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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝eスポーツとともに目指す未来

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
54回目のコラムです。今回は、eスポーツです。最近、日本学生esports協会/Gameicの前川友吾(マエガワユウゴ)代表と知り合いました。私が、顧問をしている助成金制度推進センターのセミナーを前川さんが手伝っており、私の講演を聞いて自分の戦略を一気に進めたところ尋常でない躍進をしているということでした。また彼が運営するYoutubeチャンネルに出演させてもらったり、月刊ローソンチケットでの特集記事をアレンジさせてもらったりと楽しい関係が続いています。そういった活動の中から、eスポーツについて、まとめてみました。


■ 日本学生esports協会/Gameicの前川友吾(マエガワユウゴ)代表

1997年生まれ、5歳でパソコンを操作し、ゲーム、eスポーツにのめりこむ。
「Battlefield」「Call of duty」シリーズでは10年近くプレーし、世界ランク上位を獲得。
2020年2月に日本学生esports協会/Gameicを設立。現在、60大学、590以上の団体を認証し、日本最大級のesports協会への成長を遂げた。
実に現在24歳の代表です。穏やかで素直で、我々の話も全て楽しく吸収していく感じの天才です。最近は、20代の起業家の発想や行動がほんとうにおもしろいと感じます。


■ eスポーツとは

eスポーツとは「Electronic Sports」の略称で、コンピューターゲームを使用して、一定のルールに則って個人やチームが対戦する競技のこと。
年々拡大する市場は、ゲームまで含めると10兆円規模になると言われ、近い将来オリンピック種目になるのではないかとも言われています。世界的に爆発的な人気を誇り、日本でも急発展しているものの、まだまだ知られていないことが多く、日本では、一部の方を除き、ゲームの大会でしょ、とか、これは仕事なの?というような理解レベルの人が多いのではないでしょうか。


■ ゲームとeスポーツの違いは

ゲームとeスポーツの違いの基準は観客がいるか、いないか。同じゲームでも一人で黙々とやるならゲームで、観客がいる中でスポーツとして行うならeスポーツとなります。
また、eスポーツはパソコンさえあれば、どんな人でも無料で手に入れられるゲームであることも条件です。たとえば課金制ゲームのように、お金をかければ強くなれるというものや、RPGのようにプレーヤーの能力ではなく、時間をかけた人が強くなるというものは、eスポーツではなくゲームになります。このへんの理解も日本ではまだごっちゃかもしれませんね。
前川さんによれば、練習や激しい戦いで、手首や腕などはメンテナンスをしないと負傷してしまい、これがうまくできないと引退もすぐに来てしまうらしいです。まさにアスリートですよね。


■ プロのトップは破格の収入 賞金総額が約44億の大会もある

一般的にはプロのeスポーツチームに所属している人を「プロ」と呼びます。
昨年、NTTが「PUBGMOBILE JAPAN LEAGUE」という、野球でいうペナントレースのような大会を発足しました。この大会に参加しているのが16チーム(1チーム最大7名)で、賞金総額は約3億円。参加選手は最低350万円が保証されています。デイリーの賞金も用意されており、その額は1チーム最大200万円。合計1億円以上獲得したチームもありました。
日本は市場がまだまだ小さく、プレーヤーが有名人となっているケースが少ないのが現状ですが、先進国の中国や韓国のトップ選手はトップスターです。「Dota2」というゲームの2021年世界大会は、賞金総額が約44億円、優勝賞金は約20億円となりました。先日のテレビのニュースでも、賞金が1億円も出た!と驚きの報道をしていましたが、先進国とは、まだまだレベルが全然違いますね。


■ アマチュア大会に1000万人が出場 プロにはどうやってなるの

現在、国内のアマチュアeスポーツ大会は約10万あって、延べ約1000万人が参加していると言われています。
前川さんは、誰が見てもわかりやすく、初めての人でも参加しやすいように大会を整備していくのが仕事だと語っています。アマチュアのeスポーツ大会でも、普通にアルバイトするよりお金が稼げる仕組みを構築することも大事だと話します。
どうやったらプロになれるのか? これはスカウトが主流のようです。スカウトマンもゲームをやっているので、プレーしていて強い人を発見するとスカウトするのです。このようにして強いプレイヤーを日々発掘しているので、次々と新しい選手が出てきて、選手の入れ替わりが激しいのもeスポーツの特徴です。


■ eスポーツで頭が良くなる? 若者だけの文化ではない

東北大学の研究で「eスポーツをやっている人は文章理解力、語彙力が高い」という結果が出ています。eスポーツの中では、年齢・性別・国籍の違う人たちが一緒になって勝利という同じ目的達成を目指します。その結果、コミュニケーション能力が鍛えられるのです。言語の違う人とのコミュニケーションによって、文章理解力が高まるということもあります。
また、最近は若者だけでなく、高齢者の方、障がい者の方にもeスポーツのコミュニティが広がっています、コミュニティに参加することは、高い認知症予防の効果があるというデータもあり、高齢化社会の日本の中でeスポーツに期待されている部分でもあります。
前川代表は、この点についても構想を持っていて、eスポーツで日本をよくすることを幅広い視野で見ています。そこに大きく感心します。
日本で一番高齢化が進む秋田県から、日本初のeスポーツのシニアプロチームが生まれました。彼らのホームページでは、高齢者のeスポーツを単に「健康」や「認知症の防止」といった分野で終わらせるのではなく、「孫にも認められる存在」を目指すことで、世代横断型の地域コミュニティの育成につなげたい…と書かれており、取材も殺到しているようです。


■ eスポーツとともに目指す未来

eスポーツは日本ではまだまだ発展途上です。前川さんは、日本学生esports協会の代表ですので、学生生活の思い出にチームでeスポーツをやりたいという人たちはもちろんのこと、広告を出したいという企業、プロを目指す人たちなど、みんなにわかりやすい情報を整備したいという思いでいます。そういったプラットフォームの存在が大事そうですね。
エンターテインメント産業は、コミュニティとしての心の拠り所になる場合もあります。eスポーツが、「ゲーム=悪」という印象を払拭できて、人の役にたつものだと証明するためにがんばっています。
eスポーツ専門の高校が設立されたというニュースもありました。個人に与えられた機材などはかなり高額のようでしたが、世界レベルのプレイヤーや指導者が生まれてくるのも間近かもしれませんね。

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