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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝熊本県南フードバレー講演より〜地方発信の考え方

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
20回目のコラムです。今回は、台風で球磨川が氾濫し甚大な被害があった熊本県南フードバレーにて講演をしてきましたのでそこで感じたことをレポートします。


■ 県南フードバレーとは

熊本県は地震といい、台風といい、大きな被害をよく受けてしまっており、日本中の方々が心配しています。現地にボランティアで入る方もいらっしゃいますし、寄付を選択される方もいます。熊本県産の食品などをアンテナショップやECでお買い上げになる方もいます。ふるさと納税の選択を熊本県の市町村にされる方もいます。平成25年3月に熊本県が策定した「くまもと県南フードバレー構想」では、熊本県・県南地域(八代地域、水俣・芦北地域、人吉・球磨地域)の豊富な農林水産物を活かし、食関連の研究開発機能や企業を集積させる「フードバレー」を形成することにより県南地域の活性化を目指すとしています。まず最初に思ったのは、テレビのニュースでは球磨川が氾濫…ということで球磨川の川沿いの地域に壊滅的なダメージがあったことはわかります。熊本県の名産品を買おうと思うと浮かんでくるのが、馬刺しセットとか火の国ラーメンセットなど。でも今回は県南にしぼったプロジェクトでの講演でしたので、県南フードバレー参加企業をよくよく見てみました。福田農場さんのREDという商品は、ゆうべに苺のストレート果汁をふんだんに使った「飲む!ジュー酢」、アスリーさんは、たもぎ茸と杜仲茶をミックスした「インナビュー茶」、イナダさんは、日本一の藺草の産地八代で野菜としてこだわって育てた藺草を使用した「藺草麺」、御立岬さんは、温泉成分と自然界のミネラルを壊すことなく添加物を加えない体に適した伝統ある自然塩、KasseJapanさんは、県産の豚肉・椎茸・筍を使用した山椒と唐辛子のWの辛さの「まぜくる麺」や名産品晩白柚を使用した飴、多良木町しごと創生機構は、ニンジン、しょうが、たまねぎ、ブロッコリーなどをまるまる使ったドレッシング…とくにブロッコリーのドレッシングは傑作、など、近づいてみると本当に魂のこもった原料と加工品に出会うことができました。


■ RENGAの実情

県南フードバレーでは、このプロジェクト名を、「熊」の部首である漢字の下部の点4つの「れんが」からとってRENGAと名付け、ロゴを作って、チラシや商品に貼るシールや発送用の段ボールなども作っています。また、お土産屋さんやレストランなど応援店も募って拡大しようとしています。まずは、訪問の前に銀座にある熊本館というアンテナショップを訪ねました。どうやら「RENGA」という文字は見当たりません。階段を上って事務所の方に行ってみました。県職員さんではなくこちらの館の管理の方がいましたので聞いてみましたが、あまりわからない様子。講演の前に、「県民はRENGAを知っているのか」「県外の方はRENGAを認識しているのか」「生産者の皆さんはRENGAをどう思っているのか」「RENGAのブランディングの方向性はどう考えているのか」確認したいことが溢れてきます。前述したステキな商品たちの中で銀座館で販売されているものは2商品だけでした。その商品にもRENGAのシールは貼ってありません。県の肝いりでスタートして思いつくことはしたが、ブランディングや拡販の施策は取れていないようでした。よくあることかもしれません。また県職員の方は定期的に異動するので、思いをつないでいくのも大変なのかもしれません。生産者の方は、職員にお膳立てを期待します、県職員の方は代理店さんなどにブランディングや売れる施策、ナレッジなどを期待します。おそらくその部分がうまくいっていないのでお声がかかったのでしょう。


■ 講演のための打合せ

県南ということで、私のプログラムの中のワークショップにある「スタバとドトールの違いを絞り出しそれぞれの戦術を考える」とか「大手コンビニに大きく差をつけられたミニストップの戦術を考える」というものを使おうと思いましたが、あまりスタバやドトールやミニストップがない地域で悩ましいという相談も受けました。スタバとドトールという比較は、同じコーヒーショップと思わないで、コンセプトもターゲットも違うと戦術はおのずと違ってくるということを学んでいただきたいので実施。とくに、道の駅以外では、九州の百貨店・都心部の百貨店での物産展、成城石井やナチュラルローソンなどの良質をイメージにしている店舗との取り組み、瀬戸内レモン商品を大きく伸ばしたカルディなどとの取り組み、虎ノ門になるローソンの徳島アンテナショップとのコラボレーション、Eコマースでの販売、わけありサイトでの販売などなど、選択肢を知ること、その選択仕事の特徴を考えて提案することが必要だと思ったのです。最近では、ヤマト運輸とSHOWROOMが組んで生産者が配信しヤマトが届けるようなモデルまで出現しています。ミニストップのパーツはパワーポイント50枚をまるまる落として、県職員と生産者が、相手への期待ではなく「RENGA」をチームでどうブランディングし、販売力をあげていくのかというディスカッションに振りました。マーケティングは、1人ではできない、チームでターゲットを理解して1枚岩でやっていくときに力を発揮するということを理解していただこうと思いました。アンケートからは、この点が非常に大事である認識がついたことと、勇気が持てたことなどが伝わってきました。


■ 「とことん観察マーケティング」と「マーケティングパートナーになる」

講演の時間は、本来は4時間ほしいところなのですが、3時間という指定の中でエッセンスを抽出して行うことができました。前半の「とことん観察マーケティング」では、リクルートやローソンのステキなストーリー創りの話でしたが、これは新鮮な感覚としてとらえていただきました。そして一生懸命加工品を作っているが、買う人が、県内の人、旅行の方のお土産、定期的にECで買う人、ふとアンテナショップで見つける人、そしてそれぞれのリピーター…いくらでもいるのに観察をしていないので想像できていないことにも気づいていただけました。後半は前述したワークショップでしたが、どんどん意見が出始めて、チームになっていない自分たちにも気づいていただけたようです。最近は、ウエビナーが多く、下手をすると聞き手の顔も出ていないようなものも増えてきました。今回は、十分に距離をとりながら、みなさんの顔、みなさんの意見、を感じながら行うことができました。ふとした一言「今日の昼飯は、RENGA応援店だったんだけど、何の食材も使ってないしシールもなかった」…。そういったつぶやきがなかなかオンラインでは拾えない気がします。その一言をみんなで考える瞬間がありました。


まだまだwithコロナの環境は続きます。一方的配信でなく、コミュニケーションを楽しむような企画やツールがあればおもしろいですね。バスキュールが創ったConnected Flipというアプリでは、ZOOMコミュニケーションに、クイズ機能や、今の思いを書き込み、司会者が発見して盛り上げていく機能があり、先日ライブで体感しました。途々に、リアルとオンラインの両方を実現するライブも増えてきました。リアルよりもオンラインで満足度を上げるということにも最初から無理と思わずに、たくさんのプレイヤーとも情報交換しながら、掛け算しながら挑戦していきたいものです。

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野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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