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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝THE SPIRIT~闘魂レスラー発掘プロジェクト

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
71回目のコラムです。今回は、現在シリーズで放映している「THE SPIRIT~闘魂レスラー発掘プロジェクト」の2回目の放送を見て感じたことがありましたので、それを記していきます。


■ 「THE SPIRIT~闘魂レスラー発掘プロジェクト」

TBSの深夜に放映している番組をTwitterで見つけました。10人の新日本プロレスに入門したい若者が募集され、一流レスラーに教えられながら入門を目指す番組です。そもそも新日本プロレス入門は昔から応募者のほとんどが脱落する厳しい世界です。
番組のMCは、株式会社クリエイティブオフィスキューの安田顕さん。大泉洋さんを擁する演劇集団のチームナックスの一員です。大のプロレスファンとしても知られていますので、適任ですね。10人を指導しているのは、IWGP世界ヘビー級チャンピオンのオカダカズチカ選手。応募者にとっては憧れの存在です。


■ 体力審査

まずは、体力審査です。ヒンズースクワット500回、ロープ跳び(ジャンプ&タックル切り)60回×3セット、ライオンプッシュアップ30回×10セット、ねじりんぼう30回×5セット。通常の運動ではなく、新日本プロレス流の厳しい体制でのウォーミングアップです。
応募してくるからにはウォーミングアップで躓くわけにはいきません。15歳、17歳、19歳…希望を持った若者、レスリング、ラグビーなどの猛者。その中に47歳の社会人プロレスをやっている市役所職員の顔も見えます。
1回目では全員この時点で不合格。しかし、オカダ選手も入門の時にはヒンズースクワット150回しかできなかったということで、再チャンスを与えます。
1回目で1人は自ら脱落。自分のポジションを痛感してしまったようです。2回目は、
「当然、練習してきてウォーミングアップが軽くクリアできますよね。」
という言葉でスタート。
今回は、多くの方が知っているあの獣神サンダーライガーさんが特別コーチ。ライガーさんは地獄を生き抜いた生え抜きの新日本プロレスのプロレスラーです。体はプロレスラーとしては大きい方ではないので、誰よりも努力を重ねてきたレジェンドです(今は引退されて、指導をされています)。もちろんトレーニングはばっちりされています。


■ 参加者

15歳の方。
「僕は絶対にプロレスラーになります。アントニオ猪木さんの遺志を僕が継ぎます。」
ほんとうにいい顔をしています。常に一番前に陣取ってウォーミングアップをこなしていきます。クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントの要望は、いつも筋トレグッズだそうです。実に堂々としています。
47歳の方。
「残りの人生をかけてプロレスに向き合いたい。」
24歳の時にある団体入りが決まっていたそうですが、家庭の事情で断念した過去があるそうです。社会人プロレス団体に所属して、仕事終了後に練習をしている様子が流れました。ヒンズースクワット145回で離脱してしまいました。前回の疲れが残っていたのでしょう。これは口が裂けても言ってはいけない言葉でしょう。


■ ライガーさんが激怒

2回目のウォーミングアップです。オカダさんとライガーさんが首をひねっています。できる人が少ない…。
「君、もう無理、ストップストップ。」
「はいご苦労さん、休んでいいぞ。」
と声をかけていきます。すべてクリアした4人。途中でストップがかかって立っている5人。
「なんだ、この結果、プロレスラーになる覚悟あるのかよ。」
「本来ならぶんなぐってるぞ。」
「プロレスラーはなんでこんなにきつい練習をするんだと思う?」
という問いに、参加者は、
「根性をつけるためです。」
「60分戦い抜くためです。」
「どんな状況でも立ち上がるメンタルを作るためです。」
これに対し、ライガーさんは、
「当たっているけど当たっていない、プロレスラーは相手がいるから動いていないといけない。ウエイトトレーニングで重い重量をあげるよりも動き続けることができるのかの方が大事。それがたとえばこのプログラム。もっとプロレスをやりたいという気持ちが見たい。自分で自分をあきらめるな、プロレスラーは、心も体も強くないといけない。」
ストップがかかった5人になんでできないのか問うと、1人が答えます。
「準備不足です。」
ライガーさんがさらに激怒。
「試験で、本番で、大事な場面で、準備不足?」
「もういいよ、と言われたときにすんなりやめたよね、本気ならまだやらしてください!じゃないの?」
激怒して、部屋を出て行ってしまうライガーさん。
オカダさんから、
「4人はプログラム続行、5人はライガーさんに聞こえるように声を出して、もう1回ヒンズースクワットからやり直し。」
オカダさんは全員合格までもっていきたいようです。


■ プロレスラーのすごさ

驚くのは、伴走している藤田選手。昨年デビューしたばかりのヤングライオンと呼ばれるこれから成長するレスラーです。このプログラムを応募者たちの伴走係として参加しています。
あまりテレビには映らないのですが、このプログラムをなんなくこなしています。体がぶれることもなく、きつい顔をすることもなく。これがプロレスラーかと驚愕しました。


■ ライガーさんからすごい言葉が出た

オカダさんが説得してライガーさんが再登場します。
「なんでこんなにしんどい練習すると思う?」
「とにかく相手に立ち向かうことが大切だからです。」
「誰にも負けないマインドを作るためです。」
少し言葉が変わってきました。これに対しライガーさんは、
「死なないためです、プロレスは一歩間違えたら死ぬんですよ。頸椎を痛めて半身不随になってしまったレスラーもいます。そのレスラーは練習をきっちりする人だった。そんな人でも受け身を一歩間違えたらそういう事態になってしまうんですよ。膝ががくがくしていても相手は来ます。半端な気持ちでリングに上がってはいけない。死ぬかもしれないと常に頭にいれてないといけない。そのために厳しい練習に耐え抜く必要がある。」
全員の顔が変わりました。


9人はさらに次の課題に向かっていくようです。ヒンズースクワット500回できるように応募者たちも500回毎日やってきたようです。でもできない…。できた人が言いました「毎日800回やってきました」と。全員が覚悟って準備ってそういうことかという顔をしました。

スポーツの世界でも、企業でも、パワハラが問題になり、怒れないとか注意できないということが言われます。また根性だけの練習より科学的な練習の方が重要であることも言われています。でも一流アスリートや社長などにはメンタルトレーナーがついていますね。死ぬかどうかということまでではないとはいえ、成長のため、魅力向上のためのコーチングとして、手法は考えなければなりませんが「遠慮」が一番いけないとだという気持ちになりました。

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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