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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝能と古事記 ~音楽による 解体新書~ そして神田明神の思い

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
83回目のコラムです。今回は、神田明神 文化交流館4階令和の間にて、7月4日に行われた「能と古事記 ~音楽による 解体新書~」というイベントに行ってきましたので、それについて触れたいと思います。


■ 小渕暁子さん

以前にこのコラムでも紹介した小渕暁子さんからのお誘いで行ってまいりました。小渕さんは、元内閣総理大臣の小渕恵三氏と、エッセイストなどとして活躍する小渕千鶴子氏の長女です。玉川大学文学部芸術学科卒業後、グリーティングカードメーカー企画室を経て、1994年に独立しaube designを設立。イラストレーター・グラフィックデザイナー・ファッションデザイナー・エッセイストとしてご活躍されています。イラストを中心にステーショナリグッズ、タオル、ハンカチ、エプロン、ネクタイ、メガネ等のデザインと商品企画、企業のブランドマークデザイン、デザインコンサルタントを手掛けています。温かみのある作風で人気があります。助成金制度推進センターの「あしたのミカタセミナー」で講演をしていただき、そのときに私がモデレーターを務めさせてからのご縁です。共演の後、青山にご自分のデザインのグッズのショップを出店されて、お祝いに行って以来の再会となりました。ご本人は、「もっと感謝をお伝えしなくてはいけないのに時間がたってしまって、なんとか機会をいただければ」とのことで声をかけていただきました。光栄なことです。


■ 神田明神

これも私にとっては感慨の深い場所です。顧問先の企業の多くが神田明神で年初の参拝をします。盟友で元サンリオの鈴木さんという方(私が「ステキ」という言葉にこだわるので、すてきカンパニーという会社を起業されました)が、神田明神が力を尽くす伝統文化・エンターテインメントのうちのエンターテインメントの方を担当されています。このホールでは、伝統文化はもちろんのこと、アイドルやアニメも文化ととらえています。古来から神社はそういうものであるという考え方ということです。さらに。これも以前のコラムで書きましたが、友人のメンタルトレーナーの出版パーティーでは、この文化交流館にてプロレス式出版パーティーを行わせていただきました。プロレスのリングを中心にした出版パーティーで、プロレスラーもたくさん参加していただきました。あくまで私見ですが、インスタ映えを狙った集客戦略をとる神社仏閣とは根底が違うような気がします。


■ 能と古事記 ~音楽による 解体新書~

日本の神話とされている古事記ですが、学校授業では深く習いません。日本人の古きを知ることを、ただ朗々と読むだけでなく、音楽の力を借りて伝えやすくしたいという取り組みでした。今回はヤマタノオロチの神話までを、能の古典音楽とオリジナル曲にのせたミュージックストーリーで伝えるという会でした。楽曲としては、「アマテラスオオミカミ」「神楽三輪」「スサノオとヤマタノオロチ」「音源郷」、そして、アーティストによるトークショーというプログラムでした。笛と小鼓は、能を知っている方ならピンとくると思いますが、そこに、ピアノがフューチャーされ、うたと語りをステキな存在にしていくというものでした。私も日本史は好きな方なので、そして言葉もわかりやすくしていただけたので、世界観にはまり、日本の歴史全26巻セット(中公文庫)をまた読み直したい衝動にかられました。


■ アーティスト紹介

うた/語り:深結 Myu
「音楽は国境を超える」と平和を祈り歌う。
劣化ウランの影響を受けたイラクの子供と作った歌や各国で国交樹立式典、世界遺産、インド、スリランカ、オーストリア、バチカンや伊勢神宮、出雲大社など全国の神社仏閣聖地での歌唱や日本文化を伝える活動を行う。出雲観光大使。島根県親善大使。

ピアノ:JaXon
ピアニスト/作曲家/編曲家。
理工系頭脳と関西お笑いスピリットを持ち合わせ、国内外、旅を重ね音楽制作と演奏活動中。
2009/piano album「JaXon」発表。
楽曲制作提供;文芸社CM、学研/子供番組、THE GATE HOTEL TOKYO、AlfaRomeo、「夕張のうた」、映画「呪女」、日本スリランカ合作映画「Keep A Flower」ほか。2021/「The Magic Touch Of Afternoon BAND」開始。

笛:松田弘之
笛方森田流。
1978年、舞囃子「安宅」にて初舞台。1993年、「清経 恋之音取」を披く。その後、「卒都婆小町」「鸚鵡小町」「姥捨」「檜垣」などの大曲・秘曲も披演。東京を中心に舞台活動を行い、復曲や新作にも積極的に参加、海外公演にも多数出演。その他、語り・ダンスなど多ジャンルとの共演など幅広く活躍。国立能楽堂養成課講師。2017年、第38回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。

小鼓:大倉源次郎
能楽小鼓方大倉流十六世宗家。
1957年、大倉流十五世宗家・大倉長十郎次男として誕生。1985年、宗家継承。2017年、重要無形文化財保持者各個認定。観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。2019年、フランスLV財団より招聘を受けシャルロット・ペリアン展覧会能楽公演制作。


■ 協賛の一般社団法人千代田中央文化交流推進機構

2018年12月にオープンした神田明神文化交流館『EDOCCO』を交流の拠点として、江戸東京の中心でもある千代田・中央両区とその周辺地域で継承してきた優れた伝統文化と新しいカルチャーを多くの人々に発信しながら地域社会に貢献することを主たる目的として、2019年11月に設立されています。神田明神へお越しの際は、ぜひこちらにもお立ち寄りください。

千代田中央文化交流推進機構の思いを抜粋しておきます。

創建1300年記念事業の一環として、新たに取り組みを強化する神田明神及び周辺地域の全国的な知名度の向上と来街者の増加を目指す「地域連携施策」や、化交流館『EDOCCO』を主たる拠点として、国内外に、東京・江戸の上質な文化芸術を発信する事業を神社と連携し推進する。

デジタル化の推進、キャッシュレス、ブロックチェーン技術の一般化、個人情報保護法の強化、雇用・労働環境の変化など複雑化する時代環境の下で、SDGsへの対応、知的財産の防衛、メタバースやNFTなど高度な取り組みが求められる事業領域についても、専門家のネットワークを活用し、神社とともに積極的に対応する。

日本の伝統的な文化芸術から、Jポップ、ジャズ、室内楽のライブコンサート、錦絵、現代アートなどの展覧会を主催あるいは支援し、文化交流館にとどまらず神社各施設を活用し、国内外における神田明神の文化交流・発信拠点としての存在感を高める。

神田明神の周辺商店、千代田区・中央区の大学、地域団体、交通機関、周辺史跡、宗教施設などとの連携を強化し、ライトアップや夜市などのイベントの開催などを通じて、国内外に地域の情報を発信し、インバウンドやマイクロツーリズムの需要に対応することで、神田明神を核とする地域全体の活性化、地域への来街者の増加を目指す。


目新しい言葉もたくさん並んでいるという印象を持ってしまう方もいると思いますが、実際に行ってみたり、イベントに参加してみたりしてみると、お題目ではなくて、強い意志でチャレンジしていることがわかります。文化を守りたい、文化を進化させたい、その時に、行動できる強い意志と、志を同じくするチームが必要であると改めて感じました。

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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