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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝ステキなストーリーがたくさんの笑顔を創る

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
84回目のコラムです。今回は、私が長年行っている「とことん観察マーケティング」の講演の最近、つまり事例も増え、ステキなストーリーを創ることが大事!を話す機会がたくさんありましたので、そのへんを書いてみます。


■ Spinartプレゼンツ「Crazy NOVA‘s NO VAnity!」初の生配信

日頃からみなさまにお世話になっているSpinartの動画番組です。私と清水代表がMCを担当し、木村代表がプロデュースしています。木村代表と清水代表はミュージシャンでもあり、したがって(という表現が良いと思いますが)配信機材や撮影機材についても大変詳しいので、スタジオがどんどんバージョンアップしていっています。2人ともリクルートの先輩でもあるので私はいつも平身低頭です(少し嘘です)。これからは、アーティストの皆様をお迎えして生配信をすることが想定されます。迷惑をかけないように、まずは身内で生配信をテストしてみました。
ゲストがいないので、清水代表が、マーケターとしての私をインタビューするというプログラムにしました。講演はずっとやっているので、聞かれる側はとても楽ですね。ありがたい。以前にも清水さんのラジオ番組で取材していただいた時がありました。清水さんは私の著書に無数の付箋を貼っていました。実はめっちゃ勉強熱心な方なんです。過去の「NO VAnity!」も覗いてみてください、清水さんがうまくコントロールしています。
以前のコラムにも書いたのですが、「マーケティング=この人を幸せにしたいと思った人の居場所創り」という感じがしっくりきています。居場所は、コンサートホールかもしれない、将棋の対戦を見ている空間かもしれない、いつもたくさんの人から声をかけられるBarかもしれない、推しに時間をかけている瞬間かもしれない、大事なものを所有することかもしれない。実際の居場所、心の居場所、これを意識していきたいですね。
番組では、私が連発する「ステキ」に対する清水さんの微妙に感じるポイントなど、ただのインタビューにはなっていません。通常は、先生になることが多いので、清水さんとの対話はとても新鮮でした。お時間があればぜひ楽しんでみてください。
Crazy NOVA's 【NO Vanity!】#16 - 初ライブ配信! お試しな感じだから今回はNOVAを掘り下げ!


■ 脱線しますが、推しと言えば

先日ものまねのコロッケさんが大好きな親子の家にコロッケさんが行くという番組を偶然見ました。たしか「推しといつまでも」という番組でしたね。コロッケさんが来るということでおもてなしを考えます。親子はコロッケさんが経営しているコロッケ屋さんの味を全部知っていて、相当の種類があるのですが、そこにないコロッケをお母さんの得意料理との掛け算で作ることを決めます。そしてコロッケさんの好きなところランキングクイズを作る。最後はお子様が劇団に所属しているのですが、劇団員のみなさまと2日間で作り上げた「コロ太郎」の5分芝居をコロッケさんに披露するというものでした。
お子様はコロッケさんの芝居に出演することを夢見て劇団に入ったとのことです。コロッケさん自身もそうですが、親子の有頂天ぶりもステキでした。そしてけっこう泣いて見ている自分もいました。
ビッグモーターや日大アメフト部不祥事など経営者の言い訳を見続けていますが、何度か紹介した「世界!ニッポン行きたい人応援団」にしろ、この番組にしろ、人間が感じる「ステキ」を作る力がテレビにもまだまだあると感じるとほっとします。


■ Merone×ブックオフ

8月に入って、Merone、ブックオフチャンス、CDGというところで1週間に3回講演をさせていただきました。
過去のコラムでも書いているのですが、Meroneは、ママたちのステキなストーリーの実現をサポートする会社。ブックオフチャンスは、ブックオフとスペースチャンスの合弁会社で、トレーディングカードゲームの専門店。両方とも私の顧問先です。CDGは、私が以前在籍したキャラクターマーケティング会社のレッグスと合併したプロモーション会社です。上司の命令を鵜呑みにしない、前例がないからやらないと考えない、原価が高いからとあきらめないこと等、大事にしてほしいことをすべて事例でマーケティング用語を使うことなく伝えます。聞きたくて聞いている方々なので、こちらも熱が入りますし、みなさんの真剣なまなざしにどんどんのってしまいます。1回ごとにしゃべりたい事例が増えてしまうのでコントロールが大変です。最近の講演では、ステキなストーリーの1つとして、Merone×ブックオフの話をします。
Meroneには1000人の生徒さんがいます。若年のシングルマザーで苦労されている方もたくさんいます。なかなか勤めもできないし、助成金などの知識もあまりなかったりして生活に苦労しています。家でできること=メルカリなどで商品を販売することをサポートします。ブックオフにとっては手段が競合とも言えます。組むのは難しいと考えたのですが、日本があまりこの子たちに手を差し伸べていない以上、民間で支えないといけない、将来の宝を一生懸命育てている人たちです。ブックオフのファッションの販売でどうしても品物が動かないジャンルや層があります。ほっておくと廃棄になってしまいます。それはCO2を出すということです。それをこの子たちに仕入れさせてはどうかと思いつきます。もし売れれば、シングルマザーの生計に貢献できる。ハンバーグを夕食に追加できるかもしれないし、塾に行かせられるかもしれない。私たちは、モノだけではなくてストーリーをつけることなどを共有をします。みなさんの顔は真剣そのものですし、質問も止まりません。それができれば、私たちも、ブックオフも、ママさんたちもみんなうれしくて誰も困らないことが実現します。
私が昔から成功してきたキャンペーンはほんとに誰も困らない、むしろ関る人全員がうれしいものでした。ミッフィーのお皿がもらえるのと同時に、母子家庭協会にも寄付ができているキャンペーン、その成功によって商品が売れたローソン、ステキに参加できたミッフィーのライセンサー様、ほんとに誰も困ってない。
競合ではなくて、ステキを一緒に創る仲間になった瞬間を体験しました。ステキなストーリーを創ることの大事さをまた一段高く感じました。

(ここに何か主語を入れましょう)私は、うちの会社は、この商品は、このプロジェクトは、この作品はなど。
どんな誰に何をしてあげるとなぜ幸せになってくれるのか…を追求する。
悩んだらカスタマー(お客様でも全然良いのですが、ユーザーだけではないという意味)に聞く。
わざわざ訪問してくれる(店舗でも会場でもサイトでも)理由を創る。
ステキなストーリーで考える。

これを大事にすることが、アーティストのみなさんの何かのお役に立てれば幸いです。

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ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
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