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Logo Mark「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝東京ヴェルディが16年ぶりにJ1復帰!

野林徳行

ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...

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野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
アーティストのみなさんと接する機会も多いのですが、どんな人の心を揺らしたいのか、何を感じてほしいのか、人に言いたくなってしまうことはどうしたら起こるのか、そもそもあなたのアートによって人はなぜ幸せになるのか…答えは1つではありません。でも、常に考えていたいですね。そんな皆さんのヒントになれば幸いに思います。
92回目のコラムです。12月2日行きつけのBarの方のお誘いで国立競技場で実施されたJ1昇格をかけた東京ヴェルディvs清水エスパルスの試合を観に行きました。このコラムでは、スポーツ観戦と言えばプロレスが多かったですが、せっかくの機会でしたのでこの試合をコラムに記します。


■ サッカー観戦っていつ以来?

1992年5月15日に国立競技場でJリーグの歴史はスタートしました。記念すべき開幕戦はヴェルディ川崎VS横浜マリノスという日本代表選手のほとんどを有するチームの黄金カードとなり、スタジアムは6万人近くの観衆で埋め尽くされていました。テレビで見ていましたが、日本代表の雄姿を見て好きになってからの開幕戦でしたので、かなり興奮していたのを覚えています。ヴェルディ川崎のマイヤーが歴史に名を残す初ゴールを決め、その後、横浜マリノスが反撃し、ラモン・ディアスのゴールで2-1と逆転勝利を収めたことも映像として覚えています。しばらくはJリーグの各チームの勝敗に一喜一憂したり、J1とJ2の入れ替えとか、企業ではなくて地域が闘うというおもしろさも感じながら観ていました。当時は、キングカズやラモスなど日本代表選手の多くが在籍するヴェルディ川崎が好きでしたが、J1から転落し、観戦が遠のいていきました。ローソンチケットの社長になった時に改めて、地域に根差したビジネスのおもしろさ、地方のローソンとのタイアップ、そして。古巣のリクルートの先輩にあたる村井満さんのチェアマン就任と、ややビジネス的な関心はあったもののあまり観戦にのめりこむほどではない日々が続きました。今回の観戦は、行きつけのBar(これも元リクルートの店主)のお誘いで、ヴェルディ(現東京ヴェルディ)の方が、(これもまた元リクルートとのこと)来店して、J1昇格をかけた試合があるから観に来てほしいということでのお誘いとなりました。新しい国立競技場も見てみたいと思ったので、また久しぶりにヴェルディという名前も聞いたので、行ってみようということになりました。


■ どっちの応援?

私には、東京の銀座・新橋に元リクルートの人が経営する行きつけのBarが2つあります。1つのBarからのお誘いで東京ヴェルディの応援席につきました。もう1つのBarには、静岡市清水区在住の経営者をはじめ清水エスパルスファンがいます。4チームによって争われたプレーオフを勝ち抜き、残された最後のJ1行きの切符を手にするクラブが決まる世紀の一戦でした。東京ヴェルディは、J2リーグで21勝12分9敗で勝ち点「75」を積み上げて3位、一方、清水は20勝14分8敗の勝ち点「74」で4位という結果。1位と2位は自動昇格で、この試合の勝者が3番目に昇格するというシチュエーションでした。Jリーグを知らない人でもヴェルディを知っていたり、清水エスパルスってJ2なの? J1で優勝争いしていたチームじゃないの? という感じだったと思います。清水エスパルスにしてみれば当然の居場所であるJ1に戻らなければならない。東京ヴェルディはJ1復帰となれば16年ぶりという悲願に近い状況。そんな対戦の観客数は、5万3264人と超満員。J2ってこんなに観客が入るの?と驚きました。入場はすべてQRコード。なので1人の単位まで即座に観客数がわかる仕様になっていました。2つの店の常連としては、SNSの投稿の言葉に気をつけながら(笑)、せっかくの観戦を楽しみました。応援合戦はほんとうにすごかったし、ファンの熱さは、体験できてよかったなあと思います。


■ 試合は?

立ち上がりから清水エスパルスが押し気味で、ゴールに迫るシーンを作っていました。素人目に見ていてもボールを持っている時間がエスパルスの方が長いなあという印象。前半は、清水エスパルス押し気味のまま、スコアレスで終了。後半に入っても清水エスパルスが押していて、ついに61分にPKを獲得し、先制点をあげます。勝ち点を1点リードしている東京ヴェルディは、引き分けでもJ1昇格を決められるのだが、なかなかゴール前までボールを運ぶことができない。このまま清水エスパルス1点リードでアディショナルタイム(ロスタイム)に突入しましたが、3分ほどが経過したところで東京ヴェルディが、PKを獲得、土壇場で試合を振り出しに戻した。試合はこのままタイムアップ、J1昇格プレーオフは後半のアディショナルタイムにとんでもないドラマが待っていました。これによりレギュラーシーズンで順位が上のヴェルディがJ1へ昇格。2008年シーズン以来、16年ぶりのJ1復帰を決めました。どちらのチームも悲願であったので、興奮の瞬間でした。東京ヴェルディの多くのファンがあきらめかけていたロスタイムでのPK獲得は、国立競技場が揺れるほどの歓声でした。


■ 終了後

東京ヴェルディの選手が表彰されている中で、清水エスパルスの応援団は帰ることなくとどまっていました。東京ヴェルディの応援団も清水エスパルスへのエールを送りました。サッカーは、サポーターが暴れて出入り禁止になるなどのこともニュースになりますが、ほとんどのサポーターがこうしたリスペクトをもったものなのだということの方をニュースにしてほしいですね。5万人を超える観客だったため、ゆったりの退場となりました。駅までの道のりは多くの清水エスパルスのサポーターと一緒になりましたが、悲願がかなわなかったことから、少し元気がなかったですね。それでも、自分の人生をかけて応援しているサポーターってすごいなあと思った瞬間でもありました。


チームのユニフォームを着て、大声で応援する。家族が同じユニフォームで結束して応援する。一糸乱れぬ応援のパフォーマンス。どのプロスポーツでも似ているのだとは思いますが、応援する熱狂、そして熱狂をサポートするグッズやパフォーマンス、たゆまぬ練習。マーケティング的にもいろいろ観察してしまいました。よくコラムに書かせていただく新日本プロレスも、ユニット抗争をしているので、個人というよりもユニットのTシャツを家族で来ながら応援していたり、アイドルコンサートでよく見かけるデコッたうちわの数々、エピソードを理解したWWEばりの手製のボードなど、熱狂を楽しみツールにも注目です。

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