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Logo Mark脳内伝言板日本みつばちがかわいくて仕方ない

白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
美術家、演奏家、パーカッション、ディジュリドゥ、ムビラ奏者。

20代前半人...

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去年、以前から興味があった日本ミツバチの巣箱を空いた時間を見つけては作っておいて庭先に転がしておいた。というのも古い木箱のほうが日本ミツバチの好みらしいので。そうしたものに蜜蝋を塗り、春先にミツバチが好みそうな場所に置いておく。そんなに簡単に入るものでもないので、気長にやろうと思いながらも始めなければ始まらないしと思いコツコツと準備していた。
ところが、ひょんなことから近所のSさんがミツバチが多分はいっている箱があるので欲しければくれるという。早速見に行くと小さな群れが入っていた(これはラッキーだった)。Sさんのご主人が趣味でミツバチを飼っていたらしいのだが、数年前ご主人が他界し、そのままになっていた巣箱にミツバチが入っていたらしい。気が付けばミツバチ生活がスタートしたのだが、そうは簡単ではなかった。まずSさんのお家から家までが近すぎて巣箱を動かすことが出来ないのである。ミツバチは半径2キロ圏内の景色を覚えているらしく、巣箱を移動する場合最低でも5キロくらい離れた場所に移さないと出て行ったミツバチが元の巣箱があった場所にいってしまうのである。

また頂いた時期が秋だったので、もしかして蜜がたまっているのかもしれないと思い上の蓋を開けてみた。ところが全く蜜がなくミツバチの数も少ないことが判明した。もちろんその時はそれがどういうことなのかあまり分かっていなかったのだけれども、それでも結構厳しい状態ということは感じた。さぁどうしたものか、色々と考えたあげく、自然農をしている知人の畑に一度運んで数か月後、春になったら家にもう一度移動することにした。これはミツバチの働きバチの寿命が2~3か月なので、そうすることによって戻ってこれなくなるミツバチが、なるべくでないようになるからである。

知人の畑には結構花もあり、消毒もしないのでいい環境だったと思う。現に設置に行ったときに他のミツバチが結構飛んでいた。ミツバチは分蜂といって、新しい嬢王バチが生まれそうになると古い嬢王バチが群れの半分くらいの働きバチを連れて新たなる巣を作るために出ていく。大体は春に何度か分蜂する。春分蜂が早い時期に行われた群れや、多分嬢王バチがめちゃくちゃ強いと、更に夏にもう一度分蜂することもある。これを孫分蜂とかいうのだけれども、いただいた群れは多分この夏に分蜂した群れなのだと思う。しかも夏分蜂2回目とかそういう感じではないかと推測できる。当然のことながら分蜂の回数が増えれば、嬢王バチが連れていく働きバチの数は減っていく。また春ならば餌も多く、連れていく働きバチの数も多いのでリスクは少ない。それでも新たな場所を探し新たな巣を作り、子供を産み育てるのだから大変なことだろう。ということで夏分蜂となると秋までの時間も短くなるし、働きバチの数も少ないので冬を越せる確率はかなり低くなる。そもそもなんでハチミツをためるかというと、冬を越すための食糧なのである。ミツバチは花粉と蜜を食べている。花粉を後ろ足に引っ付けて巣まで戻ってくるんだけれど、その姿がめちゃくちゃ愛おしい。ともかくこの群れは冬が越せるのか心配でしかたなかった。

週に1回~2回程度様子を見に伺っていた。冬が近づくにつれ少し心配だったので砂糖水(餌)を与えてみることにした。ミツバチが溺れないように工夫しながら簡単な餌箱を作って巣箱の中へ。2日~3日くらいして巣箱を見に行くと500ml入れておいた砂糖水は空っぽになっていた。想像以上に減るのが早い。週一くらいのペースで餌を追加しにいっていた。冬に入ったある日巣箱へ行ってみると、たくさんの働きバチが死んでいた。急激に寒くなったからなのか、アカリンダニが付いたのか、どこかで農薬を吸ってしまったのか? 理由はわからない。それからしばらくして巣箱へ行くと、ミツバチはいなくなっていた。なかなか難しいものだ。どこかで無事に冬を越していることを願うばかりだった。

翌年、春がきて、ミツバチのシーズン到来。去年いなくなってしまった巣から蜜蝋を作る。ミツバチの巣を水で煮てさますと、表面に蜜蝋が膜を張る。取れた蜜蝋をからの巣箱に塗る。この時巣くずを煮た水も捨てずにとっておき巣箱に塗ってみた。廃材で作った巣箱と採取した蜜蝋と巣くずを煮た誘引液のみと、まずはあり合わせで初めて見ることにした。庭に4~5箇所セットしたのだが、結果的には春は何もなく過ぎていった。また来年の春までお預けかと、こればかりはしかたなくあきらめていた。
それから数か月が過ぎたある夏の日、家で仕事をしていると、かみさんが慌てて呼びに来た。
「ミツバチがいるよー」
見に行ってみると、いつの間にかミツバチが入居していた。何だかとても嬉しかった。
それからというもの仕事の合間を見てはミツバチの観察が始まった。観察といっても本当にただ眺めているだけなんだけれど、なんというのか、見飽きないし、とても癒されている。

                 続く

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続・日本みつばちがかわいくて仕方ない 虫の道

グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜

グランシップ誰もがWonderfulアートは障害の有無を超え誰もが持つ豊かな感性や個性を認め合うきっかけの場となることを願い開催されているイベントです。
元々NHKのハートフルアートの流れから生まれたイベントで数年ほど前から静岡市のグランシップで開催しています。

【イベント名】グランシップ誰もがWonderfulアート 白砂勝敏 生命のかたち〜白砂式創造の渦へ〜
【期間】2023年8月26日(土)〜9月10日(日)
【時間】10:00〜17:00 (入場は16:30まで)
【場所】グランシップ6F展示ギャラリー/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
【住所】グランシップ/GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター
    422-8019静岡県 静岡市 駿河区東静岡二丁目3番1号
    JR東海道線 東静岡駅 南口出てすぐ
【主催】公益財団法人静岡県文化財団

★鑑賞ツアー:2023年8月26日(土)(1)11:00〜/(2)13:30〜(40分程度)参加費無料※事前申込制
★白砂勝敏ライブパフォーマンス はこぶねおんがくかい:2023年9月3日(日)14:00から(1時間ほど)参加費1名500円※事前申込制

お問合せ:グランシップチケットセンター TEL054−289-9000


以下のリンクからグランシップイベントの詳細をご覧いただけます。
グランシップ誰もがWonderfulアート
※こちらのページ内の「PDF」リンクからチラシを印刷いただけます。どうぞご利用ください。

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白砂勝敏(Shirasuna Katsutoshi)

静岡県出身、造形家/演奏家。
農業高校造園科卒業、美術音楽共に独学。
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