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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝新しいジャンルにふれているとできるかけ算が増える

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
70回目のコラムです。今回は、私が今までに携わってきた業界でない企業の顧問先からうれしいニュースが届きましたので、そちらを記していきます。その業界は、TCG(トレーディングカードゲーム)とeスポーツです。どちらも低年齢層が主軸となっている業界で、私にとってもチャレンジングな業界です。


■ JapanTCGcenter

昨年の8月まで11年間ブックオフグループホールディングス株式会社の社外取締役を務めさせていただきました。社外取締役は独立性が大事ということで長く務めると監視という役割でなくなるということで退任しましたが、これから大きくなるマーケットのトレーディングカードゲームの領域の顧問として役割をいただいています。
スペースチャンスという大阪でシェアの高いトレーディングカードゲーム専門店と、ブックオフが合弁会社を作って、吉祥寺にJapanTCGcenterというトレーディングカードゲームの専門店をオープンしました。大きなブックオフ吉祥寺店の地下1階になります。
ブックオフそのものの中でもトレーディングカードゲームは非常に伸びている商材です。ただし、専門性がないので、カスタマーの気持ちのわかる展示や販売やイベント開催が課題です。一方で、スペースチャンス社にとっては、東京というトレーディングカードゲームの激戦地での戦い方を学ぶ良い機会です。ここで顧問として始めたことは、おそらく分かったつもりになっているカスタマーって本当はどういう人か、なぜ来てくれるのか、なぜたくさん買ってくれるのか、なぜ来ないのか、彼らにとってイベントとはどういうものであるのか…これを明らかにしよう、そうすればカスタマーがわざわざ来る理由を創ることができるという作戦会議です。

3回ほどの戦略会議を経て、ついに12月には、過去最高売上となったと報告がありました。そしてなによりも会議メンバーがいきいきとカスタマーのことが語れることが大きいと感じます。そして、さすが専門店、スペースチャンスさんのカスタマー理解、そして自分自身がヘビーユーザーの象徴のような方の存在であるがゆえのカスタマー理解の速さが勝因といえるでしょう。また2社間の遠慮を排除したことで情報が生き物になりました。楽しい顧問です。


■ 全日本青少年eスポーツ協会/Gameic

助成金制度推進センターがきっかけで知り合った全日本青少年eスポーツ協会/Gameic。25歳の会長前川友吾さんとは、昨年は2回eスポーツについての講演をさせていただきました。会長自身が、私の講演を見て、カスタマーを見ることを愚直にやり、それをヒントに大きな構想に生かすべきだと感じ、ピッチを上げたと聞きました。
協会ですので、加盟団体数と大会開催数とかが大事なのですが、設定している市場シェアの数値は前年比240%という非常に高いものになったと報告がありました。以前にもレポートしましたが、若者を中心としたゲーム大会というものから、eスポーツという新しいジャンルとして成長しています。その成長を受けて、教育に役に立つ、リーダーシップがとれる若者が増える、引きこもりのサポートになる、プレイヤーがSDGsを意識すようになる、企業の社内コミュニケーションが活性化される、シニアの希望が増えてきた…などの効果もどんどん上がり始めました。

実際に私は、これらのゲームをプレイしないので、理解が追いつきません。ですが、プレイヤーの人間観察やヒアリングによって実像が浮かんできます。
たとえば、シャイなイメージがあったとしても、ことゲームのことになると懇切丁寧に自分の体験や意見を述べてくれます。「業界のためになれば」という言葉すら発してくれます。そして、子供の教育でも、ダンス、プログラミング…と、今まで先生たちが経験していないことが、今後通用する人間になるための成長素材として重要となっています。
子供が親に教える時代、親が子供が生き抜く手段を得ることを邪魔しない時代かもしれません。なにしろSNSネイティブな世代です。Z世代という言い方はあまり好きではありませんが、メタバースやNFTが当たり前の世代もまじかです。ツールは変わりますが、人の心を揺らすという「ステキ」が求められるのは変わりません。みなさんの創る「ステキ」のツールの増加も楽しんでいきましょう。

余談ですが、年始にもNFTの相談がたくさん来ました。どうすれば売れるか→ほしいものになってなければ売れません、が答え。WEBで保存できる絵画というだけでは売れませんね。そこにトレーディングカードゲームのような戦略を組むとか、ステキなコレクションができるとか、ともに成長するというような価値がヒントになるのかもしれません。「僕はそう思わない」ではなく「彼ら彼女たちはこれに興奮するんだ!」をいう視点がより大事になってきますね。


昨年末は紅白歌合戦を見ました。私は、ヘヴィメタルに偏っているので、J-POPには詳しくありません。でも、今の若者が、もしくは親子が、なぜ夢中になっているのか という視点で見た時に、とても興味深く見ることができました(個人的には、桑田佳祐・佐野元春・チャー・野口五郎・大友康平に目が釘付けでしたが)。目の前には研究材料しかないですね!

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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