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Logo Mark脳内伝言板地図のない旅 (16) 屋久島へ 3

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

二十代前半人生は一度きりだと腹をくく...

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その後もしばらく島にいてほかの登山道を日帰りで遊びに行ったり魚釣りしたりして過ごしていた。
流石離島だけあって海は魚影が濃い。大型のGT(ロウニンアジ)も結構上がっていた。私は基本的に旅の途中はすぐに食べられるサイズの魚やイカなんかを狙って釣っていた。

ある時、川沿いの崖から飛び出した木に登れる場所があり気持ちが良さそうなのでよじ登った。そこで木に絡んでいるツルに沢山の実がが成っているのを見つけた。大きさは1〜2cm位かな。ナイフで二つに割ってみると薄いみどりに黒い種で、完全にキウイのミニチュアみたいな感じ。試しに食べてみるとウマイ!! 味はキウイその物。その後調べてみると「サルナシ」と言われる植物で、その後探してみると山に行けばそこらへんで見かける。ただ実をつけるのは雌の株だけらしく私が見る限りでは圧倒的に雄が多いいように感じるので実がなっているものは中々見つからない。この木の実に出逢ったときは何だか凄く感動したのを覚えている。無知ゆえの感動なのだが。これを踏まえると、きっと人生死ぬまで感動はあるだろうと思えて来る(めでたい性格だ)。

またその木の下はすぐに海岸が広がっていてそこでなにやら探し物をしているような人影がある。何だか気になり海岸へ降りてみると、その人は流木を拾っては削って匂いを嗅いでいる。なんとなくピンと来て屋久スギですかと尋ねるとビンゴ! 屋久スギは今では切るのを禁止されている。地元の工芸家さん達は海岸に流れ着いた屋久スギを見つけ加工したりもする方もいるみたいだ。拾っている人にコツ等を聞きながら探していると、もう一人やって来たんで結構穴場的な場所だったようだ。

ある程度の塊を探すのだが、それでも破片になっているので本当の所は屋久スギになっているのか(樹齢1000年未満のものは小杉と言うらしい)わからないが、またこれが面白くて、明らかに木目や重さ、削ったときの匂いが違うものがある。油分が多い為か匂いが強く、魅力的だったのを記憶している。また当時帰ると大工仕事をしていたので屋久島へ行ったことでより杉の樹やその他建築資材の樹そのものへの関心が強まった。
現在築150年の古民家を不用品で「成り行きリホーム」している。(こちらもそのうち記事にしたいと思っています。)偶々アラシと呼ばれる材料(杉の板)があるのだけれどもそいつが少しまとまって手に入った。床板にするには柔らかすぎるかな?と思いながらもカンナをかけて仕上げに張ってみた。想像以上に優しい雰囲気でそれは足の裏にも感じる。とても気に入っている。もちろんキズ付きやすいけれども私の生活スタイルには何の問題も無い程度だ。

ある時海で魚釣りをしていると偶々行き会った女性ライダーからこの島に面白い宿があるという情報を頂いた。その人はアレルギーがあり自然食しか食べられないのだそう。旅先でも泊まれる宿が極端に限られるとの事だった。まだネットとかない時代だから結構大変だったと思う。

気になるそのお宿は電気は自家製の風車で飲み水は川の水で確か一泊メシ付きで1500円くらいだったと思う。それまで宿に泊まるというのはあまり興味を惹かなかったが、ここには行ってみたいと純粋な興味を持った。

             〜屋久島へ 4続く〜

TOP写真は陶器のぐい飲みです。


Brain II 【未来の記憶】より

【未来の記憶】

モノには様々な時間軸があり 再生と破壊を繰り返し転位していく
それは過去の記憶だけれども 繰り返す歴史は時に未来を見通すような結末を招く

今、僕の中にある記憶は本当に過去の記憶だけなのだろうか?

           K.shirasuna

【白砂式花器】

金属 セメント 硝子 生花

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

1973年生まれ 静岡県出身 造形家/演奏家 農業高校造園科卒業 美術音楽共に独学。
パーカッション ディジュリドゥ奏者。

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