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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝デフ・レパード×モトリー・クルー@Kアリーナ横浜

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
91回目のコラムです。11月3日デフ・レパード×モトリー・クルー@Kアリーナ横浜という夢のカップリングのライブに行ってきました。音楽専用アリーナとして新しく創られたKアリーナについて触れてみたいと思います。ちなみに、80年代ヘヴィメタルフリークとしては最高のカップリングによるライブでした。


■ ケン・コーポレーションが仕掛けるミュージックテラスという構想

ミュージックテラスは、ケン・コーポレーションが横浜市西区の「みなとみらい21地区」に新設した大規模複合施設で、Kアリーナ横浜…地上9階の音楽アリーナ、ヒルトン横浜…地上26階のホテル、Kタワー横浜…地上21階の事務所で構成されています。Kアリーナ横浜を中心とした、音楽と飲食とエンタメを同時に楽しめる場所としてオープン、世界中から「Kアリーナ横浜」へ訪れるゲストや地域の人々が集うことで、音楽と日常が交差し、新たな音楽やアーティストが生まれる場にしたいという想いを込めて「ミュージックテラス」と名付けられたそうです。Kアリーナ横浜、ヒルトン横浜、Kタワー横浜、さらに水辺を臨むウッドデッキ、レストランやショップなども常設し、多彩な楽しみ方が出来る空間であり、Kアリーナ横浜で開催されるライブ・コンサートと連動したイベントなども行われます。 Kアリーナ横浜は9月29日に「ゆず」のこけら落としライブで幕を開けています。ヒルトン連結なんだあと思ってケン・コーポレーションのホームページを見たら、ヒルトンだけでなく、ハイアットリージェンシーやnikko hotelsなども傘下にありました。


■ Kアリーナ横浜

Kアリーナ横浜のコンセプトが以下になっています。
すべては『音楽』を楽しむために、音楽の素晴らしさを、より深く感じていただくための設備を細部にまで詰め込んだ“K-Arena Yokohama”。アーティストが奏でる音楽を心ゆくまでお楽しみください。

TV番組でも何回も特集されていましたが、完全に音楽に溶かした大型アリーナになっています。
そのポイントは、
・すべての座席を、ステージ正面を向けた扇形に配置し、アーティストの表現が真正面から真っ直ぐに届く。
・全席に良質かつ迫力のある音を届けるハイクラススピーカーを設置。
・全席に長時間快適に過ごせるファブリックシートを導入。カップホルダー2個をイスに設置。
・館内11ヶ所に売店を常設。どの席からでも移動や待ち時間などストレスなく利用できる。老舗尾島商店のお弁当・カツサンド・焼売に加え、各種スナック・アルコール・ソフトドリンクを提供。
・施設内外に潤沢なコインロッカースペースを確保。荷物を持つ煩わしさから解放される。
・会場内にバーラウンジを常設、ライブの感動を仲間と分かち合う場として活用できる。ライブを観に来たゲストだけでなく、近隣で働く方や横浜に遊びに来た人も利用できる。
・アリーナ内のコインロッカー以外すべてをキャッシュレス化。
・ミドルラウンジは、約400席の飲食スペース。公演の余韻を分かち合いながら、ゆったりと飲食できる。
・VIP Kアリーナは、契約者専用フロアで、特別な鑑賞スタイルを提供。
といった感じです。音楽に特化し、より便利にそして没頭できたり、共有したりすることを想定した設計になっていることが分かります。


■ 課題について

多くのSNSでも課題についての投稿があります。今回は2つの大物バンドでしたので、2つのライブの間に30分休憩がありました。セットチェンジの時間ですね。満員の観客(座席は約2万席)が一斉にトイレに移動します。数も少なくはないのですが、アリーナから外側に出てトイレに並び始め、その列の後方が再びアリーナの中に続いていきました。このことを想定して列を折り返すなどのオペレーションには気を配りたかったですね。また、売店はたくさんあることも売りになっていますが、ドリンクの行列もなかなかすごくて、後半のモトリー・クルーのスタートに間に合わない人もいました。2バンドだったので特別だったのかもしれませんが。そして帰路。行きは、アンパンマンミュージアムの横を通って最短距離で会場に向かうのですが、帰りは規制退場がなく、また夜間は店舗などのないビル街ですので、方向も分からず遠回りする道を歩いて帰される状態でした。近隣の迷惑にならないようには配慮されていましたが。横浜駅からの直通の歩道橋も開通するそうですし、いくつかのルートもあるのですが、それを全員同じ通路で帰すことになっていたので、駅までの時間がそうとうかかりました。こうしたファンの声をSNSやインタビューで聞きまくって、さらに良い環境にしていって、最高のミュージックスペースにしてほしいですね。


■ ライブは…

ライブの方は、デフ・レパードは往年のままのすばらしい演奏。亡くなってしまったスティーヴ・クラークの画像も出てきてオールドファンも涙しました。受け継いだヴィヴィアン・キャンベルも完全に溶け込んで、ほんとうにチームワークのいいバンドだなあと感動しました。交通事故で左腕を失ったあと、シモンズ社が製作した右腕と両足だけで演奏できる電子ドラムで猛練習したリック・アレンの復帰を待って活動再開したあたりにもそれがうかがえます。モトリー・クルーは、オリジナルメンバーのミック・マーズに代わり、マリリン・マンソンなどで活躍したジョン5が加入。独特のプレイを披露しました。私がヘヴィメタルに大きくはまったきっかけは、メタリカとモトリー・クルー。40年以上のベテランが、続けていること、新しいチャレンジもしていること、コロナが明けてツアーできる喜びを全身で表わしていることの感動がありました。また近年は、体重の増加や風貌の激変も含めた劣化による残念なパフォーマンスをするバンドも散見されますが(全く人のことは言えませんが)、心配されたヴィンス・ニールのクリアな声はとてもよかったです。リスペクトするNikki Sixxを生で見ることもできて感謝です。ありがとう!!!

興味のある方には、おおよそ合っているであろうセットリストです。ヒット曲の数々、よだれが出ます。

モトリー・クルー

Wild Side
Shout at the Devil
Too Fast for Love
Don't Go Away Mad (Just Go Away)
Saints of Los Angeles
Live Wire
Looks That Kill
The Dirt (Est. 1981)
Rock and Roll / Smokin' in the Boys Room / White Punks on Dope / Helter Skelter / Anarchy in the U.K.
Home Sweet Home
T.N.T. (Terror 'N Tinseltown)
Dr. Feelgood
Same Ol' Situation (S.O.S.)
Girls, Girls, Girls
Primal Scream
Kickstart My Heart

デフ・レパード

Take What You Want
Let's Get Rocked
Animal
Foolin'
Armageddon It
Kick
Love Bites
Promises
This Guitar
When Love and Hate Collide
Rocket
Bringin' On the Heartbreak
Switch 625
Hysteria
Pour Some Sugar on Me
Rock of Ages
Photograph

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