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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝「ステキなストーリー」「居場所」という言葉の力

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
72回目のコラムです。今回は、1月のわりとスピーチや講演が立て続きましたが、その中で、「ステキなストーリー」「居場所」を創るという言葉がみなさまにとてもささりまして、そのあたりを書こうと思います。


■ シングルマザーの生き方を助ける会社 株式会社Merone

株式会社Meroneは、ママを中心に、「捨てられる」「燃やされる」よいモノを、メルカリなどのサイトやアプリで丁寧に販売しママに地球にやさしい会社です。昨年、こちらで「とことん観察マーケティング」の講演もさせていただいたのですが、情熱的で行動的な方々ばかりでした。
少ないくない比率で、まだお子様が小さいのにシングルマザーとなり、時間が作れず、生計が厳しい方々もいらっしゃいます。そんな方々に、「ステキなストーリー」の話をしました。「なんとか売る」人が、「ステキなストーリーで売る」ことを心掛けたら今までとは世界が違ってきたというお話もいただきました。
1月21日に関係者を集めた感謝の会がありました。そこでは、バリアフリーを当たり前にしようとしている方ともお知り合いになり、さっそく相談を受けているところです。その業界の中で必死にやられているのですが、例えば、助成金を活用すればもっとバリアフリーが促進できるのでは(私は助成金制度推進センターの顧問もしています)、Table for Twoさんの活動を参考にすれば、企業とのコラボレーションの工程がわかるかも、パラリンピックのすごい方々とのリレーションがあるので参考になるかも、など、その業界内だけでないところのヒントをお伝えしました。
感謝の会では、乾杯の挨拶と、顧問としての挨拶、だいたい5分くらいさせていただきました。「あなたの仕事はステキなストーリー」になっていますか?この問いかけに多くの方々に反響をいただくことになりました。


■ 若者が講演をセッティングした

助成金制度推進センターの関連で、山梨県の地方創生をやっている若者が、いろいろな県でがんばっている若者を集めて飲み会を開きました。なんと山中湖の近くの知り合いの方の一軒家に全国から若者が来ました。飲み会にこんなところまで来る?という驚きです。
そしてその参加者の一人が、聞かせたい若者がたくさんいるということで東京でイベントを開いてくれました。ここでも「ステキなストーリー創り」が心を揺らします。「売れた!」「勝った!」だけでなく、「幸せをたくさん作った」「思わず人に言いたくなってくれた」「ファンになった」そんな結果につなげられましたか?そんな結果になるといいなあと思って作業しましたか?そのことを意識すると、長いヒット・深いヒットが生まれます。
終了後、1人の若手が、
「あのお、このあと飲みにはいかないんですか?」
この言葉をきっかけに、講演よりも長い時間のマーケティングレクチャーが始まりました(笑)。


■ 助成金制度推進センターのセミナー

その若者たちも運営ボランティアとして参加した助成金制度推進センターのセミナー。厚生労働省や経済産業省の方にもご登壇いただきました。
雇用助成金は、ほとんどの企業が支払っている雇用保険から助成される。なので受け取るのは当たり前なのですが、ほとんどの中小企業は申請していない。しかも、条件が当てはまれば必ず受け取れるものなのに。ただし、ちょっとしくみや手続きが複雑です。そこでセンターが存在するわけですね。
大変勉強になるセミナーの後に100人ほどの方が来る懇親会がありました。顧問の挨拶は、あのマッサージ器で日本最大のシェアを取ったフジ医療器の創業者木原氏、元みずほでFiNC会長の乗松氏、カルビー元社長の中田氏、サンリオを支え続けたCFO山口氏、その御大たちのトリが、なんとこの中ではめっちゃ若輩者の私。
ここでも「ステキなストーリー」の話。
「助成金が入金された、今年のP/Lが楽になりましたね」ではなくて、「入金良かったですね、これで従業員の給料をあげたり、福利厚生に使ったりすることで、従業員満足が上がり、離職率が減り、その風土の中からステキな提案が出てくるようにしていきましょう。」
こうであるべきです。高揚した顔のみなさまとの名刺交換に熱が入りました。当たり前のことなのですが、当たり前にはできていないのも世の中なのかなと思います。


■ 静岡県にも呼ばれました

私がよく行くGINZA EDITというBAR。そちらでお会いした静岡県の工務店の社長と盛り上がり、仲間や銀行を集めるのでということで講演を依頼されました。
「とことん観察マーケティング」です。どんな場面でも通用する講演です。なぜならば、マーケティングは、「どんな誰に何をしてあげるとなぜ幸せになるのか」の追求だからです。そしてそれはイコール経営だからです。「誰」が曖昧になるとすべてがちぐはぐになります。みなさまの真剣なまなざしのなかでとても楽しくお話しすることができました。
2日間、小さく懇親会をしたのですが、「私、立っててもいいので末席にいることができませんでしょうか?」そんな熱心な社長もいらっしゃいました。
「東京の人の話は面白い」ではなくて、「よし、明日から自分のカスタマーに向き合うぞ」と言ってもらえると幸せです。


もっといろいろあるのですが、このへんで整理します。
助成金制度推進センターやMeroneは、私のやりたいことを理解してくれてほんとうに頼ってくださいます。私の居場所です。
GINZA EDITには、かなり通っています。会員制ですが、リクルートの後輩の店ということもあって、元リクルートの人、出版業界の人、いろいろな社長がいます。ステキな人とステキな人をつなげる居場所になっています。
最近、マーケティング顧問をしていて、たどり着いた場所が、「居場所」創りではないかと感じています。以前にレポートしたジャパンTCGセンター、トレーディングカードゲームの販売店での会議でも、ヘビーユーザーの居場所、ライトユーザーの居場所を真剣に考えました。そして合弁会社なので2社のパワーをちゃんとチームにしました。なんと過去最高売上になりました。
「ステキなストーリー」で考え、設定したお客様の「居場所」を創る。愚直にこれを伝えていきたいと思った1月でした。

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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