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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝イベントはステキを融合させる

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
7回目です。1つのイベントを実施するとします。ユーザーイベント、記者会見、感謝の会…。無難に乗り切ることに終始するとか、偉い人にフューチャーしてしらけるとか、思い思いに会話していて進行が無視されているとか。ここをステキが融合する場にできたら、ファンが増えるし、コラボが増えるし、拡散が広がります。

自分事で申し訳ないのですが、先般54歳にして結婚式を挙げました。その結婚式のあと、「抱腹絶倒だった」「今までの結婚式で一番楽しかった」「もう一回やってほしい」という声をたくさんいただきました。また、SNSの拡散によって、出席者以外には一切公表していなかったのですが、行く場所行く場所でたくさんの祝意をいただきました。それがなぜ起こったのかを振り返ってみます。


■ コンセプトは、ステキ創りの方々の融合イベント

幸いにもこれまでのキャリア(リクルート、ブックオフ、ローソン、ローソンチケット、レッグス、FiNC、高木学園)で常にステキ創りに関わってきました。当然ステキの共有者がたくさんいるのですが、その人たちをつなげたらどんなにいいだろうと思って考え始めました。
結婚式の準備は必ず喧嘩が起こるといいますね。誰を呼ぶのか? 席順は? 両家のバランスは? 使う曲は? 予算の考え方は? 打ち合わせに同席できるのか? 作業はどっちがやるのか?…などなど。誰もがやりたいイベントなのですが、途中から義務感が生まれたり、価値観が合わなくなったりしてきます。ここで結婚式は誰のためにやるのか?自分たちのためなのに義務感が増えていくのはつらい。でもゲストの格とかバランスとか考えなければならないことが多い。予算も上がってくると何を削るのか考えないといけない。削ると魅力が減る。式場からも他のカップルはこうしてますよと前例を言われる…。なんかうまくいかない会社経営に似ています。

ここで何のためにやるのかに戻ります。自分たちのため、両家のため。でもステキ創りの方々の融合のため。
ご祝儀をくれるのはゲスト。ゲストの期待を超えるときに笑顔が増え歓声が上がり、その場を提供した自分たち、両家が提供したステキを喜ぶことができる。カスタマーファーストと同じです。このバランスを取るのがマーケティング。実に楽しいですね。

ステキ創りの融合なので、我々ふたりを構成しているステキな方を呼びます。ここが大事で、職務上の上位者ではありません。最初の挨拶は、「呼ぶべき人ではなくて呼びたい人に来ていただきました」です。偉い人や上司を呼ぶということは、式において両家の格を考えているようになります。「すごい人がいるのに自分なんて呼んでもらって」と思わせてしまったら失敗です。マーケティングに置き換えると、何のためにやっているのだっけという軸を明確にしておくことに似ています。


■ では誰を呼ぶのか

私たちは、ヘヴィメタルとプロレスとモータースポーツという共通の趣味があります。大親友のバンドメンバーを呼びます(実はSpinartを運営する清水さん・木村さんです(笑))。いろいろな社長もいる中ですが、彼らがメインテーブルです。当然一番思い入れの深い歌を歌ってもらいます。それは必ず会場に伝播します。他にも共通の趣味の友人を呼びます。すごい人と深い人がどう融合するかを考えます。ここからスタートします。偉い人から考えない。
次にビジネスをしていてステキを共有した人をラインナップします。世界中の路上で1万人の人にメイクをして笑顔を創ったメイクスマイルアーティスト、その周辺で出版、DVD発売、ライブツアーなどを儲けを度外視して関わった方々。ゼクシィやとらばーゆなどステキなメディアを協業した方々。自分の中でスーパースターと決めた方々。これに、リクルートのマーケティングのメンバー、キャラクタービジネスのレッグスの面々、わざわざ来る理由を創り続けるローソン、ブックオフなどの方々を融合させます。さらにステキ創りを相談し続けた場である居酒屋の店長、そこで知り合いコラボした各界の方々…。極力、ふたりでほとんどの方に会い、どちらかのゲストにしておかないこともしました。
ここまでできれば、ステキ民族の融合はかなり進みそうです。声をかけたくなるためには、席次表の肩書もこだわります。最速レーシングドライバー、スーパーデザイナー、伝説のマーケティング居酒屋…。肩書を見て話したいと思ってもらう工夫が大事です。親族には、ステキ民族の融合ショーを見てもらうことに徹します。


■ どう融合させるのか

我々を結びつけた共通の趣味はヘヴィメタル。結婚式ですが、ステキな理解者に恵まれているため、全20曲ダイナミックにヘヴィメタルで通します。「ふたりらしいけどこんなの初めて(笑)」。まずは本日の主旨ステキ民族の融合をテーマとすることを私から申し上げます。全員仲間なので、主賓の挨拶はありません。乾杯は、我々の最高の理解者のマイクロソフトの澤円さん。最高の幕開けになるように準備してくれました。主旨を伝えていないのに「ステキ」「好き」を盛り込んで一気にゲストの心をつかみます。
それでもなかなかテーブル越しに交流するのはきっかけが必要です。ゲストがどれだけステキかをパワーポイント50枚にまとめて私からプレゼンテーションしました。その方のステキなポイントを必ず爆笑か感心が起こるように作りました。ゲストは席次表と画像を照らし合わせながら「あの人と話してみたい」「実はつながりがあったかも」「以前コラボしましたね」と動きやすくなっていきます。社交辞令の挨拶ではなくて、コラボしたい関心の挨拶が生まれます。
お色直しで控室に入っているときも、爆笑を含むたくさんの声が聞こえます。本当は一番見たいシーンです。
テーブルでの席次、背中合わせでも会話ができる組み合わせ、「冒頭での交流してください」という強いメッセージ。すべてステキの融合のためにセッティングします。
その日のうちに「ステキ民族飲み会」が設定されたり、翌日にはコラボの商談が行われたり、という報告が来ました。こういうときのFacebookというのはすごい存在ですね。


■ ゲスト全員が満足できるか

へヴィメタルやマーケティングに関心のない人も当然います。親族もたくさん列席しています。
ステキの融合というテーマですが、披露宴の最大の関心事は、きれいな新婦、感謝の思いです。これを忘れてしまうとただのイベントになってしまいます。両親への手紙、古くからの友人との会話、それを見ている全員がさらにステキを感じて幕引き。ゲストのステキの融合が実現できたことで、それを感じた親族の顔も高揚し「今までの中で最高の式だった」と言っていただけました。いつも行っている講演でもこの言葉がいただけるように心がけています。

マーケティングとは「誰はなぜ幸せになるのか」「誰はなぜ来るのか」「誰はなぜ買うのか」。
そして、「誰はなぜ買わないのか」「どうしたら買うと思うのか、それはなぜか」に尽きます。
今回は些細なイベントの話ですが、ゲストのステキを融合させる、1人残らず笑顔になってもらう、ということが参考になるのではないかと思います。みなさんのパフォーマンスはステキが実現できていますか?

新郎作成の当日進行表(一部)

ゲストの紹介を新郎新婦がPowerPointを使ってやることや、それら各セクションのBGM選曲等を細かく記載しています。

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