連載記事2025/10/09
「ステキ」をベースに考えるインディーズ・マーケの肝【定点観察】コンビニの店頭幕 2025.4〜2025.9
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
野林徳行です。
「Spinart」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいています。
133回目のコラムです。今回は、定点観察として定期的にレポートしている「コンビニの店頭幕から戦術を読み取る」です。
今回は、2025年4月から2025年9月の店頭幕です。みなさんにとって当たり前の風景のコンビニエンスストアですが、よくよく観察してみるとそれぞれの戦術が見えてきます。コンビニがどれもこれも同じ戦術なわけではないのです。
4月:パン350円購入ごとに対象の飲料無料券もらえる
4月:おにぎり350円購入ごとに対象の飲料無料券もらえる
5月:サクっと軽いのに大満足パン!
5月:ふわしゅわ濃厚泡スイーツ
6月:50周年の感謝を込めて お値段そのまま50%増量
7月:Mrs.GREEN APPLE オリジナルグッズなどが当たる
7月:新手巻おにぎり誕生!
7月:ガブじゅわ!まんまる鶏
8月:からあげクン月島もんじゃ海鮮味
8月:冷しクリームパン
9月:スタミナフェア ギルティパラダイス
9月:クリームを味わう スイーツパン登場!
ローソンの定番企画「パン350円購入ごとに対象の飲料無料券もらえる」「おにぎり350円購入ごとに対象の飲料無料券もらえる」。
おそらく飲料の無料分はメーカー負担だと思いますが、この企画によって対象になることで全店での品揃えが促進されます。
この半年は、大満足パン、スイーツパン、冷しクリームパンとパンとスイーツの間を行き来するチャレンジ企画が目立ちました。
テレビ番組でもスイーツを中心によく登場しています。
コンビニ各社ともに、お値段そのまま増量企画、背徳メシのような企画が入ってきています。
エンタメ企画が減っている印象のローソンですが、大人気のMrs.GREEN APPLEの企画は他社に取られないように押さえていますね。
4月:大阪・関西万博開催記念 世界ごはん万博
4月:え!こんなにジューシー 若鶏のからあげ
5月:感謝祭 お値段そのまま 人気商品増量祭
6月:マシッソ! 韓国イチ推しグルメ
6月:うまいもの大集合
7月:おトクが続く!おかわりクーポン祭り
7月:メジャー級グルメ(MLBタイアップ)
7月:真夏のグルメ 旨辛界隈
8月:セブンプレミアムゴールド セブンプレミアム
8月:あま~い ご褒美時間
9月:贅沢ダブル具材!相盛りの幸せ
9月:秋をほおばれ!
セブンは、テーマごとに商品フェアでラインナップをそろえて展開している印象です。
世界ごはん万博、韓国イチ推しグルメ、うまいもの大集合、メジャー級グルメ、真夏のグルメ旨辛界隈、秋をほおばれ!と、ジャンルをまたがった10種類程度の商品開発が続いています。
開発は大変そうです。
また野球コラボとしては、ファミリーマートが大谷翔平を使うならセブンイレブンはMLBを使うという流れになっています。
贅沢ダブル具材!相盛りの幸せは、人気の具材を2種類おにぎりの中にいれてしまう新しいチャレンジ企画です。
4月:しっとりもちもち 白生パン誕生
4月:チーズスイーツだらけ
5月:新ゴディバフラッペ
5月:名店監修うまい麺
6月:1個買うと1個もらえる
6月:ファミチキレッド新登場
7月:おいしいハワイを食べつくせ!
8月:ざっくり40%増量作戦 お値段そのままデカくてうまい
8月:シンおむすび二刀流発見
9月:クーポンあげちゃう グッズあげちゃう あげあげ祭
ファミリーマートは話題の新商品開発を推しています。白生パン、チーズスイーツ、ゴディバフラッペなどなど。そして、麵やおむすびは名店を2店ラインアップして対決企画的な感じの食べ比べを煽っています。そしてファミチキレッド…ついにファミリーマートにもレッドがあらわれましたね。
定番の「1個買うと1個もらえる」に加えて、クーポンもグッズもあげちゃう あげあげ祭という新企画がスタートしました。
店頭幕には登場しませんが、ファミマ色のソックスがきっかけとなったファミマの日用品が次々に仕掛けられているのも注目です。
4月:プレミアムソフト 濃い宇治抹茶
4月:北海道ミルクソフト
4月:パチパチクリームソーダ / 深煎りコーヒーゼリー
5月:果実氷 練乳いちご
5月:パチパチレモンスカッシュ / 夏のなめらかプリンパフェ
6月:果実氷 ブラッドオレンジ
6月:くりーむミルクコーヒー / 長野県産シャインマスカットソフト
7月:深煎りコーヒーゼリー / パチパチさわやかソーダ
8月:完熟白桃パフェ
9月:茨城県産紅はるか使用 プレミアムソフト モンブランキャラメリゼ
9月:なめらかプリンパフェ
スイーツ戦略のみで展開するミニストップの希少価値の高い素材が健在です。
濃い宇治抹茶、果実氷ブラッドオレンジ、長野県産シャインマスカット、茨城県産紅はるか使用モンブランキャラメリゼ。アイデアが溢れていて、2週間で店頭幕はチェンジしますが、その後も売っているので、店頭に立っているのぼりやガラス面が商品でいっぱいになっています。希少価値を次々に味わいたいですね。
昨年の同じ時期の店頭幕のコラムと比較してみたのですが、各社とも新しい試みがどんどん出てきているかというと人気企画の踏襲というイメージが強かったです。常に新しい商品・サービスを出し続けるコンビニエンスストアですが、スイーツ×パンなど具材のコラボとか、驚き=価格アップのようなトレンドになっている気がします。「このチェーンほんとうに唯一無二!」みたいなものは難しくなっているのかもしれません。
そんななかでファミマの日用品は攻めている感じがします。
また、コンビニ各社が、ナチュラルやヘルシーになびいた時期もありましたが、増量・背徳・マシマシなものが増えてきました。売れているということは、コンビニエンスストアに求めていることの1つなのだと思います。コンビニエンスストアには「許される罪悪感」みたいなものは大事なのでしょう。
エンタメコラボ、名店コラボ、メーカーコラボ…そして具材までコラボし始めたこの半年でした。
みなさん、秋のコンビニエンスストアも楽しみましょう。
ヘヴィメタル、プロレス、モータースポーツをこよなく愛するマーケター。
常に、カスタマー(お客様)の心を揺らし、「ステキ」創りをストーリーをもって実現することで成功に導く活動をしてい...
準備中