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Logo Mark連載記事

Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝ひさしぶりにコンビニエンスストアを真剣に考えました

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
69回目のコラムです。コンビニエンスストアへの提案をしたい方からご相談を受けました。ローソンでの経験からブレストしたのですが、やはりコンビニエンスストアのマーケティングは圧倒的におもしろいですね。


■ コンビニエンスストアはフランチャイズモデル

私が顧問をしているブックオフは、直営店とフランチャイズ店が半分ずつ。直営店が運営の見本となってフランチャイズ店に伝授するしくみです。また最近は、ブックオフスーパーバザーという大きな、そしていろいろな商品をリサイクルする展開が増えていますが、投資が大きいため、こちらは直営の役割となっています。この大きな店舗から抽出されたノウハウをフランチャイズ店に流用していきます。これに比べるとコンビニエンスストアは97%程度がフランチャイズ店。ディストリクトにある1店舗が模範店として存在し、スーパーバイザーという指導員が店舗の上にあるオフィスにいるというケースが多いです。なので、フランチャイズオーナーが儲かるように指導できないといけません。問題になっている食品ロスについても、売り切れていれば起こらないのですが、売り切れ寸前の棚に来たお客様はがっかりしますし、帰ってしまうので売上があがりません。このせめぎあいで、本部と加盟店でもしばしばトラブルになります。昔は禁止であった賞味期限が迫ってきた商品の値引きが許されるようになってきましたね。ローソンの自慢のスイーツ10商品が実験的にこの運用をはじめました。
いずれにしても、フランチャイズオーナーに戦術を十分理解してもらわないといけない形態です。


■ SDGs対応

もはや企業は、SDGsをどう実現しているのか、目標を持ち成果を公表しなければならなくなってきました。
全国的に牛乳が余るならばホットミルク半額などの対策で生乳の消費をあげる、インクカートリッジの回収ボックスを作る、緑の基金という募金箱を運用するなど、小さなことでも1万店、2万店あれば大きな貢献ができます。以前はマルチメディア端末のLoppiで、マイ箸を販売したり、CO2排出券を販売したりしたこともあります。そのころよりも直近はインフラであるコンビニエンスストアに求められるものは大きくなります。


■ 便利を追求するとやることが増えていく

コンビニエンスストアでは、外国人の方がレジにいるケースが増えてきました。
最初は酒屋・たばこ屋・乾物屋・日用品店に近かった店が、弁当・おにぎり・麺類・サンドイッチ・デザートと棚に並んでいき、レジカウンターには、おでん、中華まん、揚げ物と増えていきました。
そして、医薬部外品、コピー機、チケット、収納代行、宅配便、郵便ポスト、ATM、最近ではメルカリや受け取りロッカーなど増え続けています。
これをアルバイト店員が理解してやるのは困難です。そのため、すべての作業がバーコードでできるようにPOSレジが飛躍的に進化しました。


■ ジョブチューン

コンビニエンスストアの商品開発競争は激化し、またTV番組で専門家にプレゼンテーションすることでコンビニエンスストアの商品開発の大変さと頑張りも浮き彫りになってきました。
専門家が一番驚くのは、このコストでここまでのクオリティを出すという点のようです。商品開発者(マーチャンダイザー)の苦労と成果が取り上げられますが、食品メーカーなどと合弁会社で作っている工場の方々の努力が最もすごいことはあまり取り上げられませんが、ここが肝なんですね。なので、大手3社に比べると4位ですが小さいミニストップは、どれもこれもというよりもスイーツ、ファーストフードに集中していますね。「らいでんメロンソフト」とか「佐藤錦ソフト」「ベトナムカカオパフェ」など地名や素材が入っている開発商品はミニストップだけです。これは、店舗数が大手よりは少ないからこそできることでもあります。


■ 社会のインフラにもなっているコンビニエンスストアですが人材不足が課題

大きいし、楽しいし、助かるし、便利だし…のコンビニエンスストアですが、人材不足が課題です。
以前、聞いたことがあるのですが、居酒屋でのアルバイトだと仲間がいたり、賄いがあったりしますが、コンビニエンスストアは基本的には2人で回しています。忙しいけど孤独なところもあって、そして覚えることが多くて、時給が高いわけではない。働きたいコンビニエンスストアにしていきたいですね。


■ 以前の仕掛け

ローソンでは、Loppiにて人気番組「水曜どうでしょう」のDVDを独占販売してきました。すごい売上ですし、予約販売ですので在庫が残りません。よいモデルでした。
続いてテレビ東京の「ゴッドタン」も同じモデルにチャレンジしました。
水曜どうでしょうの鈴井貴之さんと大泉洋さんをマネジメントするクリエイティブ・オフィス・キューさんと組んで、北海道の斜里町になるローソン店舗を使って「銀のエンゼル」というフランチャイズオーナーの家族と、配送車のドライバーの物語を映画化したことがあります。
台湾から日本にやってきた女性がコンビニ店員として仕事に恋に奮闘するショートドラマを作ったこともあります。
日本中のローソンで働く方々によるバンドコンテストをやったこともあります。なんと189バンドも応募してきました。審査が大変でした。優勝者は演奏の機会や、店内放送で自分たちの曲が全国で流れるというものでした。
表参道にはHMVローソンなるものを出店して、芸人やアーティストの卵が働くことができないかチャレンジしたりしました。まだまだ大きなうねりにはできませんでしたが、コンビニエンスストアをブランディングすることはまだまだ考えつきそうです。


美味しい商品開発、店内調理の進化、食品ロス対策の工夫、賞味期限の解釈の変更、AIによる発注調整、エンターテインメントコラボレーション、非接触の販売促進(スマホくじ)、支払方法の充実、宅配、毎日新しいことを考えているコンビニエンスストア。
一方で、後継者問題で続けられなくなるケースも増えてきました。
「誰のために何をやるのか」考えながら、いろいろアイデア化してみたくなりました。
このコラムでもたまに触れさせていただくコンビニエンスストアの店頭幕から戦術を読み取るレポートですが、わりとSNSでは楽しみにしていただいています。年末年始、みなさんもちょこっと店内を観察してみてください。

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