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Logo Mark脳内伝言板日本みつばちがかわいくて仕方ない4

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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毎日観察していると、みつばちは後ろ足に綺麗に花粉をくっつけて帰ってくる。白かったり、黄色かったりと、花によって様々な色の花粉。暑い日は沢山のハチが巣箱の入り口で羽を扇風機がわりに巣箱に風をおくっている。ものすごい働き者たち。そんな中ハチミツを採るのはなんだか申し訳なく思えるのだが、思い切ってハチミツを採取してみた。私は今のところ、重箱式巣箱というタイプの巣箱で飼っている。みつばちは多くの場合、上から下に向かって横並びに巣を拡大していくので、巣箱の横がいっぱいになるとあとは下に向かって巣が伸びていく。そして最初は卵を産んでいた上のほうの巣房にハチミツをためるようになり、一つの巣房がいっぱいになると蓋をして保管する。だから巣が大きくなってくると上のほうにはハチミツの貯蔵庫、下のほうでは幼虫を育てるという習性があるので、基本的には上のほうの巣房を切り取ればハチミツだけが手に入るのである。もちろん自然界のやることなので例外もある。分蜂といって巣別れする時などみつばちは蜂蜜を体にため込んで出て行く。また、冬場の食糧になっているので、一番上の段は空っぽで上から2段目には蜂蜜がいっぱい溜まっているなんてこともあるそうだ。巣箱は、一段の高さが約15cmで内径は約24cm角それを必要に応じて積み上げていくというもの。今回は4段目くらいまで巣がきていて、一番上の分を採蜜してみた。防護服(アマゾンで1000円くらいと皮の手袋これも中国製で600円くらいだったかな)を着て天井の板を外す。巣は蜜蝋で出来ていて、とても美しい。なんというか質感も強度も絶妙で、このはかなさや自然界の造形美がたまらなく愛おしくなる。一番上の巣箱を切り取りひっくり返してみると、更に感動的であった。たっぷりたまった蜜がこれまた美しい。そしていい匂い。薄い黄色というか琥珀色。巣房によってはすこし茶色というか飴色で、どちらも凄く美しい。混じりっ気がないという印象。なんでこんなものがこの中から出てくるのかと正直驚きというか、神秘的に思えた。

採取した巣箱をアトリエまで運び、巣房を切り出す。本当に綺麗に蓋がされているので包丁で巣房の蓋を切っていくと溢れ出す蜜。大きなタッパに少し底上げして切った巣房を入れておく。蓋をして2~3日ほど置いておくと、自重で蜂蜜が垂れてくる。それをキッチン用の油漉し紙で濾して完成。絞る機械を自作しようかとも思っていたのだが、これくらいの量なら垂れ蜜(自重)と残りは手袋して握力で絞る事で、十分問題ない感じだった。そんなこんなで3キロくらいの蜂蜜を採取することが出来た。日本みつばちの蜂蜜の量は、西洋ミツバチの3分の1から5分の1くらいといわれている。まぁ体も日本ミツバチのほうが一回り小さい。

初めての日本みつばちの蜂蜜。気になるお味のほうは、あっさりすっきりなんだけれど、激うま。私は普通に売られている蜂蜜は少し「えぐみ」を感じるので、例えばトースト等に塗る場合、あまりたっぷりつけて食べられないのだけれど、日本みつばちの蜂蜜は甘さも少し控えめなのか、たっぷりつけて食べると更においしい。まぁ贅沢だけれど。なんの花の蜜かはよくわからない。日本みつばちは基本的に百花蜜といって色々な花の蜜らしい。ここら辺の立地から推測するに春は川沿いに桜とか菜の花が多く、秋は栗の木畑があるのでそういった感じではないかと思う。日本ミツバチは西洋ミツバチの蜂蜜よりも糖度が低いらしく時間がたつと少し発酵するらしい。だからといって甘くないわけではない。もちろん十分甘い。その中にほんのり酸味があるのだけれど、これが何とも言えないくらい美味い。普段世話になっている人に少しずつだが差し上げているのだが、ものすごい好評である。

とまぁラッキーにも始めようと思い立って、すぐにみつばちとの出逢いに恵まれ、無事に冬を越し、分蜂を目撃し、採蜜までできた。これでなんとなく一回りしたように思えたんだが、実はここからがまた波乱万丈な出来事が続くのだけれど、それは次回に続く。

TOP写真は採蜜。巣房の蓋を切るとはちみつが溢れ出す。

日本みつばちがかわいくて仕方ない
日本みつばちがかわいくて仕方ない2
日本みつばちがかわいくて仕方ない3
日本みつばちがかわいくて仕方ない4
日本みつばちがかわいくて仕方ない5
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない 虫の道
続・日本みつばちがかわいくて仕方ない スズメバチの猛襲

グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜

グランシップ誰もがWonderfulアートは障害の有無を超え誰もが持つ豊かな感性や個性を認め合うきっかけの場となることを願い開催されているイベントです。
元々NHKのハートフルアートの流れから生まれたイベントで数年ほど前から静岡市のグランシップで開催しています。

【イベント名】グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜
【期間】2023年8月26日(土)〜9月10日(日)
【時間】10:00〜17:00 (入場は16:30まで)
【場所】グランシップ6F展示ギャラリー/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
【住所】グランシップ/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
    422-8019静岡県 静岡市 駿河区東静岡二丁目3番1号
    JR東海道線 東静岡駅 南口出てすぐ
【主催】公益財団法人静岡県文化財団

★鑑賞ツアー:2023年8月26日(土)(1)11:00〜/(2)13:30〜(40分程度)参加費無料※事前申込制
★白砂勝敏ライブパフォーマンス はこぶねおんがくかい:2023年9月3日(日)14:00から(1時間ほど)参加費1名500円※事前申込制

お問合せ:グランシップチケットセンター TEL054−289-9000


以下のリンクからグランシップイベントの詳細をご覧いただけます。
グランシップ誰もがWonderfulアート
※こちらのページ内の「PDF」リンクからチラシを印刷いただけます。どうぞご利用ください。

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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