換をして今では9割以上が直接取引となっています。横から横に流すだけの大手広告代理店のやり方と違って、コンテンツの世界観と、クライアントの求めるカスタマーを気持ちよくつなげる知識をアイデアはこうしてはぐくまれたのです。


■ 実例を見てみましょう

前述したローソンとの取り組みは年に10回以上のペースで継続しています。大人気となった「天気の子」とのコラボでは、オリジナル商品や、エピソードを活用したキャンペーン展開をしています。単に商品のパッケージを変えただけとか、シールを貼っただけというような展開はしていません。マルイとは、「星のカービィ」を活用し、新しいイラスト展開、限定商品、キャラバン販売で大人気となったようです。ドン・キホーテとは、インフルエンサーマーケティングの雄のUUUMと組んで、サンリオキャラクターをベースに、Youtuberクリエイターのデザインで限定200店舗で展開、当然Youtuber自らもPRすることで成功しました。その他にもジョージア×コップのフチ子、キリン×サンリオ・吉本、ルック×ワンピース、すき家×Fateなどなど数えきれないキャンペーンを作り、成功に導いています。また6年目になる名探偵コナンのコラボカフェに代表されるように年間で100を超えるコンテンツコラボカフェもレッグスの成長の大きな要因になっています。

■ 何が言えるのか

コンテンツ利用は誰でも思いつきます。最低な言葉は、「いくつかコンテンツを見繕ってきます」。こんなスタンスの営業マンに、コンテンツの世界観を理解したプロデュースができるはずはありません。理解力だけでなく、デザイン力、ストーリーのあるプロモーション力が必要なのです。そしてそれは、すごい個人だけで成り立つことはなくチームで最高のものに仕上げ、それをナレッジ化していくことが重要なのです。
そして作り上げた得意をちゃんと生かしていく。できないことはコラボして考える。なんでも自力でやるという発想をしないことです。1社で勝つ時代ではなく、コラボしながらステキを創る時代です。今後もコンテンツを活用した多くの人たちの幸せを創造していってくれると思います。芯の通った企業成長のレポートでした。

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